Green Hill Music Chart 2021 第39節結果

2021シーズン第39節(8月16日~8月22日)結果

 昨シーズンとなる2020年度から大幅に仕様変更を行ったGreen Hill Music Chartですが、今季は新たに長期に渡りチャートインしている曲に対してポイント獲得条件を付け、チャートの活性化を促進する「リカレント・ルール」を導入します。詳しいルールにつきましては下記のリンクをご覧ください。

amano-yuuki.hatenablog.jp

 また、このチャートで用いているBillboard Japanのダウンロードストリーミングルックアップの要素を含め、Billboard Japan全体の仕様解説も掲載しておりますので、併せてご覧いただければと思います。

amano-yuuki.hatenablog.jp

 

 それでは第39節の結果です。

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2021 Round 39 Result

 SKY-HI(日高光啓)主催によるボーイズグループ発掘オーディション「THE FIRST」により誕生した7人組ユニット、BE:FIRSTのプレデビュー曲「Shining One」がダウンロード1位、ストリーミングでも2位に入り初登場1位を記録。初登場1位は第26節にBTS「Butter」が記録して以来今季4曲目となる。ただダウンロードもストリーミングも多くの配信業者でキャンペーンが行われていたため、これが無くなった後でどれだけ上位に残れるか。今週の時点で評価するのはまだ早いだろう。

 13日に突如リリースされた「水平線」が2週目にストリーミングで順位を伸ばし2位まで浮上。ダウンロードの順位も維持し、好調を維持しているようだ。「Permission to Dance」は3位のままだが、ダウンロードでポイントを取り戻した。

 「U」はシングルCDがリリースされルックアップでもポイントを獲得し5位まで再浮上。その他初登場は7曲。JO1のシングルCD「STRANGER」から「REAL」が6位。back numberのファンクラブ限定で発売された「女王の猿」が18位。週末に放送された24時間テレビのチャリティー・ソングとしてリリースされた「歌を歌おう」が20位。ゲーム「アイドルマスター シャイニーカラーズ」のアルストロメリアが21位。小説「老人と海」をモチーフとした同名曲が23位。ザ・キッド・ラロイとジャスティン・ビーバーによる「STAY」がリリース7週目でポイントを獲得。久々の洋楽曲チャートインとなった。そして25位にはGLAYのニューシングルがチャートインした。

 なお前節首位の「Cry Baby」はアルバムリリースの影響もあってか一気に10位まで後退。ただ「アポトーシス」は順位を伸ばしており明暗が分かれた感がある。また「ドライフラワー」がチャート復帰。年間1位に向けて大きな8Pt.を手に入れた。

 

 つづいて、今週の結果を受けてのアーティストランキング上位40組はこのようになりました(ポイントの増減に伴う順位変動に対し赤文字青文字表記)。

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Artist Ranking 21-39

 今週はトップ10に変動無し。先週お伝えした通り、今週から昨年のBTS「Dynamite」分のポイントが引かれ始めている。YOASOBIを含め昨年分の引かれたポイントと今年のポイントがほぼ相殺する形となっているため、上位2組のポイントはあまり変動が無い状態が続きそうだ。

 今週19Pt.を稼いだback numberは3つ順位を上げ19位まで浮上。やはり人気の高いところを見せつけました。

 

 現在の暫定年間ランキング、およびアーティストランキングの上位50組はこちらからご覧ください。

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 以上が今週のチャートでした。

 

 さて来週はややメンバーが低調に見える。今週上位に入った面々による争いが続くだろう。初登場1位になったBE:FIRSTには真価が問われる展開となりそうだ。果たして来週はどう変わるのか。ぜひご覧ください。

Green Hill Music Chart 2021 第38節結果

2021シーズン第38節(8月9日~8月15日)結果

 昨シーズンとなる2020年度から大幅に仕様変更を行ったGreen Hill Music Chartですが、今季は新たに長期に渡りチャートインしている曲に対してポイント獲得条件を付け、チャートの活性化を促進する「リカレント・ルール」を導入します。詳しいルールにつきましては下記のリンクをご覧ください。

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 また、このチャートで用いているBillboard Japanのダウンロードストリーミングルックアップの要素を含め、Billboard Japan全体の仕様解説も掲載しておりますので、併せてご覧いただければと思います。

