Green Hill Music Chart 2020 Mid-Year Rankings

 今シーズンからCD稼働数のルックアップに加え、ダウンロードストリーミングの週間チャートを加え装いも新たにスタートしたGreen Hill Music Chart 2020年シーズン。新型コロナウイルスによるパンデミックと言う世界的混乱が巻き起こり世界中の音楽業界にも多大な影響を及ぼしたが、その中でもどのような楽曲が今季日本でヒットしたのか。今週発表のチャートで今季も折り返しとなり、その結果を含めた上半期ランキングを早速見てみたい(集計期間:2019年11月25日~2020年5月24日の26週間)。

 

 まずは今季から大幅に変更となったGreen Hill Music Chartのルールをご覧ください。

amalabel.g3.xrea.com

 今季からはBillboard JAPAN発表のダウンロードストリーミングルックアップでの週間チャート10位以内に入ると獲得出来るポイントによる年間選手権方式となりました。今までの方式では上半期チャートを仕様上取り上げられなかったのですが、今季からは取り上げてみたいと思います。

 

 まずは楽曲別のランキングとなるSeason Hit 100の上半期ランキングからです。

 

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2020 上半期チャート(曲別1)

※ 黄色は第26節時点で週間チャート在位。各要素太字・濃い背景色が1位、太字・黒文字が5位以内、色付きが10位以内 

 2020年ランキングを首位で折り返したのはLiSA「紅蓮華」。昨年4月にダウンロードリリースされ既に発売から1年以上経過している楽曲であるが、その勢いはむしろ今季に入ってから増しており、週間チャートでは今季に入り6度の首位獲得を達成している。

 昨年、同方式での年間ランキングは20位。部門別ではダウンロードが年間8位となっており、そのダウンロードは今季ここまで首位と、主にダウンロードでの得点が主力となっている。しかしここまで順位を押し上げたのは、昨シーズン獲得ポイントがゼロだったルックアップだろう。シングルCDは昨年7月にリリースされたものの、ルックアップでの初ポイント(トップ10入り)は昨年12月中旬の第4節。以降は順位を安定させ今週遂にリリース47週目にして初の部門1位を獲得。今季はここまで2位とこちらもポイント源としている。また昨年10月にLiSAの全楽曲がストリーミングに解禁され、ここでも現時点で部門4位と高い順位を記録している。

 先日惜しまれつつ「鬼滅の刃」の連載が終了したが、10月には劇場版「無限列車篇」の公開も控えており、まだまだ人気の高い状態が続きそうである。

 

 2位にはOfficial髭男dism「I LOVE…」がランクイン。上半期ベスト5では唯一今季リリースの曲となっており、1月15日に配信、2月12日にシングルCDがリリースされた。その後の勢いは言うまでもなく、ダウンロード、ストリーミング、ルックアップの3部門完全制覇となるパーフェクトを2度達成。週間チャートでもCD発売以降14週連続1位と、年間暫定首位「紅蓮華」を激しく追い上げている。部門別ではダウンロードが2位、ストリーミングが3位、ルックアップは4位と、各部門高得点となっている。

 この両者の争いは今後逆転があるのか。それとも逃げ切るのか。来週以降の下半期でどう推移していくかも注目だろう。

 

 3位にもOfficial髭男dismの「Pretender」が入った。この曲は「紅蓮華」とほぼ同時期の昨年4月にリリースされ昨年の年間3位となっており、今季はルックアップでのポイントは無いものの、ストリーミングでは上半期1位のポイントを獲得し今季も週間チャートでは2度の首位を獲得。現在公開が延期されている新作「コンフィデンシャルマンJP プリンセス編」でも主題歌での起用が予想され、その際には再びポイントを伸ばしてきそうだ。

 その「Pretender」よりさらに前、昨年2月にリリースされた「白日」が上半期4位。昨年4位のこの曲は新シーズンの第1節で初の首位を獲得すると、今年1月にリリースされたアルバム「CEREMONY」のリリース効果でその後2度の週間首位獲得。シングルCD化されていないものの、ストリーミングでは今季も現在2位と好調を維持している。

 5位には昨年8月にリリースされ昨年7位の「馬と鹿」。こちらはストリーミング配信が無いものの、その分ダウンロードとルックアップで強さを発揮し、現在ダウンロード5位、ルックアップでは1位のポイントを獲得している。今季は週間チャート1勝。1週だけチャートから外れたものの、先日まで「ノーサイド・ゲーム」の再放送があり週間チャートでは上位に復帰している。

 

 上半期ベスト5はこのようになり、ダウンロードでのベスト5がそのままの順位で形成される形となった。

 ベスト5以外で各部門の上半期ベスト5に入っているのは、ストリーミング5位で上半期6位の「宿命」、ルックアップ4位で上半期8位の「D.D.」、同5位で9位の「Imitation Rain」となる。昨年7月にリリースされ、昨年5位の「宿命」はほとんどのポイントをストリーミングで記録。「D.D.」と「Imitation Rain」はジャニーズ史上初となる2組同日デビューシングルとして今年1月にリリース。CDでのリリースのみだが両者100ポイントまで積み上げてきた。

 その他、21位から50位まではこのようになっている。なお昨年の年間100位ボーダーは現在50位と同じ13ポイントとなっている。

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2020 上半期チャート(曲別2)

 

 つづいて歌手別のランキングとなるArtists 50。ここでは今季第1節から第26節までの総獲得ポイントでのランキングを発表します。

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2020 上半期チャート(歌手別)

 首位はやはりOfficial髭男dism。総獲得ポイントは1,280と、既に昨年2位相当の得点をたたき出している。Season Hit 100の上半期ランキングではベスト10に4曲、50位以内に7曲を送り込んでおり盤石の体制を築いている。

 2位にはSeason Hit 100の上半期ランキングで1位となったLiSA。ほとんどが「紅蓮華」でのポイントだが、上半期39位の「unlasting」でもポイントを積み重ねている。

 King Gnuはアルバム「CEREMONY」の楽曲からもポイントを重ね3位。米津玄師はセルフカバーした「パプリカ」のポイントも加わり4位。そしてジャニーズ系としては異例のダウンロードでのリリースでポイントを重ねた嵐が5位に付けている。

 以下、図では25位までを紹介したが、昨年の年間50位ボーダーは21ポイント。瑛人、YOASOBIのような新たなヒット路線が形成されつつあるため、ふとしたきっかけでこのボーダーラインはクリア出来そうではあるが、下半期にはどのような歌手が浮上してくるか。

 

 以上がGreen Hill Music Chart 2020年シーズン上半期ランキングとなりました。ご覧いただいている方のお気に入りの曲、また気になった曲はありましたでしょうか。なおBillboard JAPANの上半期ランキングは、来週6月5日に発表予定です。こちらも併せてチェックしてみてください。

 明日は令和最初の1年間でのヒット曲を特集した「Green Hill Music Review 2019-20」をお送りします。どうぞお楽しみに。