阪神コンテンツリンクは11日、Billboard JAPANの年間チャートに当たるBIGGEST HITS OF 2015を発表しました。今季は下半期から総合チャートに、「YouTubeでの動画再生回数」と「プチリリへの歌詞アクセス回数」の2要素が追加され、それがどう年間チャートに影響を及ぼしたのか。また新設されたアルバム総合チャート「Hot Albums」では、売上チャートとの違いも合わせて見ていきたいと思います。
なお、Billboard JAPANのチャート要素に関しましてはこちらをご覧ください。
シングル総合チャート、Hot 100の年間チャートは三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「R.Y.U.S.E.I.」が昨年6月リリースであるにも関わらず今年の年間首位を獲得する結果となった。ベスト10と各部門上位は以下の通り(確認出来る年間ランキングも併記、YouTubeはチャート要素となった今季後半のみの集計)。
2位 嵐「Sakura」(ルックアップ2位、シングル3位、ツイート6位)
3位 嵐「愛を叫べ」(ルックアップ1位、シングル2位、ツイート8位)
4位 嵐「青空の下、キミのとなり」(シングル1位、ルックアップ3位)
6位 Carly Rae Jepsen「I Really Like You」(ラジオ2位、iTunes4位)
7位 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「Summer Madness」(YouTube3位)
8位 AKB48「僕たちは戦わない」(シングル4位)
18位 Mark Ronson「Uptown Funk ft. Bruno Mars」(ラジオ1位)
46位 Sam Smith「Stay With Me」(ラジオ3位)
詳細は年間ランキングのCHART insightをご覧下さい。今年は各部門も年間ランキングで見る事が出来ます(セールスの指数は合算されています。CDセールス、iTunesのチャートはリンクからご覧下さい。ストリーミングは年間ランキングにリンクしていますが、上記の通りBillboard JAPANに反映されているのは今季後半からです)。
では「R.Y.U.S.E.I.」の勝因は何だったのか。CHART insightでそれを調べてみると昨年の年末(27週目以降)にツイートで大きく順位を伸ばし、それにより売上(主にiTunes)も向上。この傾向が年を跨いで(1週空いている部分は年末年始休業)2月ぐらいまで続いていた。その後いったんは上位から姿を消すも新要素が取り入れられた57週目以降再びランクアップ。YouTubeでは常に4位以内の高水準で総合ランキングを底上げ。これにより上半期6位から一気に年間1位に押し上げる結果となったと見ていいだろう。
対して嵐はiTunesで配信を行っていない(ストリーミングのポイントも無し)、YouTubeに公式動画を置いていない旧来のやり方ではあるが、CDセールスとその稼動であるルックアップの要素では他を圧倒している。しかし彼らが手を付けていない要素で三代目に逆転を許す事となった。とは言え2位から4位までを占めているのだから、やはりその人気の高さは相変わらずだ。
今回の年間ベスト10。シングルセールスの年間チャートでベスト10入りしたのは4曲だが、iTunesの年間チャートでベスト10入りしたのは5曲ある。唯一これに該当していない「Summer Madness」は「R.Y.U.S.E.I.」同様、YouTubeの再生回数が主な要因となっており(公開後8週連続1位を記録)、CDシングルセールス(オリコン)だけでは分からない、多角的な視点が求められている事を示す結果になったとも言えるだろう。
今季後半からスタートした、CD売上とCD稼動、更に収録曲の配信DLも加えたアルバム総合チャート。今季はこのチャートがスタートして以降の後期のみでの結果となるが、1位となったのはドリカムのベスト盤「DREAMS COME TRUE THE BEST ! 私のドリカム」だった。
こちらも詳細はCHART insightで見る事が出来ます
こちらもドリカムをCHART insightで詳細を見ながら検証すると、セールス(CD+DL)では10週目までベスト3をキープ。CD稼動を示すルックアップでは嵐のアルバムがリリースされるまで15週連続で1位を記録し、他を圧倒した。一方2位の嵐「Japonism」はセールスこそドリカムを上回っていたものの、CDセールスのみのため売上は徐々に減少。ルックアップも7週目となる今週4位に後退し、ドリカムにお株を奪われる格好になった。ただこれはベスト盤とオリジナル盤の差も考慮するべきか。3位はMr.Children「REFLECTION」。こちらも嵐同様iTunesではDL出来ないためCDセールスのみの集計となるが、ルックアップでは17週にわたりベスト3をキープ。嵐との差は売上差だろうが、4位の安室奈美恵「_genic」との差は歴然だろう。ただ安室も売上では下だった関ジャニを総合では上回っている。
基本的にはCD売上が高い作品が有利である事に違いないが、その他の要素をいかに付加出来るかがこのチャートで売上チャート以上の結果を出せるかがポイントとなりそうだ。来年以降、年間チャートとなってどうなっていくのかを見守りたい。
その他のチャートに関しましてはこちらからご覧下さい。また今年もHot 100 Year End 2015にランクインした100曲を対象に、Billboard JAPAN Music Awards 2015の投票が行われております。ルールは昨年同様、Twitterとカラオケの2要素で大晦日の31日までが集計期間となります。結果発表は来月15日となっておりますので、ふるって参加してみてください。