Green Hill Music Grand Prix 2022(前編)

 お待たせしました。今年1年の音楽界をリードした男女20組、計40組を2日間に分けて発表いたします「Green Hill Music Grand Prix 2022」。今日は前編となります。

 

 それでは今大会の選考ルールをご覧ください。

Green Hill Music Grand Prix 2022(開催は今回で16回目)
規定

  • 2022年度の年間ランキング上位のみが選出される
  • 4日に発表した「Green Hill Music Awards 2022」からTop Artistの男女別1位が最優先で選出され、更にTop AlbumTop Single CDTop Download SongTop Streaming SongTop Songから1作ずつ、計5組が選出される。
  • 年間ランキング上位からはBillborad JAPAN Hot 100(CDシングル表題曲、リードナンバーには一部条件あり)とその要素となっている楽曲単位のダウンロードストリーミングシングルCDのルックアップ(CD稼働数)から2曲ずつ。Hot Albums(一部条件あり)、アルバムCDのルックアップから1作ずつが選ばれ、年間チャートから10組が選出される。
  • それ以外から「ワイルド・カード」としてGreen Hill Music Chartの2022年シーズン「Season Hit 100」(楽曲別)から年間上位2曲、「Artists 50」(歌手別)から年間上位2組を選出し、紅白20組、計40組を選出する。
  • 同一歌手・グループの曲、アルバムが2作以上同一部門の年間ランキングにランクインしている場合は、その最上位曲、アルバムが選出対象となる。ただし昨年以前にGrand Prixに選出された楽曲、アルバムは選出の対象外となる。
  • 実際の紅白にあるとされる事務所枠、レコード会社枠は無い

 

 果たして今年、日本の音楽界の中心に立った40組は誰になるのか。

 

 それでは、紅組の先攻でGreen Hill Music Grand Prix 2022選出アーティストの発表です。今回も出来る限り公式のMVにリンクしておりますので、ぜひご覧の皆様自身によりその楽曲をお楽しみください。

 

【ワイルド・カード 「Artists 50」(アーティスト別ポイント上位) 選出者】

「選出曲」歌手名(選出回数)

 

1 「Burn My Soul」 She is Legend初選出

 

2 「星の墓標」 麻枝准 & やなぎなぎ初選出やなぎなぎは単独名義での選出は無し

※ 共にアプリゲーム「ヘブンバーンズレッド」からの楽曲であるため連続での登場

 

3 「a r e a」 Hey!Say!JUMP (2年ぶり10回目) 今回選出された中では白組最多選出回数


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4 「SOUVENIR」 BUMP OF CHICKEN (2年ぶり9回目)


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【ワイルド・カード 「Season Hit 100」(楽曲ポイント上位) 選出者】

 

5 「ヒトツボシ」 KOH+初選出柴咲コウは単独名義での選出は無し、福山雅治は過去7回選出


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6 「ダンスホール」 Mrs.GREEN APPLE (2年ぶり3回目)


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7 「五月雨よ」 櫻坂46 (2年連続6回目)※ 欅坂46での選出回数を含む


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8 「Overdose」 なとり初選出


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【年間ランキング選出者】

  ここからは複数要素で年間チャート上位になった場合、複数曲が選出される場合があります。

 

アルバム「U」より

9 「Chopstick」 NiziU (3年連続3回目)


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10 「踊り子」 Vaundy初選出


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11 「アルデバラン」 AI (6年ぶり3回目)


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12 「黎明」 ジャニーズWEST (2年連続4回目)


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13 「スパークル」 幾田りら初選出)ソロとしては初選出


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14 「喜劇」 星野源 (2年連続6回目)


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アルバム「マクロス40周年記念超時空コラボアルバム デカルチャー!!ミクスチャー!!!!!」より

15 愛・おぼえていますか(40th Anniversary DeCulture Edition)」 シェリル・ランカ・ワルキューレ 初選出シェリル・ノームランカ・リーワルキューレ、3者とも単独での選出は無し

 

16 「CITRUSDa-iCE初選出


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17 「POP!」 NAYEON初選出) ソロとしては初選出、TWICEでは5回選出


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18  King & Prince (5年連続5回目)

「ツキヨミ」


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「Lovin' you」


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19 「それを愛と呼ぶなら」 Uru (2年ぶり3回目)


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20 「KICK BACK」 米津玄師 (6年連続6回目)


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 まずは以上の紅白10組ずつ、20組の発表となりました。いずれも今年話題となった楽曲ばかりかと思いますが、ご覧になっている方々の印象に残っている曲はありましたでしょうか?

