今週の注目:WRC2006シーズン開幕

 自動車の世界ラリー選手権(WRC)の2006年シーズンが今週末、モナコで開幕する。昨年同様全16戦で行われ、今年は最終戦が12月に組まれており、まさに長い1年となる。

WRC公式日本語サイト http://www.e-wrc.jp/

 F1を頂点とするフォーミュラーカーとは違い、市販車ベースの車で行われ、公道を舞台とするWRCは、自動車の極限を引き出す世界一決定戦として人気が高い。日本でも3年前から十勝で開催されており、国内でもその人気は年々高まっている(今年の開催は9月1~3日)。

ラリー・ジャパン公式サイト http://www.rallyjapan.jp/

 その今シーズンは大幅な規格変更が行われ、シトロエンプジョー、スコダがワークス参戦から撤退(シトロエンは07年復帰予定)。三菱も再建計画を本格化させるため、向こう3年間はワークス活動を休止すると発表した。今年のワークスチームはスバルとフォードのみとなってしまったが、プライベートでの参戦者に上位進出のチャンスが生まれたことになる。新たなホープが現れるかにも注目したいところだ。

 昨年シーズン10勝という大記録を打ち立て2年連続のワールドチャンピオンになったS.ローブはシトロエンがワークス活動を休止したため、プライベートチームであるクロノスに移籍。しかしこのチームはシトロエンが全面バックアップをし、体制面ではほぼ問題ないと言われている。史上2人目の3連覇へは、まず3連勝中のモナコを征することから始まる。
 追うのはソルベルグだろう。昨シーズンは3勝に終わったが今年は新型インプレッサを開幕戦から導入し、03年以来の世界王者を狙う。グロンホルムプジョーからフォードへと移籍。昨シーズンは2勝ながら2度のチャンピオン獲得経験が生きれば2強に待ったをかけることは可能だ。今年もこの3人が主役となりシーズンが繰り広げられるであろう。

 このWRCと併せて開催されるPCWRCとJWRC(それぞれ全8戦)も忘れてはならない。改造制限が厳しいPCWRCでは、FIA主催の選手権初の日本人チャンピオンになった新井敏弘が王座防衛に挑む。排気量と年齢制限があるJWRCにはスズキ・スイフトが参戦し、こちらは王座奪還を狙う。今年はスケジュールが大幅変更され、波乱も十分予感させるが、12月3日に頂点に君臨するのは果たして誰か?