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 それでは第38節の結果です。

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2021 Round 38 Result

※ 10位は2曲が同点

 Official髭男dism「Cry Baby」が前節からポイントを落とすも、他の曲も伸びきれず首位獲得に成功。この曲は第24節に初登場。第28節に一度チャートアウトしているものの、翌週再登場から順位を伸ばし、ついに週間1位まで上り詰めた。ただ今週は複数要素でトップ10入りしたのがこの曲だけ。獲得ポイントも12Pt.と首位のポイントとしては低く、首位獲得は展開が味方した感は否めないだろう。それもあり今週は27曲がポイントを獲得と非常に間延びした形となった。前節まで4週連続1位だった「Permission to Dance」は3位に後退している。

 初登場は9曲。King Gnu、millennium paradeの常田大希による楽曲となっている「マスカラ」が2位。YOASOBIの新曲「ラブレター」が4位。昨年のインターハイ中止に伴い制作された「水平線」が今年のインターハイ開会式が行われた8月13日に突如リリースされ6位。昨年から公開されているMVは9000万回近い再生数を記録している。

 10位にはスバル・フォレスターCMソングの「炎の聖歌隊 [Choir(クワイア)]」と、映画「かぐや様は告らせたい 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜 ファイナル」挿入歌の「会いたくて」が並ぶ形となった。なお前者は9月15日リリースのEP盤に21位の「SMILE〜晴れ渡る空のように〜」と共に収録される。TikTokとのコラボソングとなった「線香花火」が14位。今週発売されたアルバムからの先行配信となった「アポトーシス」が19位となっている。

 なお8位の「イヤフォン・ライオット」と16位の「A10TION」はLINE MUSICによる再生回数キャンペーンの影響が大きく、実人気とはかけ離れた結果である可能性が高い。Kis-My-Ft2は10日からLINE MUSIC限定、期間限定でストリーミング配信を始めたが、週間で100位以内に入ったのは、再生回数キャンペーンを用いたこの曲だけとなっている。

 また今週は昨年第39節の初登場以来ここまでチャートインを続けていたBTS「Dynamite」がリカレント・ルールにより(ストリーミングが週間6位に後退したため)脱落。来週以降、ストリーミングでは週間3位以内がポイント獲得条件となるため、再登場はかなり厳しいと見られる。

 

 つづいて、今週の結果を受けてのアーティストランキング上位40組はこのようになりました(ポイントの増減に伴う順位変動に対し赤文字青文字表記)。

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Artist Ranking 21-37

 トップ10では米津玄師が前節につづき順位を落とし9位に後退。来週以降もポイントが減り続けるため、徐々に順位を落としていくだろう。また上記でも触れた通り、「Dynamite」のポイントが来週から削除されるため、BTSの獲得ポイントは来週以降伸びを欠く形になりそうだ。

 それ以下では大きな動きはないが、昨年の主役の一人だった瑛人が後退。今季も来週で3/4が終了。最終的にはどのようなランキングとなるのか。

 

 現在の暫定年間ランキング、およびアーティストランキングの上位50組はこちらからご覧ください。

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 以上が今週のチャートでした。

 

 さて来週はSKY-HI(日高光啓)主催によるボーイズグループ発掘オーディション「THE FIRST」により誕生した7人組ユニット、BE:FIRSTのプレデビュー曲「Shining One」が登場。この曲もLINE MUSICによる再生回数キャンペーン対象曲だが、他のストリーミングサービスでも好調なようだ。また今週23位の「U」がシングルCDとしてもリリース。ルックアップでも結果を残せるか。稀に見る混戦模様のチャートから抜け出すのは誰か。来週のチャートもぜひご覧ください。

Green Hill Music Chart 2021 第37節結果

2021シーズン第37節(8月2日~8月8日)結果

 昨シーズンとなる2020年度から大幅に仕様変更を行ったGreen Hill Music Chartですが、今季は新たに長期に渡りチャートインしている曲に対してポイント獲得条件を付け、チャートの活性化を促進する「リカレント・ルール」を導入します。詳しいルールにつきましては下記のリンクをご覧ください。

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 また、このチャートで用いているBillboard Japanのダウンロードストリーミングルックアップの要素を含め、Billboard Japan全体の仕様解説も掲載しておりますので、併せてご覧いただければと思います。

