Billboard JAPANの仕様解説(2019年度版)

※ 2020年度版を新たに製作しました。今後はこちらを参考にしてください。
 
 
 
・ Billboard JAPANとは?
日本でもオリコンが毎週「オリ☆スタ」を金曜日に発売していた(2016年3月25日発売の4月4日号を持って休刊となった)が、それと同じようにアメリカの音楽週刊誌として発売されているのがBillboardです(ただし現在は上記「オリ☆スタ」のような一般書店で取り扱っている冊子ではなくなっている)。その誌面で発表されているのがBillboardチャートであり、Billboard JAPANはその日本版となります(日本では今現在、Billboard JAPANの名が付く冊子は登場していない)。

BillboardはCD売上のみならず、ラジオでのオンエア回数等をランキング要素として取り入れた音楽チャートとなっており、2008年にスタートしたBillboard JAPANも日本の音楽事情を配慮し、アメリカとは異なるランキング要素を取り入れ音楽チャートを発表しています。
なお、オリコンがCDのランキングなのに対し、Billboardのシングル総合チャート、Hot 100は1曲単位でのランキングとなるため、シングルのカップリング曲やアルバムにのみ収録されている曲、また配信限定でリリースされている楽曲もランクインが可能です。
Billboard JAPAN公式HP

 
 週間チャートの集計期間はオリコン同様、月曜日から日曜日までとなります。一般的にビルボードチャートと呼ばれているのは、毎週水曜日に発表されるシングル総合チャート「Hot 100」となり、これが現在CDTVのベースとなるチャートとなっています(月曜日に発表されているのはCD売上のみのチャートとなり、正確にはサウンドスキャンのCD売上チャートとなる

この「Hot 100」は、以下の8つの要素により構成されています。


 2019年度の新要素としてカラオケが加わる事が発表されました。これにより各要素のポイント比率が変更される可能性があります。これについては分かり次第更新いたします。

 
・ Billboard JAPANのチャート要素(チャート解析サービスCHART insightでのカラーリングに準じて色付け)、変更があり次第追記。
 
Radio
 プランテック調べの全国FM23局、及びAM9局での単純なオンエア回数では無く、(ワンコーラス、もしくは60秒以上でBGMでは無い)オンエア1回につき、そのラジオ局の聴取可能人数、ならびにその番組の平均聴取率を考慮してポイント化しランキングを作成しています(公式の説明では「ラジオ放送回数」とだけ書かれていますが、同一順位が下位でも発生していないケースが多いため、上記白抜き部分が適用されているものと見られます)。
 多くのラジオ局でパワープレイ(ヘビーローテーション)を得た曲が上位の中心となり、リスナーからのリクエストもオンエアされれば反映されますが、オンエアされない限りは無効となるためリクエストの総数とも限りません。従って全要素の中でもユーザーによる直接的な介入が出来ない要素とも言えます。また全体的には洋楽系が強さを発揮するチャートでもありますが、チャート要素が増え、これだけの要素では総合上位に入れなくなってきているのが現状です。
 
 
 Billboard JAPANにおけるCD売上チャートは、オリコンではなくSoundScan Japan調べのものをパッケージ合算して順位付けられています(SoundScanはニールセン傘下のグループであり、オリコンとはまったくの無関係、ただしファンクラブ限定盤やライブ会場限定盤、輸入盤など、オリコンでは計上される一部の特殊販路盤が計上されないものもある)。Billboard JAPANのHPで原則木曜日に月~水までの中間速報、オリコンより早い月曜夜には週間チャートが速報されます(いずれも5位まで、大型連休・祝日により1日遅れる場合もある)。なお、オリコンの“精査”のような減算対策は行っていません。現在の調査対象店舗約35,000店舗と、当初の約3,900店舗から大幅拡充されています(ただし集計対象となったコンビニの店舗数をそのまま数字に追加しただけの可能性あり)。

 シングル総合チャートであるHot 100においてはシングルCDの表題曲のみがポイント対象となり、カップリング曲やアルバムのみに収録されている楽曲はアルバムの売上は反映されません。アルバムの売上はアルバム総合チャート、Hot Albumsに反映されます。2017年度以降、売上枚数の8.5%が総合チャートのポイントとして換算されますが、2017年度以降、週間で一定の売上を上回った場合はシングル総合チャートへのポイント換算が割合減算(係数処理)される措置が取られています(アルバム総合チャート「Hot Albums」ではこの措置はとられていない、またポイント未発表のためポイント換算は不明)。

追記:2019年度も上記のポイント換算が継続されています
(シングルCDセールス年間チャート)Top Singles Sales Year End 2018
(アルバムCDセールス年間チャート)Top Albums Sales Year End 2018
 
