今週は見逃せない伝統の1戦が2レース

 5月最終週と言えば、ヨーロッパーとアメリカで、レースファンならずとも聞いたことがある2つの伝統的なレースが開催される。

F1 第66回モナコGP
 世界で2番目に小さい国で行われる世界一セレブリティなレース。通常は金・土・日で行われるスケジュールは、金曜日に前座レースやウェルカムパーティーが行われるため、モナコに限り木・土・日で行われる。1周3,340mの間、数え切れないほどのシフトチェンジを行い、壁際数cmのところを抜けていくスリルはこのコースでしか見ることが出来ない。絶対的なドライビングセンスと、公道コースへの対応もここでは求められる。
 ポイントランキングではライコネン、マッサ、ハミルトンが抜け出そうとしているが、ここでの勝利はチャンピオンとはまた別の意味での栄誉でもある。中嶋一貴はこの難コースに、どう立ち向かっていくかも注目したい。


インディ 第92回インディ500
 毎年決勝は40万人の観客でスタンドが埋め尽くされるアメリカが誇る超弩級イベント。レース中は常時350km/hオーバーと言うスピード戦であり、500マイル(約800km)を走る耐久戦でもある。イベント自体も5月4日からスタートし、丸3週間を費やす長期戦。また金曜午前の1時間が、レース前最終の走行となるため、2日後の決勝では天候次第ではまったくのハズレとなってしまう車もある。速い車であることが求められるが、こちらは絶対的な勝負運が無くては栄光のボルグ・ワーナー・トロフィーには手が届かない。
 今シーズン好調なチップ・ガナッシのレギュラー2人が予選で1位、2位。今回は3台体勢でデータ量も豊富に揃うだろう。ペンスキーの2台が3位、4位。AGRも3列目(9位)までに4台全てが揃い、3強会い見える形は出来上がった。合併した旧チャンプカー勢、この一戦のためにスポット参戦したドライバー、そして初のインディ500参戦となる武藤英紀。様々な思いが交錯する中、33台がスタートの時を待つ。