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 それでは第37節の結果です。

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2021 Round 37 Result

 BTS「Permission to Dance」がダウンロードのポイントを落としたものの何とか逃げ切り4週連続1位を記録。しかし「Cry Baby」が同点の2位まで接近。一度はチャートアウトした曲がここまで戻ってくるのは珍しい。果たして逆転はあるのか? 「三原色」はストリーミングでポイントを落としたものの3週連続3位となった。

 今週は10Pt.で4曲が並ぶ大混戦。ドラマ「彼女はキレイだった」主題歌の「夏のハイドレンジア」が4位。前節2位の「U」が5位に後退。ゲーム「THE IDOLM@STER」5作品合同シングルはダウンロードでもポイントを獲得し6位。ダウンロードで1位となった「SMILE〜晴れ渡る空のように〜」が7位に順位を上げた。

 初登場はこの他4曲。アニメ「ラブライブ!スーパースター!!」エンディング曲「未来は風のように」が15位。アニメ「EDENS ZERO」オープニング曲「FOREVER」は日曜日リリースながらポイントを獲得。ゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク」から25時、ナイトコードで。のシングルが20位。映画「キネマの神様」主題歌「うたかた歌」が21位に入った。なお嵐「カイト」は今年1月以来のポイント獲得となった。

 

 つづいて、今週の結果を受けてのアーティストランキング上位40組はこのようになりました(ポイントの増減に伴う順位変動に対し赤文字青文字表記)。

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Artist Ranking 21-37

 トップ10では米津玄師が2つ順位を下げ8位に後退。今週ポイントは入っているものの、失われる昨年分のポイントが大きく順位を落としました。またあいみょんもトップ10から後退。これでSnow Manが10位に進出しました。

 

 現在の暫定年間ランキング、およびアーティストランキングの上位50組はこちらからご覧ください。

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 以上が今週のチャートでした。

 

 さて来週はYOASOBIの新曲「ラブレター」が登場。桑田佳祐Official髭男dismも新曲をリリースしたがヒゲダンは「Cry Baby」との票割れの危険性もありそうだ。また金曜日にはback number「水平線」、Ado「会いたくて」がリリース。「水平線」は1年前に公開されたMVが既に9000万近い再生数を記録しており、ファン待望の1曲と言えるだろう。これらの曲が上位争いにどう影響を与えるのか。来週のチャートもぜひご覧ください。

Green Hill Music Chart 2021 第36節結果

2021シーズン第36節(7月26日~8月1)結果

 昨シーズンとなる2020年度から大幅に仕様変更を行ったGreen Hill Music Chartですが、今季は新たに長期に渡りチャートインしている曲に対してポイント獲得条件を付け、チャートの活性化を促進する「リカレント・ルール」を導入します。詳しいルールにつきましては下記のリンクをご覧ください。

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   また、このチャートで用いているBillboard Japanのダウンロードストリーミングルックアップの要素を含め、Billboard Japan全体の仕様解説も掲載しておりますので、併せてご覧いただければと思います。

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※ ここ最近、木曜日までにブログを更新出来ない場合が多くなっていますが、今後は統一して金曜日にブログを更新する予定とします(主に配信での金曜リリースに対応できるため)。ツイッターではなるべく水曜日までに、HPは木曜日までに更新予定ですので、早くご覧になりたい方はそちらをご覧ください。

 それでは第36節の結果です。

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2021 Round 36 Result

 BTS「Permission to Dance」がダウンロードでポイントを落としたもののリードを守り切り3週連続1位。アメリカのBillboard Hot 100では「Butter」が再び首位となっているが、日本では新曲の方が勢いがありそうだ。

 今週はベスト3に変動無し。「竜とそばかすの姫」主題歌「U」はポイントを維持。「三原色」はダウンロードで1Pt.落としたが3位をキープ。ただ今週は全体的に水準(売上数、再生数)が落ちており、順位変動が起こりやすい状況にはなっている。そんな中「SMILE〜晴れ渡る空のように〜」がダウンロードで再浮上しトップ10復帰。「怪物」は英詞版となる「Monster」のリリースで合算されダウンロードでポイントを獲得している。