 1日空きまして29日に後半の模様をお送りします。どうぞお楽しみに。

amano-yuuki.hatenablog.jp

2022年音楽年間ランキング総まとめ

 2022年も残すところあと1週間。2022年の年間ランキングではどのような動きがあったか、Billboard Japanオリコンの年間ランキングを見ながら振り返ってみましょう。

 

 まずはBillboard JapanのメインチャートとなりますHot 100の年間ランキングです。発表当日に(予約投稿の形で)速報版を出しておりますので、今回はそれ以外の部分について触れていきたいと思います。

amano-yuuki.hatenablog.jp

 

 まずは(CD売上のポイントに係数処理を施すようになって以降となる)2017年度以降、売上3要素での年間100位以内が、どれだけHot 100の年間100位以内にも入っているかをまとめてありますので、こちらをご覧ください。

 このようになっており、CD売上の年間100位以内からHot 100の年間100位以内に入った曲が昨年からほぼ半減して以下の10曲のみになってしまっている。

※ 係数処理が施されているため、上表では「ミックスナッツ」以外「CD売上枚数 = CD売上での獲得ポイント」ではない。

 

 CD売上のポイントについては2022年度開始時点で係数処理の適用下限が9万枚から5万枚に引き下げられ、10月19日発表分以降、係数処理のパーセンテージが厳しくなっている傾向が見られている(ただし7月20日発表分以降、係数処理は原則1位にのみ適用となった)。さらに昨年9月(第4四半期)からルックアップのポイント換算が大幅に引き下げられた影響(1/3近くまで下げられたと見られる)も大きく、これだけの減少になったものと見られる。またCD売上で年間1位の「オレンジkiss」がHot 100で年間100位以内に入っていないのも注目点だろう。

 ここに入っている10曲はCD売上以外で強い部分があり、Hot 100でも年間100位以内に入っているものと見られる。ストリーミングは年間100位以内がほとんどHot 100でも年間100位以内に入っているため、ここが一番重要な部分である事に違いない(ただINIとBE:FIRSTはLINE MUSICでの再生回数キャンペーンや、INIはAWAでのドーピング行為の問題がある)。音楽配信の無いジャニーズの2曲はMV再生数で年間上位に食い込んでいるものと見られる(ルックアップやツイートのポイントはそこまで大きくない)。ただ効果としてはストリーミング数に劣ってしまうため、順位がそこまで上位になっていないようだ。

 ただ逆に言ってしまえば、残る90曲はCD売上が100位以下、もしくはシングルCDとしてリリースされていない曲となる。そもそもダウンロード販売が登場した2000年台後半以降、特典商法もあり「CD売上 = 楽曲人気」の構図が崩れ、昨今ではCDプレーヤーの普及率も減少しており、CDがコアファン向けのアイテムになっている以上、CD売上がヒット曲の指標として扱いづらくなっているのは事実だろう。更に日本ではCDそのものの価格が諸外国より高く、物価高が続くとなると、ますますライトユーザーは、決して安いとは言えないCDを手にしづらくなりそうだ。その状況からすれば、ヒットチャートにおいてCD売上上位を入りづらくするのは間違えでは無い。

 48Gや坂道系などのアイドルが来年から接触商法を復活させるとの一部情報もあるが、コアファンだけのCD売上で「その曲がヒットしている」とするのは、もはや無理強いとも言えてしまっている。しかしそれでも、業界向けに利益を重視しているオリコンはCD売上と利益を最重要としてランキングを発表し続けてしまっており、それが長年に渡り音楽ランキングの中心的存在だったがために、未だ影響力を持ち続けてしまっている。ただサブスクがこれだけ普及してしまった以上「売れている曲 = 楽曲人気」の構図も崩れているだろう。CD売上は今や「コアファンの熱量」と捉えるべきだが、オリコンはその基準を変えず未だ「ヒット曲」として扱い続けてしまっている。それが今のBillboard Japanとオリコンの信頼性の差になってしまっているだろう。

