「今年イチバン聴いた歌」は、本当に聴かれた歌か?

 昨年12月29日に日本テレビ系で放送された「発表!今年イチバン聴いた歌年間ミュージックアワード2025」では、昨年から引き続きSpotifyの年間ランキングベスト100を発表していたが、それが本当に「今年イチバン聴いた歌」なのか?

 

 それを調べるためBillboard Japanのサブスク再生数ランキングである「Streaming Songs」の年間ランキングと比較してみた。この「Streaming Songs」はSpotify以外にも、国内主要音楽サブスクであるAmzon Music(UnlimitedおよびPrime Music)、Apple Music、auスマートパスプレミアムミュージック、AWA、dヒッツ、KKBOX、LINE MUSIC、Rakuten Music、TOWER RECORDS MUSIC、YouTube Musicに加え、昨年9月からQobuzの再生数を有料アカウント、無料ユーザーとプレイリスト型、オンデマンド型の市場規模やシェアを考慮し、それぞれの再生回数に対し係数処理をした上でポイント合算し順位付けしたものとなるため、単純な再生数のランキングではないが、比較対象としては問題なく使えるものとする。

 なおオリコンのストリーミングランキングはミュージックビデオの再生数を含んでおり、単純なサブスク再生数との比較は難しいため、ここでは用いない(オリコンでは無料ユーザーの再生数は1/3、Amazon Prime Musicは1/2に減算され発表されている)。

 

 

 では早速上位から見てみたい(Billboard Japanと比較して10以上順位が上回っている曲は黄色、10以上下回っている曲は灰、30以上下回っている曲は白抜きで表示)。

ランキング比較1~20位

ランキング比較21~40位

ランキング比較41~60位

ランキング比較61~80位

ランキング比較81~100位

Spotifyランク外(1)

Spotifyランク外(2)

 SpotifyBillboard Japan Streaming Songsの年間ベスト100はこのようになっており、上位で見るとBTSのメンバーによるソロ楽曲とNumber_iで大きな差異(Spotifyの順位が高い)が生じている。特にNumber_iはSpotifyでベスト100に5曲ランクインしているものの、全体的にはSpotify以外で聴かれているかが疑わしいぐらいの内容と言えてしまいかねない。

 逆にSpotifyの方が順位が低く出ているのはHANAか。こちらは4曲がSpotifyでベスト100に入っており、「Drop」は同じ順位だったが、その他の3曲がSpotifyで低い順位となっている。こちらは逆にSpotify以外のサブスクが主力になっているものと見られる。

 

 なおSpotify以外にも言えるが、順位の差異が大きい曲は所謂「50位の壁」と呼ばれるデイリーランキングのプレイリストに載る、載らないの差によるところもあるだろう。

 

 

 今回の番組を見て違和感を覚えた人の要因はこのようなところでは無いかと思う。特にSpotify以外のユーザーからすると「この曲が異常に高い、低い」と感じた人も多かったのではないだろうか。主だったところの楽曲はどのサブスク業者でも同じように聴けるが、業者によって様相が異なるランキングが出来上がるのは、ぜひ頭の中に入れておきたい。