 今週初登場は6曲。ドラマ「#家族募集します」主題歌の「でっかい愛」が4位。ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」主題歌の「アカリ」が6位(シングルCDは9月8日リリース)。ミュージカル「刀剣乱舞」五周年記念公演で披露された「壽歌(ほぎうた)」が11位。THE ALFEE70枚目のシングルが16位。ドラマ「プロミス・シンデレラ」主題歌の「HADASHi NO STEP」が19位(シングルCDは9月8日リリース)。ゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」4周年記念楽曲が21位に入った。

 

 つづいて、今週の結果を受けてのアーティストランキング上位40組はこのようになりました(ポイントの増減に伴う順位変動に対し赤文字青文字表記)。

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Artist Ranking 21-36

 今週トップ10ではSixTONESが7位に後退。なおSixTONESは来週シングルリリースを控えている。ランクアップではジャニーズWESTが100Pt.を超え18位に浮上。星野源も22位まで順位を伸ばしてきました。

 

 現在の暫定年間ランキング、およびアーティストランキングの上位50組はこちらからご覧ください。

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 以上が今週のチャートでした。

 

 さて来週、新譜ではTHE IDOLM@STER FIVE STARS!!!!!がダウンロードでも好調で思わぬ波乱が起こる可能性も。チャート上位では登り調子の「Cry Baby」が上位に迫る中間状況となっている。今週不動だったベスト3に変動はあるのか? 来週のチャートもぜひご覧ください。

Green Hill Music Chart 2021 第35節結果

2021シーズン第35節(7月19日~7月25)結果

 昨シーズンとなる2020年度から大幅に仕様変更を行ったGreen Hill Music Chartですが、今季は新たに長期に渡りチャートインしている曲に対してポイント獲得条件を付け、チャートの活性化を促進する「リカレント・ルール」を導入します。詳しいルールにつきましては下記のリンクをご覧ください。

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   また、このチャートで用いているBillboard Japanのダウンロードストリーミングルックアップの要素を含め、Billboard Japan全体の仕様解説も掲載しておりますので、併せてご覧いただければと思います。

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※ ここ最近、木曜日までにブログを更新出来ない場合が多くなっていますが、今後は統一して金曜日にブログを更新する予定とします(主に配信での金曜リリースに対応できるため)。ツイッターではなるべく水曜日までに、HPは木曜日までに更新予定ですので、早くご覧になりたい方はそちらをご覧ください。

 それでは第35節の結果です。

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2021 Round 35 Result

 BTS「Permission to Dance」がポイントを維持し2週勝ち抜き。さすがにダウンロード数、ストリーミング回数は落ちているものの、それでもダウンロード、ストリーミングの順位を落とさず逃げ切った。

 「竜とそばかすの姫」主題歌「U」がストリーミングでポイントを獲得し2位まで浮上。ストリーミングでも結果が出て、ここから軌道に乗るか。前節2~5位は一歩ずつ後退。「三原色」はストリーミングでポイントを失い、「Butter」、「Cry Baby」はダウンロードでポイントを失っている。「HELLO HELLO」はルックアップで同じジャニーズ事務所KinKi Kidsを振り切り10Pt.をキープした。

 そのKinKi Kidsを含め今週初登場は5曲。「竜とそばかすの姫」挿入歌「心のそばに」が12位。超特急の新曲が14位だが、これはLINE MUSICでの再生回数キャンペーンによる影響が大半を占めている模様。オーディション「THE FIRST」テーマ曲が15位。「プロジェクトセカイ」から「potatoになっていく」がダウンロードでポイントを獲得した。なお20位に再登場した「怪物」の英詞版「Monster」が30日からリリースされている。またKing & Princeがアルバムリリースの影響で2曲が再登場となった。

 

 つづいて、今週の結果を受けてのアーティストランキング上位40組はこのようになりました(ポイントの増減に伴う順位変動に対し赤文字青文字表記)。

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Artist Ranking 21-35

 今週はトップ10に変動無し。20位までで見てもジャニーズWESTが18位から21位に下がった以外は変動無しと穏やかな週となった。なおそのジャニーズWESTは今週シングルCDをリリースしている。

 

 

 現在の暫定年間ランキング、およびアーティストランキングの上位50組はこちらからご覧ください。

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 以上が今週のチャートでした。

 

  さて来週も上位を脅かす新曲は不在。BTSと「竜とそばかすの姫」主題歌、更に「Monster」との合算になる「怪物」がどこまで上がってくるか。来週のチャートもお見逃しなく。