 更に言ってしまえばオリコンは特典商法や複数枚数購入を促す商法に対し、「1会計につき3枚以下」で集計し、該当するCDは実際の売上から間引いた数字で発表しているが、その調整した数字を「売上」と称して発表するのは如何なものだろうか(もちろん、年間ランキングにあるアーティストトータルセールスもその間引かれた数字で計算される)。しかもこの施策についてはジャニーズ事務所が影響を及ぼしている疑いが強く、公平性と言う点でも疑惑がもたれている。この点は「CD売上 = 楽曲人気」を維持したいがために行ったとも言えるが、その構図が崩れてしまった以上、もはやCD売上を誤魔化して発表するのは無意味ではないだろうか(利益を優先させているはずなのに、CD売上を間引いて発表するのは矛盾しているとも言える)。それでもなお、音楽配信をほとんど行っていないジャニーズのためにそれを維持させたいのであれば、根幹であるCD売上ですら一部下方修正して発表しているオリコンは、ますます支持を失うだろう。

 そもそもCD売上だけの単一要素でヒットチャートを作ろうとしている時点で無理がある。そしてそれをヒットチャートとして祀り上げたマスコミにも問題はあるし、それをヒットチャートとして受け止め続けてしまった側にも問題がある。オリコンは愚直に売上を発表し続け、これが現状であるのを示し続ければ良かったのだ。「AKBに200万枚を記録させたくない」との横やりを入れる必要は無かった。ダウンロード売上も2010年以前から集計できていたであろう。Billboard Japan Hot 100に近い形式のトラックスランキングも存在していた。では何故変われなかったのか。それが業界のしがらみと既得権益によるものであれば、巻き込まれた側も不幸である。今ある合算ランキングもCD単位での集計で、ヒット曲を示しているとは言い難い(そもそも、最も利益を上げたCDパッケージを知りたい人がいるだろうか?)。それでもオリコンは、今まで培ったコネでマスコミを支配し、自分たち(CD売上)の権威を誇示し続けるのであろうか。…いや、誇示し続けられるのであろうか。オリコンによりヒット曲を失われた10年以上の歳月が日本の音楽業界の文明的発展を妨げているようであれば、それは追及されなければならない問題である。

Billboard Japan 2022 年間シングルCD売上ランキングベスト10

Billboard Japan 2022 年間シングルCD売上ランキング(100位まで)

オリコン 2022 年間シングルCD売上ランキング上位25作

オリコン 2022 年間合算シングルランキングベスト10

※ 集計期間が2週間異なる。オリコンの年間1位「ツキヨミ / 彩り」はFC限定版がサウンドスキャンでは集計対象外のため、オリコンの方が高い(正確に近い)数字になっている。

 

 ダウンロード売上年間100位以内からは54曲がHot 100の年間100位以内にランクイン。ここは年度毎に多少の変動はあるが、サブスクの普及により年々市場規模が低下しており、チャートに与える影響力も相対して低下している。年間1位のAimer「残響散歌」は昨年1位の優里「ドライフラワー」(42.5万DL)を上回る47.3万DLを記録したが、年間10位で見ると昨年の菅田将暉「虹」が24.0万DLに対し、今年のOfficial髭男dism「Subtitle」は15.4万DLと低下が顕著に表れている。ただそれでも、サブスクを契約するまででは無いが、好きな曲は手元に有って欲しいと思うユーザーが一定数いるのであれば、CD売上と比べヒット曲を示す要素としては有用ではないかと思われる。現在の日本はスタグフレーションが起こっている最中であり、月額980円の音楽サブスクも値段相応に利用しないのであればそれを解約し、ダウンロードの方が安上がりで済むユーザーが増えるかもしれない。この点は速報記事でも触れたが、アニメファンがアニメを見るためのサブスクは利用するが、音楽を聴くためのサブスクには契約していない傾向と同じだろう。そう言う点があるのであれば、今後はダウンロード売上で上位に来る曲のジャンルがはっきりしてくる可能性もあるかもしれない。

Billboard Japan 2022 年間ダウンロード売上ランキングベスト10

Billboard Japan 2022 年間ダウンロード売上ランキング(100位まで)

