Green Hill Music Chart 2021 第29節結果

2021シーズン第29節(6月7日~6月13日)結果

 昨シーズンとなる2020年度から大幅に仕様変更を行ったGreen Hill Music Chartですが、今季は新たに長期に渡りチャートインしている曲に対してポイント獲得条件を付け、チャートの活性化を促進する「リカレント・ルール」を導入します。詳しいルールにつきましては下記のリンクをご覧ください。

amano-yuuki.hatenablog.jp

  また、このチャートで用いているBillboard Japanのダウンロードストリーミングルックアップの要素を含め、Billboard Japan全体の仕様解説も掲載しておりますので、併せてご覧いただければと思います。

amano-yuuki.hatenablog.jp

 

 それでは第29節の結果です。

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2021 Round 29 Result

 米津玄師「Pale Blue」が前節5日間分の集計で6位だったストリーミングを2位まで順位を伸ばしCD発売前に首位獲得。来週以降はルックアップのポイントも加わり万全の体勢となるか。

 3週連続1位だった「Butter」はダウンロードで1つ順位を再浮上させたが一歩及ばず2位に後退。「怪盗」もダウンロードで順位を上げたがストリーミングで後退。ただベスト3は15Pt.オーバーとハイレベルな戦いとなった。

 今週初登場は6曲。「ごめんねFingers crossed」はルックアップで10Pt.を確保。ただダウンロードでも結果が欲しかったか。宮沢賢治の「風の又三郎」をモチーフとして作られた「又三郎」は10位。「あんさんぶるスターズ」のユニットコラボ曲はダウンロードとルックアップでポイントを獲得し11位。「アイドルマスター シャイニーカラーズ」のアンティーカが13位。映画「ゴジラvsコング」日本語版主題歌の「INTO THE DEEP」は15位。そしてLittle Glee Monsterの「君といれば」が23位に入った。なお配信されているこの曲は先日復帰した芹奈の復帰前にレコーディングしたものとなっている。

 今週は3曲が再登場。「愛を知るまでは」はリリース3週目でルックアップで大きく順位を伸ばし9位。ここ最近はレンタルショップの店舗数減少でレンタル解禁での効果が目に見えて薄くなっていたが、週末のレンタル解禁の効果が出ていそうだ。また「Cry Baby」が18位、「閃光」が21位に再登場。「閃光」は公開が延期になっていた映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」の公開に合わせての再浮上となっている。

 

 つづいて、今週の結果を受けてのアーティストランキング上位40組はこのようになりました(ポイントの増減に伴う順位変動に対し赤文字青文字表記)。

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Artist Ranking 21-29

 トップ10では米津玄師がトップ10に復帰。来週以降大量得点の可能性があるだけに、どこまで順位を伸ばしてくるでしょうか。

 乃木坂46は今週10Pt.を獲得したものの、来週は昨年第30節の10Pt.を失うため、どこまでマイナスを少なく出来るでしょうか。

 

 現在の暫定年間ランキング、およびアーティストランキングの上位50組はこちらからご覧ください。

amalabel.g3.xrea.com

 以上が今週のチャートでした。

 

 さて来週は現在首位の米津玄師がシングルCDをリリース。大量得点ならしばらく週間首位の座が安泰となりえるが、どれだけの結果を出すのか。配信リリース勢ではAdoの新曲「夜のピエロ」もまずまずのスタートとなっている。米津玄師が一気に突き抜けるのか。来週もぜひご覧ください。

 

お知らせ:

 今週末から今季上半期の表彰となります「Green Hill Music Camp 2021」が始まります。まず今週末は昨季下半期から今季上半期の変則年間ランキングによる選抜戦Green Hill Music Review 2020-21」を発表します。6月19日発表予定ですので、こちらもご期待ください。

2021年度上半期、年間表彰について

 毎度“天”ブログをご覧いただきありがとうございます。

 

 “”ブログでは今年も併載しているGreen Hill Music Chartと合同で、今年度上半期のヒット曲を振り返る「Green Hill Music Camp 2021」、および今年度年間でのヒット曲を振り返る「Green Hill Music Awards 2021」、「Green Hill Music Grand Prix 2021」を開催予定です。

