テレビは国民の洗脳道具に成り下がってしまったのか?

 昨日のサッカーW杯、豪州対日本はご存知の通り3-1で豪州が勝利した。残り9分で3失点もされては見ている人が怒るのも仕方ないところ。事実、試合後に憂さ晴らしとばかり渋谷のセンター街には、我を忘れて騒ぎ立てるサポーターのために機動隊まで出動するハメとなってしまった。

 しかし彼らは、本当に日本が昨日の試合に勝てると思っていたのだろうか。後出しになってしまうが私の予想は2-0で豪州の勝ちだった。前半は0-0、後半半ばからプレスが効かなくなった日本に効果的な攻撃で2得点と言う予想は、手前味噌ながら半分当たっていた。私のような素人にも予想可能だったこの展開を、なぜテレビでは誰一人として述べなかったのであろうか。

 過激な紙面で知られる日刊ゲンダイにはっきりとこう書かれていた。

戦時中と変わらぬ盲目的な愛国心

 まさにその通りである。弱点がはっきりとしているし、公開しなくてもいいような練習を平気で垂れ流している日本代表は負けるべくして負けたのである。それを分かっていながら「きっと大丈夫」みたいな希望的観測のみで相手の戦力もまともに分析せず、まるでマインドコントロールをかけるかのようにテレビでは「日本勝てる」と連日に渡りお茶の間に配信しているのである。今のサッカーに関する報道は完全に自我を失っていると言っていいだろう。これに似たことは毎回に渡りオリンピックでも行われている。責任者出て来い!

 しかし注意するべきはここからである。用意周到なテレビ局は次の手をすでに考えているのだ。それは、「サッカー惨敗=プロ野球人気復活」と言うシナリオである。もちろん、テレビ局の言うプロ野球は巨人のことである。3月に行われたWBC優勝を機に、プロ野球人気を復活させようと巨人を中心としたプロ野球報道(少なくても昨年以上に巨人の比率が大きい)が連日行われており、WBCの主力だったパ・リーグが完全に干されていた時期もあった。おそらく日本代表は惨敗するだろうから、次は巨人に注意しなくてはならない。しかしプロ野球=巨人と認識しているのは、今ではおそらくマスコミだけではないだろうか。もっとも、それを国民に刷り込ませたのはテレビであるのだが…。