 
Download
 2011年度から取り入れられたのが配信売上に当たるダウンロードの要素。GfK Japan提供

iTunesamazonGoogle Play Music、mora、mu-mo、LINE MUSIC、レコチョクの販売実績に加え、これらの集計業者では集計対象外となっているレーベルの楽曲に関しては、iTunesの販売実績(ニールセン提供)から類推した売上を加えた形で構成されています。2018年11月から、金曜日にGfK集計分の水曜日までのダウンロード売上速報が始まり、2018年9月からシングル・アルバムダウンロードの結果記事に、週間ベスト10のダウンロード数も公開されました
 アルバムチャートは全曲一括ダウンロードの回数に限定され、アルバム収録曲の単曲ダウンロードはアルバムチャートに反映されません(シングルチャートに反映)。またシングルCDとして売られているパッケージの全曲一括ダウンロードは表題曲のみカウントとなっているようです。

(シングル配信年間チャート)Top Download Songs Year End 2018
(アルバム配信年間チャート)Top Download Albums Year End 2018
 なおHot 100へのポイント換算は2018年度現在、DL数の10%8.5%と推定されます(Hot Albumsはポイント未発表のため不明)。
追記:年度開始当初からポイント換算が10%からCD売上と同じ8.5%に引き下げられ、現在は再調整され9.5%に引き上げられているようです。
 
 オリコンでもダウンロード販売のチャートが発表されていますが、オリコンの場合はチャート対象となるためにオリコンに対しレーベル単位での許諾申請が必要であり、アルバムチャートはBillboard JAPAN同様、全曲一括ダウンロードの回数に限定されています。また集計元も異なります(オリコンiTunesオリコンミュージックストア、mu-mo、music.jpmora、LINE MUSIC、レコチョク社)。デジタルシングルランキングとしてカウントされているのは単曲ダウンロードの回数のみとなっており、バンドルダウンロードの回数については現在非公表で、合算シングルランキングにのみCD売上と同等のポイントで反映されています。
 
 
Look up
 2014年度から用いられるようになったのが、CDDBへのアクセス数となるルックアップの要素。音楽CDをオンライン環境上の音楽機器(パソコンを含む)に入れた際に、自動的にCDのタイトルや楽曲データをダウンロードする機能がそれに当たり、Billboard JAPANではGracenote社のCDDBにアクセスした回数が用いられ(使用する機器、およびソフトにより、FreeDBやallmusicなど違うデータベースにアクセスするものもある)、推定のCD稼働数を示しています。
 CD売上チャートで問題視されている複数種、複数購入により増大した売上からの購買者実数の洗い出し、さらにレンタルCDなど買わずにCDを手に入れ、楽曲を入手した人数の反映と言った要素があり、また付録として単体では一般販売されていないCDやDVDシングル、輸入盤の稼働数も反映されます。
 傾向としては、やはり特典で売っているCDは100位以内にも入らないケースが多々見受けられます。そこまで低い順位では無くても、CD売上とルックアップの順位が大きく異なる場合は特典商法による売上の可能性が高いと判断できます。またCD発売から遅れてレンタル開始されるシングル(アルバムはほぼ全て)は、レンタル開始と共に順位を上げる傾向が見られます。
 シングル総合チャートであるHot100はCD売上同様シングルCDの表題曲のみがポイント対象となりますが、アルバム総合チャートHot Albumsでは、アルバムのLook up数も集計の対象となります。
 「フラゲ日のルックアップは無効」との話が出てきていますが、月曜日発売、日曜日にフラゲしたCDのルックアップデータが存在する事例が発生したため、この話は否定できそうです
 
 
 これも2014年シーズンから用いられるようになった要素。Twitterにおいて1つのツイートにアーティスト名と楽曲名が含まれているツイート(ハッシュタグを付ける必要は無い)を集計し、ポイント化したのがツイートの要素となる。なお曲名以外(曲名では無いシングル・アルバムのタイトル)は無効となります(#np、#nowplayingが必須との話もありますが、それはアメリカでの話であり、おそらくアメリカのアカウントで無ければ無効。また「ついラン」とは調査機関が違うため無関係)。
 ポイント換算は暫定数値としてツイート数の2.3%がポイントとして総合チャートに加えられているようです。
追記:2019年度は上記のポイント換算が引き下げられている可能性が高いです
 
 
Music Video
 2015年シーズン後期から新たに用いられるようになった要素。国内におけるMVの再生回数が用いられる。ただしこれは「国際標準レコーディングコード」であるISRC(International Standard Recording Code)の登録を受け、それを附番したものに限るため、この手順を踏んでいない動画は公式の動画であってもランキングの対象にはなりません。またショートVer.も無効となっているようです。当初はYouTubeのみでしたが、2016年1月からはGYAO!での再生回数も含まれています。
変更点:YouTubeでの再生回数は、YouTube Musicでの再生回数も含まれるようになりました。
 ポイント換算は暫定数値としてPV数の0.031%がポイントとして総合チャートに換算されているようです(100万PV=310Pt.)。なおYouTubeが発表している週間チャートは、国際基準のため金曜日から木曜日までの括りとなり、Billboard JAPANの週間チャートと集計期間が異なります。
※ ポイント換算が引き下げられた可能性があります(現状、引き下げられていませんでした)