 「Green Hill Music Camp 2021」につきましては、昨年下半期から今年上半期の変則年間ランキングから選出した「Green Hill Music Review 2020-2021」を6月19日。上半期ランキングから過去に上半期、年間表彰を受けていない歌手により「Music Trial」を6月25日、本編となる「Music Camp」を翌26日に発表予定となっております。

 また選出方法につきまして、今回は若干の変更を加えております。そちらにつきましては3月に発表しておりますので、今一度確認いただければと思います。

amano-yuuki.hatenablog.jp

 

 今回の選出対象変更に伴い、昨年以前で今回のルールを適用した際に選出されていた曲(2年連続同一楽曲での選出を除外した際に選出対象に繰り上がった曲)が4曲ありましたので、それについては6月24日に発表いたします。

 

 また今回から取り入れられた、「Green Hill Music Chart」でのシングルチャートとアルバムチャートの合算で歌手別の最多ポイント獲得者に与えられる最優先選出枠「THE FIRST SEED」の獲得者を発表します。

 「Green Hill Music Camp 2021」での「THE FIRST SEED」獲得者は…

 

 

 

 

 YOASOBIです。

 

 シングル部門、アルバム部門共に獲得ポイント1位で文句無しの選出となりました(シングル部門では昨年選出された「夜に駆ける」のポイントを除外しているが、それでも1位)。

 残り19の選出枠につきましては、発表当日までお待ちいただければと思います。

 

 

 そして、たいへん残念ではありますが、今回選出対象から除外となる歌手を発表いたします。

 

 まずはアニメ「呪術廻戦」第1クールエンディング曲である「LOST IN PARADISE feat. AKLO」を歌っていたALIです。メンバーだったKAHADIOが電子計算機使用詐欺(還付金詐欺)の容疑で逮捕、起訴されており、現在は無期限の活動停止となっています。今回は「Music Trial」での選出の可能性がありましたが、社会的観点から選出から除外とさせていただきます。

 

 そして、今年の年間チャートでも上位(ひょっとしたら1位かもしれない)に入るかもしれない優里につきましても、女性問題(三股)の根深さを考慮し、選出から除外とさせていただきます。メディアには問題なく出演は出来ているのですが、印象を悪くした面は否めず、また説明も不十分であり、問題の解決には至っていないものと判断し、今回の裁定となりました。今年の主役級の歌手が選出から除外されるのは大変遺憾ではありますが、何卒ご理解ください。

 

 なお両者とも、「Green Hill Music Awards 2021」での楽曲部門の表彰につきましては除外対象としません。あくまで歌手単位での表彰についての除外となります。

 

 

 今回の発表については以上です。来週からの「Green Hill Music Camp 2021」、どうぞお楽しみに。

Green Hill Music Chart 2021 第28節結果

2021シーズン第28節(5月31日~6月6日)結果

 昨シーズンとなる2020年度から大幅に仕様変更を行ったGreen Hill Music Chartですが、今季は新たに長期に渡りチャートインしている曲に対してポイント獲得条件を付け、チャートの活性化を促進する「リカレント・ルール」を導入します。詳しいルールにつきましては下記のリンクをご覧ください。

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  また、このチャートで用いているBillboard Japanのダウンロードストリーミングルックアップの要素を含め、Billboard Japan全体の仕様解説も掲載しておりますので、併せてご覧いただければと思います。

amano-yuuki.hatenablog.jp

 

 今週のチャートの前に、当ブログの記事がジャーナリスト松谷創一郎さんの記事にて取り上げられています。元記事と合わせ、参考にしていただければ幸いです。

 

news.yahoo.co.jp

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 それでは第28節の結果です。

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2021 Round 28 Result

 BTS「Butter」がダウンロードで2Pt.を失い、ポイントをキープしたback number「怪盗」と同点となったが、3要素の合計指数の順位であるContactの順位差で「Butter」が辛くも首位をキープ。これで初登場から3週連続での1位となった。ただそのContactの順位では初登場となった米津玄師「Pale Blue」(余談だが今週、声優の内田彩が同名のシングルCDをリリースしていたため歌手名を補記)が1位。今季最高となる週間8.4万DLを記録しBTSを上回った。また「怪盗」は前節からストリーミングでポイントを伸ばしており、米津玄師「Pale Blue」は来週16日にシングルCDのリリースが控えている。この三つ巴の戦いは来週以降もつづきそうだ。

