MUSIC CARD問題について

(この文章はmixiに上げたものとほぼ同じものです)

 オリコンは28日、昨今問題となっているMUSIC CARDの売上を、4月6日以降除外すると発表した(週間ランキングでは4月14日速報分、4月20日付からとなる)。
http://www.oricon.co.jp/rank/about/MCrelease150128.pdf

 どちらかと言えば「DL率が悪い」方が問題視されてそうな感じではある。ただそれをCDより安い値段でCDと同じ特典を付けて売り出してしまえば、特典目当ての人はミュージックカードの方を買うのは当然の流れと言える。
 ただ「DL率が悪い」と言っても、特典付きのCDをいくつも購入して「聞かないCDがたくさんある」と同じ事でもある。今回はCDを基準に、「それより安い、かつ誰もがリリースしているものではない」ミュージックカードが咎められる結果となり今回の顛末に至ったのではないだろうか。まぁもちろん、“握手券”も誰もがやっている事では無いが…

 結局のところ、CDチャートとして公正なチャートにしたいのであればアメリカのように「複数種購入を促すようなCDは全てチャートの対象外とする」としなくてはならないのだろうか。ところが音楽界はオリコン1位を取るために躍起になっている(先日のKAT-TUN vs. JYJもそう)。あらゆる手段を使ってもオリコン1位を取りたがっている(EXILE系のライブチケット同梱シングルもそう)。「オリコンこそが日本で唯一無二の音楽界の基準である」と言う風潮と利権が根強く残っており、「音楽のヒットを正確に伝える」とオリコンが今回の件で言っても冷たい視線で見られてしまうのは当然では無いかと思われる。

 と、CDの売上ではもう音楽界のヒットが見えにくくなっているのだが、一つ参考として挙げておきたいのがBillboard JAPANのチャート要素の一つであるルックアップの要素である。CDをパソコンなどオンライン上の再生機器に入れた際、データベースからそのCDの情報を自動的にダウンロードする事を指しており、これにより実際に動かしたCD枚数の洗い出しや、購入以外(主にレンタル)でそのCDを手に入れた人数の反映する事が出来る(Billboard JAPANではCDDBのアクセス数を集計している)。もちろんCDを買った人全てがルックアップ要素を使ってはいないだろうが、レンタルを含め、実際に稼動した枚数を調べる意味では興味深い要素になるのでは無いだろうか。

参考1:2月2日付けBillboard JAPAN Hot100公式レポート(CD売上でこの週、KAT-TUNやJYJに大きく劣るback numberがルックアップでは1位)
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/25462/2

参考2:2014年Billboard JAPAN Hot100年間チャートでのルックアップ比較(嵐が順当に3位までを独占しているが、AKB48より上位にSEKAI NO OWARI西野カナ、三代目JSBもランクインしている。)
http://www.billboard-japan.com/common/special/award/2014/chart.html#kind=H&period=Y&sort=rank_lookup

 オリコンが愚直にCD売上を元にヒット曲を世に提供するのであれば、やる事はまだまだたくさんある。ただそれを音楽界・芸能界のしがらみにより苛まれているようであれば信頼を失うのは当然。「『音楽のヒットを正確に伝える』という弊社の使命」があるのであれば、それを今後も示し続けなければいけない。