オリコン 2022 年間デジタルシングル(単曲)ランキングベスト10

 

 一方、コロナ禍を機に日本でも急速に需要を伸ばしているのが音楽サブスク市場である(ストリーミングと言うとMV等の映像系も含むが、ここではオーディオストリーミングのみを扱う)。2020年度以降、ストリーミングの年間100位以内がHot 100の年間100位以内への進出が大幅に増加し、今年も100曲中88曲がHot 100の年間100位以内に進出している。

 ただ上記CD売上の部分でも触れたが、主にAWAのラウンジ機能を利用した再生数のドーピング行為や、LINE MUSICでの再生回数キャンペーンによる再生数の増大問題が顕著になり、Billboard Japanでは4月と5月に相次いで対策を講じた。またLINE MUSIC自身もキャンペーンでの再生数に対し独自で調整を行った結果(AWAも年間ランキングでは調整が行われていた模様)、局地的で不自然な再生数を抑制させるに至っている。今年のランキングはその移行期間があったためその影響は残っているものの、来年以降は正常化するだろう。

 ユーザー数の増大に伴い、ようやくランキングの流動性も増してきた感がある。再生数で見ると年間1位のTani Yuuki「W / X / Y」は3.28億再生で、昨年1位の優里「ドライフラワー」の4.71億。年間10位で見ると今年はKing Gnu「一途」が2.04億、昨年10位はAwesome City Club「勿忘」が2.47億と、ここだけ見ると数字は昨年より落ちているように見えるが、市場規模が拡大している点を考慮すると50位、100位辺りは昨年以上の数字になっている可能性が高い。ただ日本ではランキングや履歴を聴くユーザーが多く、諸外国と比べるとランキングの変動はまだまだ盛んではない。言い方が悪いかもしれないが、「ドライフラワー」や「夜に駆ける」、「Pretender」辺りが年間上位に居残っているようでは保守的なユーザーが多いとも見られてしまう。世界的に展開しているサブスクが多く日本独自の対策は難しいかもしれないが、リカレント・ルールのような条件を満たしたらランキングから強制退場させられるようなルールが必要なのかもしれない(例:YouTubeのランキングは原則公開から1年経過で除外される)。

 あとはストリーミング回数での記録に対する地位の向上が求められる。1億はおろか5000万もそう簡単に到達できる数字ではないため、ストリーミング回数での記録はもっと評価されるべきであり、運営側ももっとアピールするべきだろう。ただそれに対する信用問題があれば、それを取り払う必要もある。ストリーミング回数での記録が以前のCD売上並に信用できるものとして扱えるようになれば、遅ればせながら日本の音楽業界も新時代に突入するだろう。

Billboard Japan 2022 年間ストリーミングランキングベスト10(ストリーミングの形式やユーザー区分によりポイント化されているため、「再生数 = 順位」ではない、またMV再生数は含まれていない)

Billboard Japan 2022 年間ストリーミングランキング(100位まで)

オリコン 2022 年間ストリーミングランキングベスト10(MV再生数を含む)

amano-yuuki.hatenablog.jp

 

 ここでダウンロード売上とストリーミング再生数の年間トップ10をポイント化(推定値)した表を作ってみたので、これもご覧いただければと思います(曲名が黄色表示はシングルCDの表題曲としてもリリースされている曲)。

2022 Download + Audio Streaming Points

 このような結果となっており、「W / X / Y」と「ベテルギウス」はダウンロードでのポイントを加えても「残響散歌」を逆転できない差となっている(ダウンロード10位の「Subtitle」が18,430Pt.のため)。ただ「残響散歌」のダウンロードのポイントでもストリーミングと比べると決して高くは無く、「シンデレラボーイ」や「なんでもないよ、」のようにダウンロード売上の順位が低くても、ストリーミングの順位さえあれば巻き返しが可能な(逆に言えば「M八七」のように、ダウンロード売上が高くても、ストリーミングの結果が出ていなければ順位は伸び悩む)状況となっている。

 