 「怪物」はポイントを落とすも4位をキープ。「君しか勝たん」はルックアップでV6を退け2週連続1位。そのV6は4年半ぶりの新曲となったL'Arc~en~Ciel「ミライ」にも及ばず9位まで。11月に解散を控えているが、今回は強豪の前に阻まれる結果となってしまった。

 初登場はこの他4曲。「うたの☆プリンスさまっ♪」10周年記念シングルが11位。アニメ「不滅のあなたへ」主題歌「PINK BLOOD」は13位。アニメ「七つの大罪 憤怒の審判」第2クールエンディング曲「NAMELY」は15位。ゆずの代表曲のひとつ「桜木町」のアフターストーリーとなる「NATSUMONOGATARI」が21位となった。

 

 つづいて、今週の結果を受けてのアーティストランキング上位40組はこのようになりました(ポイントの増減に伴う順位変動に対し赤文字青文字表記)。

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Artist Ranking 21-28

 トップ10では優里が6位、Adoが9位にそれぞれランクアップ。Official髭男dism、あいみょん共に昨年のポイントを失っている状態のため、更に上の順位が狙えそうです。

 今週首位と同点の2位だったback numberは36位に浮上。ここからどこまで順位を伸ばせるでしょうか。

 

 現在の暫定年間ランキング、およびアーティストランキングの上位50組はこちらからご覧ください。

amalabel.g3.xrea.com

 以上が今週のチャートでした。

 

 さて来週は今週と比べるとメンバーは手薄か。乃木坂46は先行配信でダウンロードが11位とポイントを獲得出来なかったが、ルックアップ以外でもポイントを取れるだろうか。やはり今週のベスト3がチャートを引っ張っていく存在となりそうな来週のチャートもお見逃しなく。

KAT-TUNをデジタルに放った結果…

 「ジャニーズをデジタルに放つ新世代」とはSixTONESのキャッチコピーであるが、メディアへの所属タレントの顔写真掲載すら規制していたジャニーズ事務所も、遅ればせながらYouTubeSNS等によるプロモーションを強化。先日6月2日には海外向けとも思える英語版のジャニーズ事務所公式Twitterアカウントが開設され、今後の展開が注目されそうである。

twitter.com

 

 とは言え楽曲面での展開はと言えば、相変わらずCDのみでの発売が通例で、先日堂本光一のソロ楽曲が配信を始めたものの、SixTONESをはじめとする主要グループの楽曲は未だに大多数がダウンロード販売はおろか、ストリーミングでの配信が行われていないのが現状である。これについては以前も「利益率の高いCD売上のランキングを全面に押し出したいオリコンとの利害関係が一致している」との見立てをしており、「オリコンはジャニーズが不利にならないようにCD売上の集計方法を変更している」とも指摘しました。Music Card、ライブチケット同梱シングルの集計中止はKAT-TUNが負けそうになった時に発表され(施行は後日)、売上の精査(特典やイベントによる大量購入を要因とする売上に対する減算処置)に関してはKis-My-Ft2が負けそうになった翌週から突如適用されました(いずれも2016年の出来事だが、売上の精査に関しては、200万枚達成阻止のためにAKB系のみ2014年から秘密裏に適用されていた疑いが強い)。

 

 しかしながら今年3月、デビュー15周年を迎えたKAT-TUNの新曲「Roar」が、ジャニーズ事務所としては初となるCDとデジタルの同日リリースを慣行。CDリリースの数週間後にデジタルリリースをする例はありましたが、同日リリースは初めてとあってその結果がどうなるのか、この結果次第ではジャニーズ事務所の今後の展開も左右しかねないところでしたが…

