Billboard JAPAN Monthly Digest(2015 Jun.)

 さて6月のBillboard JAPAN Monthly Digest(ちょっとタイトルを変えました)をお送りします。

 まず先月29日にチャートの仕様変更が発表されました。シングル総合チャートのHot100では以前からチャート要素に加わるのでは無いかと言われていた動画再生回数に加え、歌詞アクセス回数も加わり7要素でランキングが形成される事になりました。またアルバムチャートでは従来のCD売上チャートに加え、Look up、Download要素を加えた総合アルバムチャート、Hot Albumsが新たに登場。なお今回のリニューアルに伴い、洋楽サントラ部門、インディーズ部門、アダルトコンテンポラリーチャートが廃止となり、2015年下半期からは9つの週間チャートが発表されています。
http://blogs.yahoo.co.jp/amano_redstar/67644908.html
http://blogs.yahoo.co.jp/amano_redstar/67660507.html

 また5日にはBillboard JAPANの上半期チャートが発表。Hot100上半期チャートでは嵐が1位、2位を占める展開となり、3位にはSEKAI NO OWARIDragon Night」がランクインしています。
http://blogs.yahoo.co.jp/amano_redstar/67655847.html

 それでは今回は6月1日付から最新の29日付までのチャートをチェックしていきます。今回からチャート分析サービス「CHART insight」(無料開放部分)を用いてより詳しくチャートを掘り下げてみたいと思います。


6月1日付(2015シーズン上半期最終週)
http://www.billboard-japan.com/chart_insight/#kind=h100&date=2015-06-01&rank_or_point=rank
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/28602/2
1位 AKB48「僕たちは戦わない」(セールス、ツイート1位)
2位 嵐「青空の下、キミのとなり」(ルックアップ1位)
3位 E-Girls「Anniversary!!」(ダウンロード1位)
4位 Apink「LUV
5位 UNISON SQUARE GARDENシュガーソングとビターステップ

7位 Superfly「Beautiful」(エアプレイ1位)

 AKB48の総選挙投票券封入シングルがセールス、ツイート1位、エアプレイ、ルックアップ3位と他を圧倒。しかしCD流通量(オリコンの数字)からするとルックアップ3位は稼働率の悪さを物語っているとも言える。そのルックアップで1位だったのは嵐、2位は西野カナ(総合6位)だった。ダウンロードで1位となったE-Girlsが総合3位。セールスは6位だったがツイートでの2位も総合順位を押し上げる要因となったか。セールス2位のApinkはツイートこそ3位だったがルックアップで49位、エアプレイではランク外となり総合では4位。UNISON SQUARE GARDENもセールス、ツイート4位だったが、こちらは配信解禁待ちのファンもいたか、ルックアップも30位と高くなく総合では5位。Superflyはアルバム発売を前にして早くもエアプレイ1位となり総合でも7位まで順位を上げてきた。


6月8日付(ここからチャート新要素が追加)
http://www.billboard-japan.com/chart_insight/#kind=h100&date=2015-06-08&rank_or_point=rank
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/28804/2
1位 UNISON SQUARE GARDENシュガーソングとビターステップ」(ダウンロード1位)
2位 AKB48「僕たちは戦わない」(セールス、ツイート1位)
3位 UVERworld僕の言葉ではない これは僕達の言葉
4位 星野源「SUN」
5位 back number「SISTER」(ラジオ1位)

8位 ゲスの極み乙女。「私以外私じゃないの」(YouTube1位)
15位 嵐「青空の下、キミのとなり」(ルックアップ1位)

 iTunesでの配信開始をCD販売から1週遅らせたUNISON SQUARE GARDENがフィジカル3要素(セールス、ダウンロード、ストリーミングの合算)でAKB48を逆転。ルックアップも10位まで上げ総合首位を獲得した。AKB48は先週同様セールスとツイートで1位だったものの、やはり発売週と比べると勢いが落ちたか。UVERworldはセールス(フィジカルでは2位)、ツイート3位、ルックアップ5位と結果を残し総合3位。星野源はセールス、ラジオ、ツイート2位、ルックアップも7位だったが、iTunesでの配信が無かった(6月24日に解禁されている)ため総合では4位に後退(フィジカルでも4位)。ラジオで1位となったback numberは、セールス7位(フィジカル5位)、ルックアップ2位、ツイート7位と順位をまとめベスト5入りとなった。この週からの新要素であるYouTubeの1位はゲスの極み乙女。。ルックアップでも6位と相変わらず高くポイントを底上げしている、


6月15日付
http://www.billboard-japan.com/chart_insight/#kind=h100&date=2015-06-15&rank_or_point=rank
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/29003/2
1位 関ジャニ∞[エイト]「強く 強く 強く」(セールス1位)
2位 AKB48「僕たちは戦わない」
3位 UNISON SQUARE GARDENシュガーソングとビターステップ」(ダウンロード、ツイート1位)
4位 Aimer(エメ)「Brave Shine
5位 Superfly「Beautiful」