 その他の部分は有料課金ユーザーのみが見られる部分なので細かい部分までは書けませんが、部門年間100位以内の占有率が上昇したのはカラオケだけでした。ただこれもストリーミングとの相関性が見られたので、サブスクで気に入った曲を歌う傾向が強まっていると言えるでしょう。MV再生数の占有率は微減ですが、重要性は高いまま。ラジオも減少していますが、平均値に戻ったぐらいで占有率はこの6年で大幅な増減は無し。2022年度をもって廃止となるルックアップとツイートは減少。特にツイートは半減しており、昨年9月にポイント換算が減少したためか、大きく影響力を落としました。

 占有率を表すと、

ストリーミング<<MV<ダウンロード<カラオケ<<ラジオ<<ルックアップ<ツイート<CD売上

 こんな構図になりました。

 

 

 果たして来年はどんなヒット曲が登場するのか。ただその曲の存在をしっかり表せるようなチャートで無ければ、ヒットチャートとは呼べないだろう。

Green Hill Music Grand Prix 2022について(前説)

 いよいよ発表が近づいてきました「Green Hill Music Grand Prix 2022」。年間ランキング上位のみが選出され紅白歌合戦形式で男女20組ずつが集う今年のヒット曲の総決算となりますが、開催に先立ちましてお伝えしたい事がありますので、ここで説明いたします。

 

 まずは重要なお知らせからです。当初の予定では今月28・29日に発表する予定でしたが、28日に日本テレビ系で新たな音楽番組「発表!今年イチバン聴いた歌~年間ミュージックアワード2022~」が放送されます。この番組を「Mステスーパーライブ」や「日本レコード大賞」同等の重要な位置付けとしたいため、初日の発表を27日に繰り上げ、1日間隔を空けて今年のGrand Prixの発表を行います。直前での発表となってしまいましたが、ご理解頂ければ幸いです。

www.ntv.co.jp

 

 続きまして選考内容です。主だったところは昨年から変更ありません。

  • 今月4日に発表した「Green Hill Music Awards 2022」からTop Artistの男女別1位が最優先で選出され、更にTop AlbumTop Single CDTop Download SongTop Streaming SongTop Songから1作ずつ、計5組が選出される。
  • 年間ランキング上位からはBillborad JAPAN Hot 100(CDシングル表題曲、リードナンバーには一部条件あり)とその要素となっている楽曲単位のダウンロードストリーミングシングルCDのルックアップ(CD稼働数)から2曲ずつ。Hot Albums(一部条件あり)、アルバムCDのルックアップから1作ずつが選ばれ、年間チャートから10組が選出される。
  • それ以外から「ワイルド・カード」としてGreen Hill Music Chartの2022年シーズン「Season Hit 100」(楽曲別)から年間上位2曲、「Artists 50」(歌手別)から年間上位2組を選出し、紅白20組、計40組を選出する。
  • 同一歌手・グループの曲、アルバムが2作以上年間ランキングにランクインしている場合は、その最上位曲、アルバムが選出対象となる。ただし昨年以前にGrand Prixに選出された楽曲、アルバムは選出の対象外となる。
  • 選出には審査を要する場合がある(今年から追加)

 

 Billboard Japanにおいて今季中の変更点として、ストリーミングでの再生数のドーピング行為、および再生回数キャンペーンに対する抑制措置が取られ、それ以前と以後では対応が異なる部分があります。そのため、それに該当する楽曲、歌手についてはストリーミングでの結果を調整し、選考を行います。

 

 また選出歌手についてもお知らせがあります。

 

 本家「NHK紅白歌合戦」においてSEKAI NO OWARIが今回紅組からの出場となりました。それに沿って今回は選出された場合、紅組での選出となります。

 

 今年選出された40組はすでに決定しています。今年は12月27・29日での開催となります。発表まで今しばらくお待ちください。

Green Hill Music Chart 2023 第3節結果

2023シーズン第3節(12月12日~12月18日)結果

 

 このチャートで用いているBillboard JapanのダウンロードストリーミングMV再生数の要素を含め、Billboard Japan全体の仕様解説も掲載しておりますので、併せてご覧いただければと思います。

amano-yuuki.hatenablog.jp

 

 それでは2023年シーズン第3節の結果です。まずは11位以下を発表します。

2023 Round 3 Result

 今週は27曲がポイントを獲得。11位以下17曲中9曲が初登場、もしくは再登場と入れ替えの激しい週となった。

 初登場は4曲。アニメ「チェンソーマン」第10話エンディング曲「DOGLAND」が11位。リメイク版「うる星やつら」エンディング曲「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」が16位。年明けリリース予定のアルバムから「Boom-Pow-Wow!」が19位。ホロライブENのVTuver、Mori Calliopeとのコラボ曲となった「綺羅キラー」が27位に入った。