 

 結果を見てみましょう。

www.billboard-japan.com

  分かりやすくするため、ダウンロード(紫)ストリーミング(青)ルックアップ(橙)のみのグラフとしました。

 

 ダウンロードでは初動3位。ただこの時の1.3万DLは決して高い数字ではなく、19.6万枚を記録したCD売上と比べてると明らかに低い。そして持続面においても4週間で100位圏外に飛び、6週目には300位圏内からも姿を消した(上リンクで折れ線グラフが無くなっているのは300位圏外)。

 ストリーミングでは更に厳しい結果となっており、100位圏内に一度も顔を見せる事なく、4週目には300位圏外へと消えてしまった。CD売上ではデビュー以来週間1位を取り続けているKAT-TUNですら、この有様である。

 参考までにCD稼働数を示すルックアップの結果を見ると、ここでは2週連続1位となったが4週間でトップ10から後退。今回はファンクラブ限定盤を含め8種リリースで、通常版と期間限定盤3種ではカップリング曲が違う仕様であったため、(盤種別にカップリング曲が違う)同様の手法を取っているジャニーズのグループと比べても、この結果は物足りなさが残る。

 

 これを見ると、CDは一定量聴かれているものの、ストリーミングではまったく歯が立たない結果となってしまっている。ルックアップはCD全体の売上やレンタルショップの減少で水準そのものが低下しており、またストリーミングは利用者の増大に伴い水準が上がっている傾向が見られているため、このような相反する結果が出ている可能性もあるが、やはりこれはファン以外への広がりが薄いために起こっている結果とも言えるだろう。ダウンロードでもCD売上程の力を発揮出来ていないのもその点があてはまる。要は「ファンだけが頑張っている結果」である。それが露呈してしまったのであれば、他のジャニーズグループが同じ売り方をするだろうか。わざわざ恥をかくような真似はしないだろう。

 

 この結果を受けて、ジャニーズは主要グループの楽曲について、今後音楽配信に踏み出す可能性はますます低くなったと言えるだろう。そしてオリコンとの関係性を強化し、(自分達が手懐けている)CD売上ランキング(一般的に言われるオリコンランキング)の影響力を強めるように働きかける可能性もある。最悪の場合、Billboard Japanを(音事協電通と結託して)圧力で潰しにかかるところまで考えられるだろう。しかし海外に展開したいのであれば「ジャニーズをデジタルに放つ」のは必要不可欠となる。となると、日本以外でのストリーミング解禁と言う選択肢もありえそうだが、果たしてどうするのか。少なくとも、日本国内でのジャニーズ楽曲に関しては、今後もCDで聴くしか無さそうである。

Billboard Japan Hot 100の変更点について(2021年6月2日発表分以降)

 昨日6月2日に発表されたBillboard Japan Hot 100で、大きな変更がなされました。公式の説明では理解が難しい方も多かったかもしれませんので、こちらの方でまとめてみましたので参考にしてみてください。

 

 まずはストリーミングにおいて集計対象の1つだったAmazon MusicのPrime Music(Amazon Prime会員特典)での再生数を加算すると事前に発表されていました(以前はAmazon Music Unlimitedのみ集計対象)。

 これについてはオリコンもストリーミングランキング、ならびに合算ランキングの集計対象としていますが、合算ランキングにおいてはポイント換算が通常の半分(1再生 = 1/600Pt.)となっているため、Billboard JAPANにおいても通常の有料アカウントでの再生と比べ、ポイント換算が割引になっている可能性があります。

 

 そして驚かれた人も多いかもしれません。今週のHot 100でCD売上50.4万枚を記録した日向坂46がBTSに敗れる波乱がありました。そしてチャート発表後に公式Twitterからこのような発表がありました。

  これだけではちょっと分かりづらいので独自の検証による見解を含めて解説していきます。

 

