Monthly Billboard JAPAN Digest(2014 Apr.)

 さて4月のMonthly Billboard JAPAN Digestです。

 今回はまず、今季からチャート要素に取り入れられたLook Upの要素について。

 2012年度のチャートからiTunesのDL数がチャートに反映されるようになった事は先月のこのコーナーで取り上げましたが、日本ではまだまだレンタルCDで新譜を手に入れるユーザーが多く、その比率はiTunesレコチョク等の有料配信サービスを上回っています。これは日本レコード協会発表の『音楽メディアユーザー実態調査』でも示されている通りです。
http://www.riaj.or.jp/report/mediauser/
 このようなCDセールスや配信実績では掴めないユーザー層をチャート要素として加えるために、グレースノート社のCDDBに対する『楽曲データベースへのアクセスによる情報提供回数』、すなわちLook Up回数が新たにチャート要素として用いられる事となりました。音楽CDをオンライン環境上の音楽機器(パソコンを含む)に入れた際に自動的にCDのタイトルや楽曲データをダウンロードする機能がそれに当たり(使用する機器、およびソフトにより、FreeDBやallmusicなど違うデータベースにアクセスするものもある)、パソコンユーザーであれば一度はお世話になっている機能ではないでしょうか。
 もちろんレンタルCDであろうと無かろうとこの機能が利用できますが、Billboard JAPANのシングル売上チャートで用いているサウンドスキャンの集計対象外の売上をカバーする役割や、複数種購入により増大した売上枚数から購買者実数を洗い出す役割も担っているため、補助的な役割としては有効な手段ではないかと思います。このLook Upを含め含め、今月のチャートはどうなったのでしょうか。

 それでは4月のチャート、最新の28日付けを含めて見てみましょう。


4月7日付
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/19058
1位 NMB48高嶺の林檎」(オリコン1位)
2位 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「S.A.K.U.R.A.」(オリコン2位)
3位 DREAMS COME TRUE「AGAIN」(オリコン10位)
4位 松たか子「レット・イット・ゴー~ありのままで~」
5位 BOYFRIEND「My Avatar」(オリコン6位)

 NMB48がフィジカル1位、ルックアップ2位、ツイート3位。三代目JSBはルックアップ1位、フィジカル2位、ツイート4位、ダウンロード7位。エアプレイでも三代目JSBが15位に対し、NMB48は64位と大きな差があったが、フィジカルでのポイント差が大きくNMB48が何とか逃げ切る結果となった。逆にDREAMS COME TRUEはフィジカル8位をエアプレイ2位でカバーし3位まで浮上。ツイートで1位だったBOYFRIENDはフィジカル3位、K-POPが比較的苦手としているエアプレイでも30位と健闘し5位に食い込んだ。なお、エアプレイ1位のクルーウェラは10位に入っている。


4月14日付
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/19206
1位 乃木坂46「気づいたら片想い」(オリコン1位)
2位 B.A.P「NO MERCY」(オリコン2位)
3位 松たか子「レット・イット・ゴー~ありのままで~」
4位 平井堅「グロテスク feat.安室奈美恵」(オリコン4位)
5位 中山優馬「High Five」(オリコン3位)

 乃木坂46がフィジカル1位、ツイート2位、ダウンロード7位、エアプレイ10位と各要素で高い順位をマークし首位を獲得。B.A.Pはフィジカル2位以外上位に食い込めてはいなかったが、Hot100でも2位をキープする事が出来た。安室奈美恵とのコラボ作で話題となった平井堅は、この時点で配信が行われていなかった(23日に解禁)もののフィジカル3位、エアプレイ7位で4位にランクイン。ソロでは久々となった中山優馬もジャニーズ系のため配信は無し。フィジカルで4位だったが、他の要素が弱かったか5位に後退した。なおエアプレイの1位はシングルリリース前のSMAPでこの時点で7位まで浮上していた。


4月21日付
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/19363
1位 SMAP「Yes we are」(オリコン1位)
2位 SEKAI NO OWARI炎と森のカーニバル」(オリコン2位)
3位 松たか子「レット・イット・ゴー~ありのままで~」
4位 乃木坂46「気づいたら片想い」(オリコン3位)
5位 平井堅「グロテスク feat.安室奈美恵」(オリコン11位)

 SMAPがエアプレイとフィジカルで1位、SEKAI NO OWARIはルックアップとツイートで1位とお互いが実力を発揮。ダウンロードで引き続き1位をキープしている松たか子が3位と、ベスト3はチャート要素5部門いずれかの首位獲得者となる珍しい構図となった。


4月28日付(最新)
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/19504
1位 SEKAI NO OWARI炎と森のカーニバル」(オリコン8位)
2位 松たか子「レット・イット・ゴー~ありのままで~」
3位 モーニング娘。'14「時空を超え 宇宙を超え」(オリコン1位)
4位 きゃりーぱみゅぱみゅ「ファミリーパーティー」(オリコン2位)
5位 ClariS「STEP」(オリコン3位)

 SEKAI NO OWARIがCDシングルから1週間遅れで配信を開始し、そのポイントによる上積みで首位を獲得。チャート要素5部門で1位は無いものの、ダウンロード2位、エアプレイとツイートが4位、フィジカル5位と各要素で上位にランクインした。モーニング娘。'14はフィジカルで1位、ツイート6位だったもののその他の要素が弱くまたしても首位逸。フィジカル1位で首位を取り逃した例は今期3例あるが、その内の2例がモーニング娘。'14と、再ブレイクに疑問を持つ声はこう言ったところに表れているのかもしれない。きゃりーぱみゅぱみゅはエアプレイ2位、フィジカル3位と結果を残したかに思えたが、順位は伸びず4位まで。ClariSモー娘。同様フィジカル2位以外で結果が出ず5位となった。


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http://www.billboard-japan.com/charts/