 

 つづきましてトップ10の発表です。

2023 Round 3 Top 10

 大きく順位を上げた曲は無いが、「First Love」はストリーミングで順位を上げ7位に、「第ゼロ感」はMVでポイントを獲得し4位に順位を上げた。

 初登場は2曲。15日に日本語版が配信された「CASE 143」が10位。10日にモーニング娘。'22を卒業した加賀楓の「Give me 愛」が8位に入った。

 首位争いはダウンロードで順位を再浮上させた「KICK BACK」がポイントを伸ばすも、「Subtitle」は今週も盤石の形で逃げ切り3週連続5度目の週間首位獲得となった。なおドラマ「silent」は22日に最終回を迎えた。

 

 それでは今週の結果を受けて、アーティストランキング上位40組はこのようになりました(ポイントの増減に伴う順位変動に対し赤文字青文字表記)。今週から50位までの表示を再開します。

Artist Ranking 23-3

 トップ10では米津玄師が8位に浮上。ただ抜かれたKing & Princeも高得点をマークしており、来週は共にSixTONESを上回るのではないかと見られる。現在1位のAdoは年内は1位をキープできそうだ。

 

 その他、現在の曲別暫定年間ランキングはこちらからご覧ください。

amalabel.g3.xrea.com

 

 以上が第3節のチャートでした。来週もまたご覧ください。

Green Hill Music Chart 2023 第2節結果

2023シーズン第2節(12月5日~12月11日)結果

 

 このチャートで用いているBillboard JapanのダウンロードストリーミングMV再生数の要素を含め、Billboard Japan全体の仕様解説も掲載しておりますので、併せてご覧いただければと思います。

amano-yuuki.hatenablog.jp

 

 それでは2023年シーズン第2節の結果です。まずは11位以下を発表します。なお週間チャートで同点だった場合の順位決定方法をHot 100の順位に変更し、前節の結果もそれを反映したものとなっています。

2023 Round 2 Result

 今週は26曲がポイントを獲得。ストリーミングでトップ10返り咲きとなった「ダンスホール」が23位から12位と大きく順位を回復した。

 初登場は4曲。九州で活動するアイドルグループLinQの「Winter Magic」が2週目でポイント圏内に登場。正式なリリースは今月24日だが、何らかの形で集計に入ってきているようだ。ドラマ「君の花になる」第8話で使われた「Forever or Never」が17位。アニメ「チェンソーマン」第9話エンディング曲「Deep down」が19位。ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」より「MOTTO!」が24位に入った。なおこの曲を含めたデレステ関連の楽曲が今月7日から順次サブスク配信されているが、多くの曲がゲーム内で使用されているショートVer.での配信(上記「MOTTO!」もショートVer.のみ)となっており、この対応にファンから批判が集まっている。

 再登場はストリーミングでトップ10に復帰した「シンデレラボーイ」と、この時期の定番となっている「クリスマスソング」がMV再生数でポイント圏内に入ってきた。

 

 つづきましてトップ10の発表です。

2023 Round 2 Top 10

 「第ゼロ感」がダウンロードで順位を上げトップ10入り。映画は直前まで声優の交代について発表せず非難を浴びたが、映画そのものの内容は公表のようだ。

 初登場は2曲。今回はCDと同日配信開始となった「ここにはないもの」がダウンロードでポイントを獲得し8位。ドラマ「霊媒探偵・城塚翡翠」主題歌「妖」が7位に入った。

 またNetflixで配信されているドラマ「First Love 初恋」の影響で「First Love」がストリーミングで約5年ぶりのトップ10入り。またこのタイミングで7インチのアナログ盤もリリースされており、リバイバルヒットとなりそうだ。

 上位争いは「Overdose」がMV再生数でポイントを入れ3位まで浮上。ここ2週MV再生数の順位を急激に落としていたが、何らかの不備があったようだ。ただそれ以外では動きが無く「Subtitle」がポイントを伸ばし準パーフェクトで2週連続4度目の週間首位獲得となった。