 Billboard Japan Hot 100では週間のCD売上が一定数を超えた場合、CD売上により獲得出来るポイントを係数処理(割合減算)し、瞬発的な大量の売上に対し調整が加えられていました(AKB総選挙シングルの200万枚以上の数字をそのままポイント化するとエラい事になる)。この前の週までは29万枚までは売上枚数がそのままポイント化され、それ以上については間引きされ適用されていました。

 今回手を付けたのは係数処理(割合減算)を行うCD売上枚数の下限の部分であり、大元のCD売上によるポイントである「売上枚数の7.625%(2月までは8.5%)」には手が付けられていません(ダウンロードやストリーミングもポイント換算が変更された傾向は無い)。今回の変更により、週間10万枚の売上でも係数処理が行われる可能性があります(アルバムチャートであるHot AlbumsではCD売上に対する係数処理は行われていない)。

 

追記:おそらくこんな感じ(かなりアバウト)

週間9万枚(以前は29万枚)以下の場合:売上枚数がそのままポイント換算

週間9万枚(同上)以上の場合:9万枚(以前は29万枚)から超過した分を1/10に減算し換算

(例:10万枚の場合、超過した1万枚分が1/10になり、91,000枚分がポイント換算。CD売上そのものに手を付ける訳ではない)

追記2:2022年度から上記係数処理の下限が更に引き下げられました。5万枚台から係数処理の影響を受けているようです。

 

 

 昨今CDを特典で売る商法が横行しており、AKB等のアイドル系での握手券をはじめとするイベント参加権の封入や、ジャニーズ等で見られる映像ソフトの封入、また盤種によりカップリング曲を入れ替える商法など、CD売上が楽曲人気とは異なる形で引き延ばされている現状があります。ビルボードチャートは「所有と接触を合算するチャート」を理念としており、CDやダウンロード売上による「所有」の部分にある程度の重きを置く姿勢が、日本独自の商法により「楽曲人気を示す」部分において不確かな要素として表立ってしまっていた部分を今回の変更で是正させようとする狙いがあるでしょう。

 ただ係数処理があったとしても、余程の事が無い限り「週間チャートに関しては」CD売上でゴリ押し出来てしまうのが現状です。今週の日向坂46も20,563Pt.であれば普通は1位を取れています。ただ今週はその「余程の事」が起こってしまいました。日向坂にとっては「相手が悪かった」としか言いようがありません(シミュレート上、この前の週のKing & Princeに今回のルールを適用しても1位に変わりは無い)。

 

 問題はこれがどれだけの影響を及ぼすかです。ジャニーズ系のようにルックアップ(CD稼働数)がしっかり取れているのであれば、減算されるCD売上のポイントを補えるでしょう(ひょっとしたらCD売上のポイントよりルックアップのポイントの方が高くなる可能性もある)。坂道系も今回のポイントを見る限りでは週間1位を取り逃す可能性は低いと言えます。AKB48もCD売上だけで今まで通りゴリ押し出来ると思います(秋に1年半ぶりのシングルをリリース予定?)。ただしこれは週間チャートでの話です。年間となると初動売上でのポイント減算がかなり響くと思われます。今年上半期にリリースされた楽曲については以前のルールのまま今年の年間ランキングに反映される見込みですが(明日発表の上半期ランキングも同様)、今後CD売上が突出している楽曲については年間(上半期)ランキングでかなり厳しい結果が出るものと見込まれます。

 

 今回の変更で週間チャートの結果にある程度の変化が見込まれますが、あくまで「週間チャートは1週間だけの結果」です。たった1週間でヒット曲が分かるものでしょうか? どうしても週間チャートの1位を気にしてしまうものですが、本当のヒット曲は何週間経っても色あせず上位に留まり続ける曲です。それに対し「代り映えの無いランキング」と言うのはヒットチャートの概念に反しています。1位を取った翌週にはあっさり10位にも残っていない曲は記憶に残る曲でしょうか? 逆に1位は取っていないが何週間も10位以内に残っている曲の方が記憶に残っているのではないでしょうか? そしてその流行っているはずの曲が10位以内に残れないランキングはヒットチャートと言えるでしょうか? 「たった1週間の、短絡的な頑張り」だけにスポットを当てていては、本当に流行っているものを見抜けません。週間チャートと言うものは、そのように見るべきではないでしょうか。