 2019年2月11日付チャートにおいて、違法アップデートされた「ガチンコファイトクラブ」の映像に大量アクセスがあり、それに関連付けされた楽曲が大挙ランクインする現象が見られましたが、これは楽曲を使用している動画に対し自動的に音楽情報が関連付けされ、その動画の再生回数が反映される仕組みによるものと公式からのアナウンスがありました。ただ上記のポイント換算であれば、MV再生数だけで上位にランクインするには相当な再生回数が必要となります。
 
 
Streaming
 こちらも2015年シーズン後期から新たに用いられるようになった要素。現在はオンデマンド型のストリーミング配信実績についてはGfK Japan提供によるAmazon Music Unlimited、Apple Music、AWAGoogle Play Music、KKBOX、LINE MUSIC、Rakuten Music、RecMusicでの再生回数が用いられており、更にプレイリスト型のストリーミング配信実績としてdヒッツ、うたパスでの再生回数を使用オンデマンド型とプレイリスト型の市場規模やシェアを考慮し係数処理をした上で合算し、再生回数として発表されています導入当初から使用されていた「プチリリ」は、集計対象から外された模様)。
変更点:2019年度からストリーミングチャートの結果記事において、トップ10のストリーミング数が公開されました。
 暫定ポイント換算ですが、ストリーミング数の0.085%0.075%0.07%がポイントとして換算されるようです(こちらも年度開始当初から換算率が引き下げられています)。また、1月11日からGfK Japan集計分の中間発表(水曜日時点)が行われるようになりました。なお集計対象は全てにおいて有料アカウントである事が条件のようです(アメリカのように無料サービスは有効では無い模様)
(ストリーミング年間チャート)Top Streaming Songs Year End 2018
 
 
Karaoke(New)
 2019年シーズンから導入の新要素。通信カラオケDAMを運営する株式会社第一興商と、JOYSOUNDなどを運営する株式会社エクシングから提供される、カラオケ歌唱回数を元に独自のポイントを付与したランキング・データを用いる。
 Billboard JAPANでカラオケの要素が取り入れられるのはこれが初めてでは無く、過去に2014年と2015年にBillboard JAPAN Music Awardsの投票要素として取り入れられていました(この時はDAMのみが対象)。なおオリコンでは1990年代半ば頃からカラオケのランキングが存在しています(調査対象はビルボードと同じ第一興商とエクシング)。
 

 公式のFAQもリニューアルされましたのでご覧ください。なお日本でのチャート要素(ポイント比率)変更には、日本レコード協会などの外部調査機関による根拠が必要となります。
 
 
 シングル総合チャートであるHot 100では以上の8つの要素を合算しチャートが構成されており、アルバム総合チャートとなるHot AlbumsではCD SalesDownloadLook upの3要素で構成されています(各要素で週間300位以内に入るとポイントが有効となり、その合計点で順位付けされている)。またCDTVのチャート要素は上記要素に、以前からチャート要素となっているCANSYSTEMの有線リクエストデータを加えたチャートに変更されました。なおCDTVでのCD売上要素に関してはオリコンサウンドスキャン両方の数字(平均値)が用いられているものと見られ、CD売上の要素が強くダウンロードの要素が弱くなっています。
 
 
 オリコンでも2019年度から上記売上3要素を合算した売上複合チャートを新設します。
 
(追記)
 上記、8月29日にオリコンから正式な発表があったため、下記に詳細を記します。
 
 当初はCD売上とダウンロード売上で合算ランキングを10月から発表予定でしたが、これにストリーミング要素を加える事が可能となり、2019年度(2018年12月24日付、集計期間は12月10日)からの発表開始に変更されました。新たに発表されるのは以下の3つ
 
週間合算シングルランキングCD売上ダウンロード単曲売上、、ダウンロードバンドル売上ストリーミング
・週間合算アルバムランキング(CD売上ダウンロードバンドル売上ストリーミング
週間ストリーミングランキング(いずれも100位まで発表予定)
 
集計対象(太字Billboard JAPANと共通)
CD売上:オリコン
ダウンロード売上:iTunesオリコンミュージックストアmu-momusic.jpmoraLINE MUSICレコチョクmusic.jpが今年度から追加されました
ストリーミング再生回数:Apple MusicAWAKKBOXdミュージック月額コースLINE MUSICRakuten MusicRecMusicdミュージック月額コースが当初の予定から、Ratuten Musicが年度途中から追加されました。

 いずれもCDを元として合算集計されます(シングルCD化されていない場合は1曲での順位付けとなる)。そのため、Billboard JAPANのような1曲単位でのランキングではありません。詳細に関してはオリコンからの公式リリースをご覧ください。