 

 それでは今週の結果を受けて、アーティストランキング上位40組はこのようになりました(ポイントの増減に伴う順位変動に対し赤文字青文字表記)。

Artist Ranking 23-2

 トップ10ではOfficial髭男dismが2位に浮上。またAimerが4位に後退。なおKing GnuとAimerは昨年のポイントを失っており、これから大きく順位を落とす可能性がある。

 それ以下ではなとりがトップ20入り。ポイントの高い状態が続けば、更に上位に進出してきそうだ。

 

 

 その他、現在の曲別暫定年間ランキングはこちらからご覧ください。

amalabel.g3.xrea.com

 

 以上が第2節のチャートでした。来週もまたご覧ください。

Billboard Japan 2022 Hot 100 年間ランキング発表

 Billboard Japanは先ほど2022年の年間ランキングを発表し、シングルチャートとなるHot 100の年間ランキングはAimerの「残響散歌」が制した。

 

 アニメ「鬼滅の刃 遊郭編」主題歌として昨年12月にリリースされた「残響散歌」はアニメ人気も合わさりチャートを席捲。年明けからは7週連続(通算9回)1位をマークするなど他を圧倒し年間1位に輝いた。


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 年間1位は昨年の「ドライフラワー」、一昨年の「夜に駆ける」と、ストリーミング年間1位の曲が2年連続で入っていたが、「残響散歌」のストリーミングは年間5位。しかしダウンロード売上で2位以下を突き放しこれが決め手となった。ダウンロード売上はストリーミング市場の拡大により年々減少しているが、ダウンロード売上の年間ランキングを見ると上位にはアニメ主題歌が多くランクインしており、アニメを見るためのサブスクは使うが、楽曲を聴くためのサブスクを利用していない層が一定数おり、それらの人々がダウンロード購入しているようにも見える(昨今の物価高で、節約のためサブスクの整理をする傾向が世界的にも見られていた)。来年これだけ高い数字は出ないかもしれないが、ダウンロード販売の需要はそれなりに続いていきそうである。

 

 2位はTani Yuukiの「W / X / Y」がランクイン。年明けから徐々に進出したこの曲は週間チャートでの1位が無いどころか2位も無く、最高位は3位が2回。しかしながらトップ10入り32週は今季最多と安定して上位に留まり続けた。またストリーミングで年間1位となったが、週間1位は4回と決して多くない(ちなみに「残響散歌」は週間1位6回)。日本ではどうしてもオリコンの影響により1位にばかり注目が集まるが、ビルボードにおいては1位の重要性は低く、如何に上位に留まり続けるか、そしてそれが長期間愛される曲になりヒット曲となるのかをこの曲のスタッツが示していると言えるだろう。


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 3位には優里の「ベテルギウス」。昨年度終盤からチャートインし、今季序盤の年間ランキング争いを「残響散歌」と共に引っ張った。この曲も週間1位が無く、最高位は2位が2回。ただトップ10入りは30週で「W / X / Y」に次ぐ今季全体2位。またストリーミングは年間2位だが、こちらも週間1位は2回(通算では5回)と決して多くは無い。

 優里は昨年1位の「ドライフラワー」が今年も5位に入り、昨年7月リリースの「シャッター」や、1月にリリースしたアルバムに収録されている「レオ」も年間ランキングに入っており、ファンからの支持も熱そうだが、あえて言わせていだくとやはり昨年の件が今後のキャリアに影響しないかどうか、爆弾を抱えているようにも思えてしまう。一人の才能あるアイドルの芸能人生を不本意な形で終わらせてしまった罪は消えないのだから…。


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 上位以外の面で見ると、ジャニーズ系で年間100位以内に残れたのは79位の「初心LOVE」と、84位の「ブラザービート」の2曲だけとなった。ただルックアップの廃止により、来年はいよいよ年間ランキング入りも怪しくなってきているが、ファンはビルボードを捨ててオリコンに執着するのか。また48Gや坂道系も年間100位以内には入れず、ビルボードに対し「CD売上が蔑ろにされ過ぎている」と思うのか。年間ランキングに入っている曲のほとんどはストリーミングでも年間100位以内に入っている。それを正しいと思うのか、間違えていると思うのか。それは人それぞれだろう。