 

 そしてこれは改めて示しますが、ヒットチャートのために音楽配信解禁を要望するのは本末転倒です。楽曲はチャートのためにあるものではありません。それらはファンのためであり歌手のためでなければなりません。ただジャニーズ系は音楽配信を解禁したところで大した結果が出るようには思えないのですが…(次回↓につづく)

 

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Green Hill Music Chart 2021 第27節結果

2021シーズン第27節(5月24日~5月30日)結果

 昨シーズンとなる2020年度から大幅に仕様変更を行ったGreen Hill Music Chartですが、今季は新たに長期に渡りチャートインしている曲に対してポイント獲得条件を付け、チャートの活性化を促進する「リカレント・ルール」を導入します。詳しいルールにつきましては下記のリンクをご覧ください。

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  また、このチャートで用いているBillboard Japanのダウンロードストリーミングルックアップの要素を含め、Billboard Japan全体の仕様解説も掲載しておりますので、併せてご覧いただければと思います。

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 それでは第27節の結果です。

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2021 Round 27 Result

 BTS「Butter」がダウンロードで1Pt.失ったものの逃げ切り、2週連続で首位獲得。先週時点で驚異的な数字となっていたストリーミングとMV再生数はストリーミングが2994万再生、MVは1569万再生となり、ストリーミングでは過去最高の週間再生数記録となった。

 ドラマ「恋はDeepに」主題歌の「怪盗」がダウンロード1位、ストリーミング4位と好発進で初登場2位。ドラマの最終回に向けどれだけ状態を維持できるか。約1年ぶりとなる日向坂46「君しか勝たん」はルックアップ1位、ダウンロードも6位に入り初登場3位。前節2位の「怪物」はストリーミングで1つ順位を上げたもののベスト3からは後退した。

 今週その他の初登場は5曲。実写映画版「るろうに剣心 最終章 The Beginning」主題歌の「Broken Heart of Gold」が8位。B'zのストリーミング解禁に合わせリリースされた「きみとなら」が10位。この曲は2019年放送のドラマ「べしゃり暮らし」のエンディング・テーマとなっていた。15位にはミュージカル「刀剣乱舞」から「Scarlet Lips」が初登場。「アイドルマスター シャイニーカラーズ」から「OH MY GOD」は日曜日リリースと1日分のみの集計ながらポイント圏内に登場。「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」メンバーによる「THE SECRET NiGHT」が21位に入った。

 

 つづいて、今週の結果を受けてのアーティストランキング上位40組はこのようになりました(ポイントの増減に伴う順位変動に対し赤文字青文字表記)。

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Artist Ranking 21-27

 トップ10ではBTSが3位に浮上。2位LiSAとの差は大きいが、「Dynamite」のポイントを失いだす前に、どれだけ差を詰められるでしょうか。今週2位に入ったback numberは39位にランクアップ。自力があるだけにポイントを伸ばしてきそうです。

 

 現在の暫定年間ランキング、およびアーティストランキングの上位50組はこちらからご覧ください。

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 以上が今週のチャートでした。

 

 さて来週は強豪が揃い、今季中盤のヤマ場と言えるラウンドとなりそうだ。筆頭格はドラマ「リコカツ」主題歌の米津玄師「Pale Blue」。これを追うのが4年半ぶりの新曲となるL’Arc〜en〜Ciel「ミライ」。こちらはゲーム「BLUE PROTOCOL」の主題歌となっている。また宇多田ヒカル「PINK BLOOD」はアニメ「不滅のあなたへ」の主題歌。いずれも実績十分の3者が来週のチャートを賑わしそうだ。来週のチャートもぜひご覧ください。

Green Hill Music Chart 2021 Mid-Year Rankings

 2021年シーズンは先週のチャートで上半期を終了。今週のチャートからは下半期に入るが、その前に上半期のランキングでこの半年間、どんな曲が、どんなアルバムがヒットしたのか振り返っておきたい(集計期間:2020年11月23日~2021年5月23日)。

