ここでは毎週発表している「Green Hill Music Chart」のルールにのっとり、初動売上を除いた売上枚数でランキングを見る事にいたします。
オリコン2014年シングル年間ランキング(累積売上-初動売上+12月22日付での売上、千枚単位で計算)ただし昨季以前にリリースした作品は今季の累積売上のみとする
1位 EXILE TRIBE「THE REVOLUTION」25.1万枚(年間9位)
2位 SKE48「不器用太陽」14.0万枚(14位)
3位 AKB48「ラブラドール・レトリバー」12.5万枚(1位)
4位 キング・クリームソーダ「ゲラゲラポーのうた」11.6万枚(50位)
6位 SKE48「未来とは?」10.6万枚(13位)
7位 乃木坂46「何度目の青空か?」10.5万枚(8位)
7位 乃木坂46「夏のFree&Easy」10.5万枚(11位)
9位 嵐「GUTS!」10.4万枚(6位)
ベスト10はご覧の通りになった。この中で、5位の「南部蝉しぐれ」と10位の「バレッタ」は昨季以前のリリース作となっている。本来の年間ランキングとはまた違った感じになっているが、やはり特典に依存したシングルがここでも上位に食い込んでいるのが良く分かる。1位のEXILE TRIBEは昨年「EXILE PRIDE」で大きな問題となったライブチケット同梱シングルをリリースして、今年も1位となった。またSKE48や乃木坂46は一般販路以外での一括計上と思われる動きが数週間にわたり月曜付けのデイリーチャートで見られている。その証拠として、Billboard JAPANの年間シングルチャート(サウンドスキャン調べ、パッケージ合算)で上記のベスト10の順位を調べると…
Billboard JAPAN年間シングルチャート
1位 EXILE TRIBE「THE REVOLUTION」101位以下
2位 SKE48「不器用太陽」35位
3位 AKB48「ラブラドール・レトリバー」1位
4位 キング・クリームソーダ「ゲラゲラポーのうた」26位
6位 SKE48「未来とは?」27位
7位 乃木坂46「何度目の青空か?」24位
7位 乃木坂46「夏のFree&Easy」25位
9位 嵐「GUTS!」2位
なんとEXILE TRIBEは100位以内にも入っていない。昨年も「EXILE PRIDE」がオリコンではミリオンを達成して年間5位だったが、Billboard JAPANでは74位と大幅に割り引かれた結果となっていた。またSKE48や乃木坂46も軒並み順位を落としている。それだけ一般販路以外での売上が多く、その分が反映された月曜付けデイリーチャートで、分からない人にとっては不自然な上昇となって表れているのだろう。
一方でキング・クリームソーダは初動2.2万枚から10万枚以上を積み上げ、福田こうへい「南部蝉しぐれ」も昨年の紅白以降セールスをさらに伸ばし今季も10万枚を越える売上を記録した。AKB48「ラブラドール・レトリバー」は総選挙の投票権が入っていた事もあり一般販路でも売上が高く、嵐は今季リリースした3作が全て(初動を除く売上で)20位以内に入っており、普通に初動以降も売上を重ねた結果となっているようだ。
続いてファンにとっては痛い数字。初動以降も売れる作品があれば、当然初動以降まったく売れない作品もある。そんな中でも初動以降の売上が1万枚を下回った作品が11作あるのでそのワーストの順位表もここでご覧いただきたい。
90位 SUPER JUNIOR「Blue World」0.8万枚(初動6.9万枚)
90位 東方神起 「Time Works Wonders」0.8万枚(初動10.7万枚)
92位 GENERATIONS from EXILE TRIBE「NEVER LET YOU GO」0.7万枚(8.6万枚)
94位 ℃-ute 「心の叫びを歌にしてみた」0.6万枚(6.2万枚)
95位 EXILE SHOKICHI「BACK TO THE FUTURE」0.5万枚(6.2万枚)
96位 私立恵比寿中学 「ハイタテキ!」0.4万枚(5.9万枚)
96位 E-girls「Diamond Only」0.4万枚(7.3万枚)
96位 Berryz工房 「ロマンスを語って」0.4万枚(7.7万枚)
99位 ℃-ute 「I miss you」0.2万枚(6.0万枚)
99位 キム・ヒョンジュン 「HOT SUN」0.2万枚(8.3万枚)
ここでの傾向は顕著で、11作中K-POP系が3作、EXILE系が3作、ハロプロ系が4作となっている。いずれもリリースされた週に購入特典を付けるなどのキャンペーンが行われていたものと思われ、EXILE系の3作に関してはいずれもMUSIC CARDがリリースされていた。ちなみに上記11作の中でBillboard JAPAN年間シングルチャートにランクインしていたのは東方神起のみ(オリコン59位、Billboard JAPAN95位)で、オリコンでこれを上回っているモーニング娘。'14は入っていない。一般経路以外での売上が多数を占め、さらに2週目以降の売上が伴わないのであれば、これもまた売上ほどの人気があるか疑われるのは当然ではなかろうか。
その逆に、初動を上回る売上を2週目以降積み上げる事が出来た作品が今季は5作ある(同等を含めると6作)。言わばロングヒットになった作品は以下の作品となった。
キング・クリームソーダ「ゲラゲラポーのうた」11.6万枚(初動2.2万枚)
福田こうへい「峠越え」9.2万枚(初動1.3万枚)
μ's「タカラモノズ」6.1万枚(初動3.7万枚)
水森かおり 「島根恋旅」5.2万枚(初動1.6万枚)
この中でも目を引くのがμ'sで、アニメ主題歌では無かったもののリリース後の2月はチャート上位に残り、最終的には10万枚近いセールスを記録する事になった。福田こうへいは前作の勢いをそのままに初動1.3万枚から累計では10万枚を超える売上を記録し、今回もロングヒットに繋げた。ここにはやはり演歌勢が多く、水森かおり、氷川きよしに加え、昨年惜しくも亡くなった島倉千代子の遺作も名を連ねた。
と、ちょっと違った(穿った?)見方をしてみましたがいかがでしたでしょうか?