6月5日早朝にBillboard Japanが2020年度の上半期チャートを発表した。集計期間は2019年11月25日~2020年5月24日までの26週間。ここでは楽曲別のチャートを中心にまとめていきたい。
Billboard JapanのメインチャートとなるHot 100の上半期チャートはOfficial髭男dism 「Pretender」 が首位を獲得。 「I LOVE…」 が2位に入り上位を席巻。部門別では 「Pretender」 がストリーミング、MV再生数、カラオケの3部門(カラオケは第20週以降、緊急事態宣言による外出自粛要請に伴い、現在もこの部門は集計を休止している)、 「I LOVE…」 もダウンロード、ラジオ、ルックアップの3部門で上半期1位となり、この2曲で8部門中6部門を制する形となった。
この中でも特出すべきは 「I LOVE…」 のルックアップ1位だろう。基本CD売上が高い曲が有利なルックアップでありながら、初動1.6万枚、日本レコード協会のゴールドディスク認定でもゴールド認定(10万枚以上の出荷)に至っていないCDが、それ以上(今季発売のシングルCDでゴールド以上の認定を受けているのは、ストスノ合算を含め17作)のCDを差し置いて1位となったのは、レンタルを含め多くの人がこのCDを聞いた証拠だろう。そう思うと、ヒゲダンのストリーミングにおける強さも頷けるところである。逆に言うと、 「I LOVE…」 以上に売れたCDがルックアップでこれに及ばなかったのは体たらくとも言えてしまうのではないだろうか(特に配信を行っていないジャニーズ系)。この事からも、CD売上だけのチャートが説得力を失うのも当然と言え、上半期チャートの扱いもダウンロードやストリーミングのチャートより後と言うのも当然の扱いだろう(参考までにCD売上だけの上半期チャートをリンク)。
そんな中、CD売上勢で上半期ベスト10入りを果たしたのがSnow Man 「D.D.」 とSixTONES 「Imitation Rain」 。ジャニーズ系として初となる2組同時デビューシングルとして発売され、このブログでもその戦いの様子を伝えたが、初動後のCD売上、ルックアップ、そしてツイートの積み重ねによりこの順位を獲得したのはここまでのチャートアクションを見ていただければ分かると思う。
CD発売週はSixTONESが制したものの、上半期ではSnow Manが上回る結果となった。お互い2ndシングルが控えている中、デビューシングルのミリオン達成を含め今後どのように推移していくか。
上半期ベスト10では今季リリースの曲は 「I LOVE…」 、 「D.D.」 、 「Imitation Rain」 の3曲のみ。残る7曲は昨年以前のリリース曲だが、総じてストリーミングで上半期ベスト10に食い込んでいる曲となっている。
※ 上半期ベスト10におけるCD売上、ダウンロード売上、ストリーミング回数の上半期チャートトップ10の順位。CD売上は係数処理の関係上、CD売上の順位がそのままCD売上での獲得ポイントの順位では無い。週間最高位は今季の記録。最高位複数回記録の場合カッコ表記
特にベスト5は、順位の違いがあれどストリーミングのベスト5がそのまま入る形になっている。上記にもある通り、CD売上だけのチャートが説得力を失い、ダウンロードもストリーミング市場に押し出され規模が縮小傾向にあるだけに、ストリーミングの影響力が今後も増すと見られているが、その一方で日本人特有の保守的思考によりストリーミングチャートの固定化が顕著になっているのも事実であり、その結果週間チャートやHot 100をベースとしているCDTVのランキングが飽きられてきているのも事実である。この点については先日も取り上げたが、各ストリーミング業者を含め対策を講じるべきか検証するべきだろう。
とは言え、ここ最近の週間チャートではアメリカ同様TikTokからのヒット曲も現れはじめ、新たな局面を迎えつつあるのも事実。果たして今季下半期は、そして2020年代のヒットチャートはどのような変貌を遂げるのか。その行方を見守りたいところだ。