先日放送されたF1トルコGPの地上波中継で、レギュラーキャスターを務める山田優の後輩モデルに当たる蛯原友里と押切もえが出演し、フジテレビがひんしゅくを買ったことは見た人なら分かると思う。03年からキャスターとして起用されている永井大と山田優に対しては、コアなF1ファンからのクレームが後を絶たない状況になっているが、今回の件でそれがさらに増してしまった感は否めないところだ。
ではなぜこのようなことをする必要があるのか?
まず地上波におけるF1の放送時間(決勝)であるが、通常は日曜夜23:50~から放送される。
ここが重要だったである。
テレビ各局がしのぎを削っている視聴率争いと言う物があるのはご存知だと思う。それには一番組の視聴率と言うものと、その日全体の視聴率の2つ争いがある。
前者はその番組が放送されている全体の平均視聴率が示される。その放送内で数字が一番良かった時間(1分間)が、瞬間最高視聴率として示されるのである。
しかしここで触れるのは後者の方である。
テレビ局の視聴率三冠と言うものは、テレビを見ている人には聞きなれた言葉だろう。この三冠は以下の時間の平均視聴率で競われるものである。
・ゴールデン(19:00~22:00)
・プライム(19:00~23:00)
・全日(6:00~24:00)
これにノンプライム(6:00~19:00と23:00~24:00)を含めた四冠と言う言い方もある。これはスポンサー収入(CM広告費など)に関る大きな数字となっている。
上の時間帯を見てピンと来た人もいると思います。そう、そこがフジテレビの狙いだったのです。
23:50~24:00の10分間は、この三冠・四冠争いに関る時間帯なのです。以前F1の放送枠は23:45~だったのですが、15分では前説が長すぎるのでなんとか10分に縮めて、全日とノンプライムの最後の追い込みをかけようとするのがフジテレビの魂胆だったのです。
ではこの10分間でなにをやっているのか? 昨日の予選のダイジェスト、スターティンググリッド(決勝の並び順)とコースの紹介。それと川井ちゃんからの見どころ解説。わざわざ永井&優を使う必要が無い内容で、以前はアナウンサーと解説が現地からやっていたことである。このことから永井&優の出演は視聴率稼ぎが目当てであるのがミエミエである。
ひょっとしたらF1のレース部分の視聴率なんて、どうでもいいのかもしれませんね。
こんな視聴者とファンをないがしろにするテレビ局の番組を、あなたはいつまで見続ける気ですか?