クラブW杯はサッカーの異種格闘技戦だ

 間もなく豊田スタジアムで、サッカーのクラブW杯が開幕する。昨年まではトヨタカップと呼ばれていた大会であるが、その昨年より6大陸のクラブ王者が顔を揃える大会に改まり、今年から国際サッカー連盟FIFA)が世代別でも世界の頂点を決める大会に「ワールドカップ」の名を冠したことから、この大会も「クラブW杯」と名称が変更された。

 この大会、実力的に言えばやはりトヨタ杯時代から世界の覇を競い合った欧州と南米が抜けているが、昨年の大会を見て思ったのは、やりなれていない相手と戦う時の独特の緊張感と言う物があったのだ。

 各国の代表にはそれぞれプレイスタイルがある。イタリアは守備重視、オランダは全員守備・全員攻撃、アフリカは個人力。南米も基本的には個人力だがブラジルとアルゼンチンではそのスタイルは異なる。これらがその国の基本スタイルとしてクラブチームでも用いられている。
 それが、各大陸別の大会、W杯予選、またクラブチームでは欧州CLや南米リベルタ・ドーレス杯で度々ぶつかってきている。従って、これらの相手は手の内がある程度は分かっているのである。

 しかしこのクラブW杯の場合はどうであろうか。ナショナルチーム(代表)であればW杯以外となれば国際親善試合で戦うことはあっても(この場合でも本気では無いので参考程度にしかならない)、クラブレベルで他地区のクラブと(しかも本気で)戦う機会はそう滅多に無いのである(日本に夏場やってくる欧州のチームは半分興行みたいなものなので参考外ね)。そんな相手と一発勝負で戦わないといけない。ちょっとでもしくじって、その隙を突かれて決勝点を奪われようものなら後悔するだろう。

 そうであるがために、最初の時間のなんとも言えない緊張感と言うものがある。これは異種格闘技戦で良く見られる光景である。例え欧州・南米王者でも、これに飲まれれば昨年のサンパウロのように苦戦してしまう可能性もあるのだ。これによる波乱が、今年は起こるのであろうか。開幕戦は間もなくです。