2021年 上半期ランキングを改めて振り返る(3)

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  さて今回は6月28日と7月5日に発表されたCDTVオリジナルランキング」の上半期ランキングを振り返ってみたいと思います。

 

 まず「CDTVオリジナルランキング」についてですが、オリコン準拠のCDシングル1枚単位のランキングから、2017年4月以降Billboard Japan Hot 100準拠の1曲単位でのランキングに変更されており、今年3月までは土曜深夜に放送されていた「CDTVサタデー」でランキングが発表されていましたが、番組が終了(統廃合)し現在は月曜に放送されている「CDTVライブ!ライブ!」の中で発表されています(ランキングの日付は以前同様土曜日付となっている)。原則放送終了後にHP(↓リンク)で100位まで発表。放送が無い日に関しては通常の放送終了時間となる22:00前後に発表されています。

 

www.tbs.co.jp

 

  それでは、CDTVオリジナルランキングの上半期ベスト40を見てみましょう(集計期間は2021年1月2日付~6月26日付までの26週間と見られる)。

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CDTV 2021年上半期 40-21位

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CDTV 2021年上半期 ベスト20

・ 週間最高位は2021年上半期内での最高位。複数回記録はカッコ表記。

・ 週数は週間100位以内のランクイン回数。白抜きは6月26日付時点で週間100位圏外

※ 9位のDISH//「猫」は原曲と「THE FIRST TAKE ver.」を合算集計している

 

 このような結果となり、Billboard Japanとは4週間集計期間が異なるものの、優里「ドライフラワー」がBillboard Japan上半期ランキング同様に1位。2位には先日CD売上でミリオンを達成したSnow Man「Grandeur」が入り、3位にはBTS「Dynamite」が入った。一方でBillboard Japan上半期ランキングでは2位だったLiSA「炎」が、集計期間の影響から5位に後退している。

www.billboard-japan.com

 これだけを見ると集計期間と番組オリジナルの要素を加え「ああ、そうなのかな」との印象を受けるかもしれないが、なにぶん番組のランキングに対する説明が良くない。そのため、違和感を感じた視聴者も多かったのではないだろうか。

 

 まず毎週発表している「CDTVオリジナルランキング」に対する説明である。この時番組内では、「カラオケTwitter動画再生CDセールスダウンロードラジオ再生回数等を集計しランキングを作成」と説明している。それに加え番組内で上半期ランキングについて「みんなが聞いて歌った神ランキング」と表記している。

 実はこの時点でもはや矛盾してしまっている。「みんなが聞いて歌った」のであれば、曲を聞いたのか、歌ったのかの保証が無いTwitterの要素は必要無いだろう。そしてもう一つ問題があるのは、今や特典目当てで買う人が多い、聞いた保証が無いCD売上の要素は不要とまでは言わないが、そこまで重視される要素ではないだろう。しかし今のCDTVオリジナルランキングは、Billboard Japanが発表しているSoundScan Japan調べのCD売上と、オリコンのCD売上を1/2にして合算し、実質CD売上のポイント換算をBillboard Japanの1.5倍にして集計してしまっている(これによりバランス調整のためか、ダウンロードのポイント換算が、Billboard Japanの1/2に減算されている)。これは明らかに「みんなが聞いて歌った」と言う上半期ランキングのコンセプトとは異なる比重の掛け方と言えるだろう。

 そして何より、「CDTVオリジナルランキング」に対する説明の中で、最も重要に見えるストリーミング(サブスク)再生回数に対する言及が無い(「等」に含まれてしまっている)のも不信感を強めている。もう一つ欠けているルックアップ(CD稼働回数)についてはCD売上と比べ比重が低い分、説明も省けるが、ランキングを見て分かる通りほぼ上位はストリーミング上位勢で占められており(おまけを言えばポイント換算はBillboard Japanと同等)、ストリーミングをあえて説明から外す必要があっただろうか。あえて説明から省いた2つの要素は「みんなが聞いて歌った」上半期ランキングのコンセプトと合致しており、番組内での説明を鵜呑みした視聴者からすると、誤認する可能性も否定できない。