 

 昨季からはBillboard JAPAN発表のダウンロードストリーミングルックアップ(CD稼働数)での週間チャート10位以内に入ると獲得出来るポイントによる年間選手権方式となりました。そして今季からは一定週数トップ10入りした楽曲に対しては、ポイント獲得条件を設けるリカレント・ルールを採用(アルバムチャートでは採用していません)。これにより導き出された今季のヒット作は? 今回は楽曲別とアルバムの上半期ベスト40を発表します。

 

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 それでは、楽曲別の上半期ランキング40位~21位です。

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2021 楽曲別上半期 40~21位

※ DL,St,LUはそれぞれダウンロードストリーミングルックアップでの獲得ポイント。Weeksは今季週間チャートに入った回数。部門別トップ10入りは背景色が付く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて楽曲別の上半期ベスト20はどのような曲が並んでいるでしょうか。見てみましょう。

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2021 楽曲別上半期 ベスト20

※ 部門別ベスト5は太文字。部門別1位は白抜き

 

 このような結果となり上半期1位は「ドライフラワー」となった。特にストリーミングでは長期にわたり上位をキープし続けており、序盤大きくリードした「炎」を逆転。今後どこまでポイントを積み重ねられるでしょうか。

 「炎」は第11節まで週間チャートで17週連続1位を記録。3部門すべてで100Pt.以上、部門ベスト5と全方位的にポイントを重ねた。

 「Dynamite」は「ドライフラワー」と共に今季上半期の週間チャートを完走。新曲「Butter」のリリースで刺激を受けるだろうか。

 「怪物」も3部門でポイントを重ねており配信でもCDでも良く聴かれている。上半期上位の中で現在週間チャートでは最上位なだけに、年間では更に上の順位になれそうだ。

 ダウンロードのポイント1位は「うっせぇわ」。MVの刺激的な内容でも話題となったが、ダウンロードでも強さを発揮した。

 

 つづいてアルバムの上半期ランキング、40位から21位までを見てみたい。こちらはストリーミングの要素が無く、ダウンロードとルックアップの2要素となる。

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2021 アルバム上半期 40~21位

 

 

 

 


 さてアルバムの上半期ベスト20はどのような曲が並んでいるでしょうか。見てみましょう。

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2021 アルバム上半期 ベスト20

 このような結果となり、「THE BOOK」が上半期1位となった。CDが限定的にリリースされたためか、ダウンロードでは2位以下に大差を付けるポイントを獲得。ルックアップでも3位以下に差の付いた2位と話題性の高さが伺える結果となった。

 「STRAY SHEEP」は昨年8月リリースながら、ルックアップ1位、ダウンロード2位と今季に入っても支持を得ている。「THE BOOK」と「STRAY SHEEP」が3位以下を大きく引き離しており、2強の様相を呈している。

 「One Last Kiss」は宇多田ヒカルが「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」に提供した楽曲を収録したEP盤。3月リリースながら上半期3位まで順位を上げてきている。

 「1ST」は「THE BOOK」と同じ週にリリース。ジャニーズのためCDのみのリリースだが、ルックアップで着実にポイントを積み重ね4位まで順位を伸ばした。

 「おいしいパスタがあると聞いて」は昨年9月リリース。「STRAY SHEEP」と共に今季の週間チャートをここまで完走しており、こちらもまだまだCDは良く聴かれているようだ。

 

 

 以上、ざっと上半期ランキングをご覧いただきましたが、お気に入りの楽曲、気になった楽曲やアルバムはありましたでしょうか。なおBillboard JAPANの上半期ランキングは、6月4日に発表予定です。こちらも併せてチェックしてみてください。

 また、Green Hill Music Chartの上半期表彰となります「Green Hill Music Camp」は、昨年下半期から今年上半期の年間ランキングから選出した「Green Hill Music Review 2020-2021」を6月19日。上半期ランキングから選出した注目株を紹介する「Music Trial」を6月25日、本編となる「Music Camp」を翌26日に発表予定です。こちらもぜひご期待ください。