WBC:せっかくの祝勝ムードを台無しにした男

 第1回WBCは日本がキューバを下し、初代王者に輝いた。瞬間最高視聴率が56%に達するなど、人気低迷の続く野球界にとって久々の朗報とも言える結果となったことは間違えないだろう。

 さて試合後の表彰式、ティファニー社製のチャンピオントロフィーがB.セリグ大リーグコミッショナーから手渡される時だった。王監督の横に根來泰周日本野球機構コミッショナーがそそくさと現れたのである。そして彼は選手たちが苦労して手に入れたチャンピオントロフィーを王監督より先に手に入れようとしたのである。

 なんたることか。

 まるで部下の苦労を知らず自分の手柄にしてしまうお役人そのものではないか。いったい彼が何に貢献したのであろうか。「ストライキが起きたらコミッショナーを辞める」と言った男が、のうのうと降りるべき役に居座り続け、ついにはこの言葉を撤回してしまったこの男が、選手たちと一緒に記念撮影する資格が果たしてあるのだろうか。はっきり言って邪魔である。こんな男に、これからどれだけの栄誉が付くか分からないチャンピオントロフィーに、選手より先に手をつけようとしたのである。これは恥じるべきことだ。

 様々な問題を抱え第1回のWBCは幕を閉じたが、結局こういうオチが付いてしまうのも、何か必然的なものを感じる。09年の第2回大会に向け、日本が王座を守るべくやることはたくさんある。このコミッショナーの愚行が、将来の日本プロ野球を暗示させない事を祈るばかりだが…