 従って「みんなが聞いて歌った神ランキング」の割に、「聞いた」「歌った」と言う根拠に欠けるTwitterが含まれ、CD売上が重視され、逆にダウンロードが軽視され、ストリーミングは説明すら省かれている、「看板に偽りのあるランキング」になってしまっているのである。「歌った」と言うカラオケの要素が週間ランキングより重視されていればいいのだが、コンセプトとは異なるランキングを作っている都合、おそらくそれはやっていないだろう。これでは違和感を感じるのは当然と言える。

 もし本当に「みんなが聞いて歌った神ランキング」にしたかったのであれば、通常の週間ランキングとは異なる比重をかけるしかなかった。ここまで書いた事を例に取れば、Twitterの要素を省き、CD売上の比重を減らし、逆にダウンロードルックアップ、そしてカラオケの比重を上げるべきだっただろう。もしくはわざわざ「みんなが聞いて歌った神ランキング」と言う触れ込みをする必要が無かったと言える。下手をすれば印象操作になりかねないだけに、わざわざそのような触れ込みを立てる必要があっただろうか。これではランキングに対する信用性が失われるもの当然だろう。

 

 ちなみに「日経エンタテインメント!」のこの記事ではBillboard Japanが発表していない部分についても掲載されており、ここも参考になる部分があるので、合わせて紹介しておきたい。

style.nikkei.com

  先ほどリンクで示したBillboard Japan上半期ランキングはベスト10までの紹介だったが、ここでは20位までの詳細な(各要素別を含めた)結果が掲載されている。CDTVオリジナルランキングでは上半期2位だったSnow Man「Grandeur」はBillboard Japan上半期ランキングでは18位乃木坂46「僕は僕を好きになる」はBillboard Japan上半期ランキングでは20位以内に入っていないこの2曲は上半期のCD売上1位と2位であり、CDTVオリジナルランキングでは明らかにCD売上が作用して順位を伸ばしている

style.nikkei.com

 更にSnow Man「Grandeur」のCD売上以外の記録を見てみると、Twitterも上半期1位となっており、先ほど触れた「聞いた」「歌った」と言う根拠に欠ける2要素両方で1位となってしまっている。CD稼働回数であるルックアップでは4位と高い順位を記録しているが、累計CD売上で大きく劣るLiSA「炎」が3位となっており、売上相応に、かつ長期的にCDが聞かれているかと言う点では疑問が残る。

 

 

 このような点から、CDTVオリジナルランキング「みんなが聞いて歌った神ランキング」とは到底呼べないものであるにも関わらず、このような触れ込みをしてCD売上を重視したランキングを発表しており、印象操作を起こしかねない状態となっている。これは2017年4月のランキングリニューアル以降からの問題であり、今に始まった事ではない。おそらくオリコンとの関係性を保つためだろうが、それがランキングの信用性を失う原因になってしまっているのであれば、当たり前だが改善が必要だろう。ただBillboard Japan Hot 100で6月からCD売上のポイントに対する係数処理(割合減算)の適用範囲が大幅に引き下げられ、CDTVオリジナルランキングでもこれが適用されている傾向が見られているため、この効果次第では今回浮き彫りになった問題が下半期以降改善される可能性もある。

amano-yuuki.hatenablog.jp

追記:7月26日の番組内で放送された7月の月間ランキングを見ると、20万枚以上のCD売上がある関ジャニ∞「ひとりにしないよ」やENHYPEN「Given-Taken」がトップ10入りを逃していた。5月の月間ランキングで上2曲と同等の売上があったジャニーズWEST「サムシング・ニュー」が月間3位だったところからも、上記「CD売上のポイントに対する係数処理」の効果が見えており、週間ではそれほど結果が変わらないかもしれないが、月間や年間単位となると、CD売上一辺倒では5月以前の曲より不利を伴うだろう

 

  いずれにせよ、日本の音楽番組では珍しいフルコーラスでの歌唱披露など、視聴率は高くないながら他局の音楽番組にも影響を与えている「CDTVライブ!ライブ!」の根幹とも言えるランキングが、ヒットチャートと呼ぶには中途半端な構造になっているのは番組のためにも良くないだろう。そして今回、不必要な触れ込みにより印象操作をされかねないランキングを発表してしまった事については猛省を促したい。25年以上に渡り音楽ランキングを中心に発表していた番組であれば、誠意ある番組とランキングづくりをしてもらいたいものだ。

