男性K-POPユニットに再興の兆し。その理由は…

 韓流ブームもひと段落し、ここ最近は一時期のゴリ押しと呼ばれるほど各マスコミが猛プッシュしている訳でも無くなってきているK-POP。更に日韓関係の冷え込みもあり、日本での活動にリスクを伴ってきている可能性がある中、最近になって新たな男性K-POPユニットがチャート上位に食い込むようになって来ている。

 今週の週間チャートは先に取り上げたようにレベルが高い上に新譜が数多く登場したが、トップ10に男性K-POPユニットが2組ランクインしている。去年日本デビューしたCODE-Vは5位に入り自己最高位を後身。10位のB.A.Pは先月日本デビューしたばかりでデビュー作ではいきなり5位にランクイン。さらに先週のチャートでは11位に入ったF.CUZが前作より数字を伸ばしている。先月ではApeaceが自己記録を更新しての13位と上昇一途の感。今週発売のシングルでもBOYFRIENDやMYNAMEが火曜付けでトップ10入りしており、週間でも上位にランクインされる可能性がある。
 一方女性のK-POPユニットとなるとKARAと少女時代以外が最近パッとせず、先月久々にAFTERSCHOOLが7位に入ったものの、全体的な勢いは一時期に比べ失せてしまっている。今週発売のシングルでもBOYFRIENDに対し、週間首位獲得経験があるT-ARAがデイリートップ10入りできない苦しい推移になっている。

 この男女差がどこで出来てしまったのか。K-POPブームが起こった2010~11年と現在の状況の変化を見ると、国内のグループアーティストの現状が関係しているのでは無いかとの推測が出来る。

 現在日本の女性グループアーティストは、K-POPブームが起こった当時から比べると実に多種多彩になって来ている。AKB48を筆頭とするAKB系。勢いを取り戻したモーニング娘。を筆頭とするハロプロ系。さらにE-girlsから枝分かれするEXILE系女性ユニット。ももクロエビ中を擁するスターダスト系。LinQNegiccoなど人気が全国区になった地方発のアイドルユニット。THE IDOLM@STERラブライブなどのゲーム、アニメの声優がそのままアイドルユニットになったものまで加えると相当な数になってきている。
 その一方で男性のグループアーティストとなると相変わらずジャニーズ系の寡占状態が続いており、この期間でようやくEXILEを筆頭とするEXILE系が台頭してきたぐらいだ。話によるとジャニーズ系以外の男性アイドルユニットには、ジャニーズが圧力をかけ活動を抑制しているとまで言われている(「w-inds.はアジアで人気が高い」と言われているが、裏を返せばジャニーズによる圧力で国内での活動が制限され、否応なしに海外で活動せざるを得なくなったとも言える)。

 国内の女性グループアーティストの多様化により女性K-POPユニットへの需要が奪われたのなら、逆にジャニーズ系とEXILE系のみの国内男性アイドルユニットに対し、男性K-POPユニットは入り込む余地があるのではないだろうか。ジャニーズが他に圧力をかけているかどうかは定かではないが、もしそうであれば、その寡占状態が要因で男性K-POPユニットの勢力を今後強めるかもしれない要素となってしまうかもしれない。今後の動向に注目したい。