「BBBB」1強となった今年の上半期ヒット曲、となると2位以下は?

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 “天”ブログでは今年も併載しているGreen Hill Music Chartと合同で、今年度上半期のヒット曲を振り返る「Green Hill Music Camp 2024」を開催予定となっており、昨年下半期から今年上半期の変則年間ランキングから選出した「Music Review 2023-2024」を6月22日。上半期ランキングから過去に上半期、年間表彰を受けていない歌手による「Music Trial 2024」を6月28日、本編となる「Music Camp 2024」を翌29日に発表する予定です。

 選考基準については以下のリンクを参照してください。

amano-yuuki.hatenablog.jp

 

 今回はそれに先立ち、Green Hill Music Chart、およびBillboard Japanの上半期ランキングから、今季ここまでのヒット曲を振り返ってみようと思います(集計対象:2023年12月6日~2024年5月29日に発表された週間チャート26週間分)。

 

 それではまず、Green Hill Music Chartの第26節(上半期終了)時点の暫定年間ランキングベスト50を改めてご覧ください。

 このような結果となっており、「Bling-Bang-Bang-Born」(以下「BBBB」)が上半期時点での年間暫定1位となっている。この曲はMVの公開を遅らせたため、ビデオストリーミングでのポイントは部門3位となっているが、ダウンロードでは2位の「晴る」に対し倍近いポイントを重ね、オーディオストリーミングでも「晩餐歌」を上回り部門1位となっている。

 近年上半期ランキングでは前年度からのヒット曲が、年末の大型音楽番組の効果もありそのまま1位に残るケースが多いが、今年度は今年に入ってからリリースした「BBBB」が上半期1位になったため、近年とは違い「今年のヒット曲」としてのイメージが強そうに思える。Green Hill Music Chartが現行仕様となった2020年度以降の上半期時点年間暫定1位の曲は以下の通り。

 

【2020年度以降の上半期1位】

2020:「紅蓮華」(Billboard Japanは「Pretender」)

2021:「ドライフラワー

2022:「残響散歌」

2023:「Subtitle」

 

 このうち「残響散歌」は年度内でのリリースとなっているが、前年末に先行配信されており、完全に年を越してからのリリース曲が上半期1位となるのはこの5年間では初となる。となると、逆に前年度から引き続き上位にいた曲がそれ程強くなかったのか、ともなるがそうでもない。「晩餐歌」はビデオストリーミングで部門1位となり、週間チャートでは唯一26週を完走している。「唱」も3要素全てで5位以内に入り、週間チャートでは前年度から続いた連続1位記録を17まで伸ばしシーズン序盤をリードした。なお、上半期時点で週間チャート1位となったのは、この上半期ベスト3の3曲のみとなっている(「唱」7週、「晩餐歌」6週、「BBBB」13週)。

 ベスト10の中で年度内リリースの曲をピックアップすると、ドラマ「Eye Love You」主題歌の「幾億光年」が躍進を見せ4位。Number_iとして再出発となった「GOAT」が、ダウンロード売上に疑問が残る部分があるものの9位に入り、ランクイン7週ながら10位に食い込んできた「ライラック」が続く形になった(なお11位の「さよーならまたいつか!」も「ライラック」と同ポイントだが、Hot 100上半期ランキングの順位により差が生じている)。

 

 ここからは要素別に見ていきたいが、ダウンロードはCD売上のランキングほどではないにしろ、市場規模の衰退もあって入れ替えの激しいランキングとなっているが、月額性のサブスクとは異なる客層のランキングとも言えるため、アニメ主題歌が強いなど独自性がここ数年で目立ち始めている。部門2位は上記でも触れた「晴る」。アニメ主題歌で言えば「BBBB」の他、「花になって」や「FREEDOM」、「SOULSOUP」が部門トップ10に食い込んでいるが、部門10位の「SOULSOUP」が37Pt.でしかないところが、上位キープの難しさを物語っている。ただ全体上位を見るとダウンロードでポイントが無い曲は見られず、傾向としてはまず初動週でダウンロード上位に入り、その後オーディオストリーミングの順位が付いてくる曲が全体上位に食い込んでいる曲と言えるだろう。

 一方オーディオストリーミングはキャンペーン効果による一時的な再生数の急騰を除けば順位の維持し易い傾向が強く、上半期ランキングを見ても全体8位の「ケセラセラ」までがオーディオストリーミングで部門トップ10に入っており、重要度はBillboard Japanほど高くは無いが、ここでのポイントが上位の順位に影響している事は間違えない。全体トップ10外で部門10位以内は「タイムパラドックス」と「Magnetic」。特に「タイムパラドックス」は今年に入ってからのリリースでポイントがオーディオストリーミングのみだが、全体では15位と高い順位となっている(アニメ主題歌ではあるが、ダウンロードでポイントが無いもの特徴)。また「Magnetic」も今年デビューした(日本人2人を含む)K-POPグループ、ILLITの曲でありここまで健闘を見せている。

 ビデオストリーミングは傾向としてダウンロードとオーディオストリーミングの中間ぐらいの位置付けであり、無料ユーザーの影響力がオーディオストリーミングより高いためと見られている。全体トップ10を見ても総じてポイントが高いが独自性も強く、VTuber星街すいせいの「ビビデバ」や、TikTokでの投稿から人気となった「鬼ノ宴」が部門別トップ10に食い込んでいる。特に「ビビデバ」は全体でも14位と高い順位を記録。VTuberでは昨年、しぐれういの「粛聖!! ロリ神レクイエム☆」が思わぬヒットとなったが、それ以上の結果を残しVTuberがヒットチャートで新たに存在感を見せつつあるようだ。一方この部門では存在感を示していたSTARTO(旧:ジャニーズ)勢は、「LOVE TRIGGER」が部門8位に入ったのみ。組織の再編成により体勢が整わず、リリースがままならなかったため下半期で巻き返す可能性もあるが、非ジャニーズ系日本人ボーイズグループに対する活動の抑制が解けた影響が出ている可能性もあるだろう。

 

 

 なおBillborad Japanの2024年上半期ランキングについてはこちらをご覧ください。

www.billboard-japan.com

 

 

 今年の上半期ランキングを今季リリースの曲を中心にお届けしましたがいかがだったでしょうか。これらの結果を基に、来週、再来週の「Green Hill Music Camp 2024」の発表をお待ちいただければと思います。