Green Hill Music Chart 2021 第34節結果

2021シーズン第34節(7月12日~7月18)結果

 昨シーズンとなる2020年度から大幅に仕様変更を行ったGreen Hill Music Chartですが、今季は新たに長期に渡りチャートインしている曲に対してポイント獲得条件を付け、チャートの活性化を促進する「リカレント・ルール」を導入します。詳しいルールにつきましては下記のリンクをご覧ください。

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   また、このチャートで用いているBillboard Japanのダウンロードストリーミングルックアップの要素を含め、Billboard Japan全体の仕様解説も掲載しておりますので、併せてご覧いただければと思います。

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※ ここ最近、木曜日までにブログを更新出来ない場合が多くなっていますが、今後は統一して金曜日にブログを更新する予定とします(主に配信での金曜リリースに対応できるため)。ツイッターではなるべく水曜日までに、HPは木曜日までに更新予定ですので、早くご覧になりたい方はそちらをご覧ください。

 それでは第34節の結果です。

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2021 Round 34 Result

 BTS「Permission to Dance」が3日間の集計だった1週目からストリーミングで過去2番目の記録となる週間1996.6万再生まで伸ばし1位。ダウンロードは僅かの差で逆転されたものの、「Butter」につづき首位獲得に成功。BTSはEP盤リリースの影響もあり、今週もトップ10に3曲がチャートインし合計39Pt.を獲得している。

 前節首位を獲得した「三原色」は英詞版の「RGB」と合算集計となったが、前節からポイントを落とし2位に後退。「Butter」も一歩後退で3位。4位には「Cry Baby」がこの位置まで浮上。先週の「FNS歌謡祭 夏」と「音楽の日」で披露されており、その効果が出ているようだ。なお今週、複数要素でポイントを獲得したのはこの4曲だけとなっており、その影響で今週は26曲がポイントを獲得している。

 そのような状況もあり初登場は9曲と多め。Snow Manは「Grandeur」のミリオン達成も重なってか、今までにないルックアップ数を記録。リカレント・ルールにより「D.D.」はポイントを得られなかったが、過去にリリースした3曲が全てルックアップのトップ10内に再浮上した。「U」は先週公開されたアニメ映画「竜とそばかすの姫」主題歌。シングルCDは8月18日にリリース予定となっているが、映画公開後に勢いが付きダウンロードでBTSを逆転した。この映画からは「歌よ」も14位に初登場している。「SMILE〜晴れ渡る空のように〜」は桑田佳祐ソロとしては初の配信シングル。東京オリンピックの民放共同企画「一緒にやろう」応援ソングとなっている。

 「アイドルマスター シャイニーカラーズ」の放課後クライマックスガールズが15位。「ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」メンバーによるユニット、QU4RTZが17位。「あんさんぶるスターズ!」のCrazy:Bはダウンロードでポイントを獲得し26位。 アニメ「僕のヒーローアカデミア」主題歌の「Merry-Go-Round」が18位。バーチャルYouTuber星街すいせいの新曲が22位に入った。

 なお今週は現在年間暫定1位の「ドライフラワー」がリカレント・ルールによりチャートアウト。年間暫定6位の「夜に駆ける」、同3位の「怪物」も同じくリカレント・ルールにより週間チャートから姿を消した。これで現在、今季の週間チャート全てでチャートインしている曲は「Dynamite」のみとなった。

 

 つづいて、今週の結果を受けてのアーティストランキング上位40組はこのようになりました(ポイントの増減に伴う順位変動に対し赤文字、青文字表記)。

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Artist Ranking 21-34

 トップ10ではBTSがLiSAを上回り2位に浮上。1位YOASOBIとは250Pt.離れているため、簡単には追いつけないがどこまで迫れるか。またあいみょんが昨年のポイントを失い10位に後退。あいみょんはしばらくポイント減がつづくため、Snow Manとの差は一気に縮まる可能性があります。

 

 現在の暫定年間ランキング、およびアーティストランキングの上位50組はこちらからご覧ください。

amalabel.g3.xrea.com

 以上が今週のチャートでした。

 

 

 さて来週は上位進出が予想される新譜が不在で谷間の週となりそうだ。好調を維持しているBTSの2曲に対し、「竜とそばかすの姫」主題歌「U」がどこまで迫れるか。来週のチャートもぜひご覧ください。