 

 

 と言う事で、速報版としてお送りしました。あとでまた上げるかは…、時間があるかどうかにもよる(冬コミの原稿、追い込み状態

Green Hill Music Chart 2023 第1節結果(訂正版)

2023シーズン開幕週第1節(11月28日~12月4日)結果

 

 既報通り、ルックアップ(CD稼働数)の要素が廃止されたため、今季はルックアップに代わりMV再生数の週間チャートがポイント対象となります。

 

 また、このチャートで用いているBillboard JapanのダウンロードストリーミングMV再生数の要素を含め、Billboard Japan全体の仕様解説も掲載しておりますので、併せてご覧いただければと思います。

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 それでは2023年シーズン開幕週となる第1節の結果です。まずは11位以下を発表します(配色をリニューアルしました)。

2023 Round 1 Result(update)

※ 同点の際の順位決定方法をHot 100での順位を参照する方式に変更しました。従いまして、当初発表のものから若干順位が入れ替わっておりますのでご了承ください。

 

 今週は26曲がポイントを獲得。なお今週に限り、ポイント対象の変更に伴いポイント上昇の赤文字表示は行っておりません。

 実質の初登場は6曲。アニメ映画「THE FIRST SLAM DUNK」エンディング曲「第ゼロ感」が12位。ドラマ「PICU 小児集中治療室」主題歌「倶(とも)に」が17位、アニメ「チェンソーマン」第1話エンディング曲「first death」が19位。アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」エンディング曲「なにが悪い」が21位。3日に放送された「THE MUSIC DAY」で約20年ぶりに復活したブラック・ビスケッツの「Timing〜タイミング〜」が配信リリースされ24位。元々は1998年にリリースされた曲で約148万枚(オリコン調べ)の売上を記録している。ボカロP、かいりきベアの「ダーリンダンス」が公開から約3ヶ月で急浮上しポイント圏内に乗せてきた。なおBillboard Japanでは今週からニコニコ動画でのデータを基にした「ニコニコ VOCALOID SONGS TOP20」をスタートさせている(上記「ダーリンダンス」は19位)。

 またMV再生数がチャート要素となったため、アニメ「チェンソーマン」第7話エンディング曲「ちゅ、多様性。」と、TikTokでも人気の高い「スターマイン」が今週初登場となっている。

 

 つづきましてトップ10の発表です。

2023 Round 1 Top 10(update)

 前節21位の「あのバンド」がダウンロードで順位を伸ばしトップ10入り。「ぼっち・ざ・ろっく!」が好調な推移を見せている。

 実質の初登場は2曲。8月にリリースされたアルバムから「Milli-Billi」のSpecial Dance Performanceが30日に公開され今週初登場で10位。自身初のクリスマスソングとなった「クリスマスイブ」が6位に入った。またMV再生数がチャート要素となったため、こちらもTikTokで人気の高い「ichiban」が8位に入った。

 首位争いはルックアップからMV再生数にチャート要素が代わってもベスト3の顔触れに変化なし。むしろMV再生数により加点が増す結果となった。結果は「Subtitle」が「KICK BACK」を再逆転し4週ぶり3度目の首位獲得。現状シングルCD化の予定が無い「Subtitle」にとっては、このチャート要素変更はプラスの面に働きそうだ。しかし「KICK BACK」も追走しており、年末年始からシーズン序盤にかけてポイントを積み重ねていきそうだ。

 

 それでは今週の結果を受けて、アーティストランキング上位40組はこのようになりました(ポイントの増減に伴う順位変動に対し赤文字青文字表記)。

Artist Ranking 23-1

 トップ10ではSnow Manが5位に後退。前節までルックアップでのポイントがあったため昨季の減少分を補えたものの、それを失い後退してしまった。ただ代わって4位に上がったAimerも、来週から「残響散歌」のポイントが減り始めるため、上位は混沌としそうだ。

 40位以内で自力で順位を上げたのはRADWIMPSのみ。果たしてルックアップからMV再生数に代わって、このランキングがどう動くのか。

 

 

 その他、現在の曲別暫定年間ランキングはこちらからご覧ください。

amalabel.g3.xrea.com

 

 以上が第1節のチャートでした。2023年シーズンもどうぞごひいきに。