8位 ゲスの極み乙女。「私以外私じゃないの」(YouTube1位)
16位 Mr.Children「未完」(ラジオ1位)
27位 嵐「青空の下、キミのとなり」(ルックアップ1位)

 関ジャニ∞[エイト]がセールス1位、ルックアップ5位で押し切り総合首位獲得。ルックアップは新譜では最高位だがやや稼働率が悪いか。この週に総選挙の結果が発表されたAKB48は1位の要素こそ無くなったが、全体的には順位をキープし総合2位をキープ。UNISON SQUARE GARDENはダウンロードに加えツイートでもこの週1位を獲得したが全体的な勢いが落ち総合では3位に後退。Aimer(エメ)はセールス3位(フィジカル2位)、ツイート4位だったが、ラジオでのランク外が響き4位。仕方が無い事だが、アニメ主題歌中心の歌手はエアプレイが伴わないケースが多い。Superflyはここに来て総合ベスト5入りとなったが、あまり上昇要素が無く、単にランキングの水準が落ちた事によるランクアップの可能性が高い。とは言えダウンロード、ラジオ、YouTubeでで高水準をキープし、アルバム収録曲ではあるが上位で健闘し続けている。ラジオではこの週にアルバムがリリースされたMr.Childrenが1位。配信も無く、ルックアップもシングルチャートでは無効なため総合では16位までだが、相変わらずの存在感を示している。


6月22日付
http://www.billboard-japan.com/chart_insight/#kind=h100&date=2015-06-22&rank_or_point=rank
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/29196/2
1位 B'z「RED」(セールス、ラジオ、ルックアップ1位)
2位 GOT7「LOVE TRAIN」(ツイート1位)
3位 渡辺麻友「出逢いの続き」
4位 東京パフォーマンスドール「DREAMIN'」
5位 UNISON SQUARE GARDENシュガーソングとビターステップ」(ダウンロード1位)

32位 BIGBANG「BANG BANG BANG」(YouTube1位)

 B'zがセールス、ラジオ、ルックアップの3部門で1位となり総合首位獲得。ルックアップ1位の稼働率の高さもさることながら、ツイートでも5位と堂々たる結果を残した。GOT7はセールス2位(フィジカル3位)をツイート1位で押し上げ2位をキープ。渡辺麻友はセールス3位(フィジカル2位)も、K-POPファンによるツイート攻勢に屈し3位。セールス4位の東京パフォーマンスドールもセールスの順位である4位のままとなった。しかしこの3者は共にルックアップでの順位が伴っておらず、東京パフォーマンスドールに至ってはルックアップがランク外。これでは“特典目当て”と言われても仕方が無いだろう。UNISON SQUARE GARDENはここに来てラジオとルックアップで最高位をマーク。配信での好調による波及効果か。YouTubeではBIGBANGが1位。翌週配信開始となるデジタルシングルからの楽曲となっている。


6月29日付(最新)
http://www.billboard-japan.com/chart_insight/#kind=h100&date=2015-06-29&rank_or_point=rank
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/29369/2
1位 防弾少年団「FOR YOU」(セールス、ツイート1位)
2位 ゲスの極み乙女。「ロマンスがありあまる」(ダウンロード1位)
3位 でんぱ組.inc「おつかれサマー!」
4位 B'z「RED」(ルックアップ1位)
5位 UNISON SQUARE GARDENシュガーソングとビターステップ
6位 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「Summer Madness」(YouTube1位)

9位 Shiggy Jr.「サマータイムラブ」(ラジオ1位)

 新譜としては谷間の週となったが、防弾少年団がセールスとツイートで他を突き放し首位獲得。ただルックアップ22位、ラジオランク外は心許ないとも言える。K-POP系はラジオが弱いため、そこをツイートでどう埋め合わせられるかがこのチャートでのカギとなりそうだ。ゲスの極み乙女。はセールス5位(フィジカル3位)、ラジオ3位、ツイート6位、YouTube7位と各要素で上位に入り総合では2位。でんぱ組.incはセールス2位、ツイート3位、ルックアップ9位(新譜では最上位)だったが、ゲスの極み乙女。に逆転される結果に。UNISON SQUARE GARDENはこの週からMVが(ISRC付番された事により)ランキング対象に。この週は12位となり総合5位をキープした。そのYouTubeで1位になったのは三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEの新曲。MVの解禁により一気に総合6位まで順位を押し上げた。ラジオでの1位はこれがメジャーデビューシングルとなるShiggy Jr.。総合9位から今週のシングルリリースを迎える事となった。


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http://www.billboard-japan.com/charts/