Green Hill Music Chart 2023 第6節結果

2023シーズン第6節(1月2日~1月8日)結果

※ 第6節は今週分のチャートとなります。来週の第7節からは通常の更新スケジュールに戻ります。

 

 このチャートで用いているBillboard JapanのダウンロードストリーミングMV再生数の要素を含め、Billboard Japan全体の仕様解説も掲載しておりますので、併せてご覧いただければと思います。

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 それでは第6節の結果です。まずは11位以下を発表します。

2023 Round 6 Result

 今週は25曲がポイントを獲得。レコ大、紅白で披露された「残響散歌」、紅白で披露された「おもかげ」が再登場。リリースされたアルバム「声」にも収録されている「Boom-Pow-Wow!」も3週ぶりに再登場となった。

 初登場は2曲シングルがリリースされた「OMG」が14位。なおこのシングルのカップリング曲が17位の「Ditto」となっている。来月発売のシングル「STARS」から「この宇宙の片隅で」が23位に入った。

 

 つづきましてトップ10の発表です。

2023 Round 6 Top 10

 共に紅白で披露された「ichiban」と「ブラザービート」がMV再生数で順位を上げポイントを伸ばした。なお「ツキヨミ」はMV再生数で6週連続(通算では8週)1位となっている。

 初登場となったのはこちらも紅白で披露された「怪獣の花唄」。2020年5月に配信された曲で、これまでそれ程高い順位には入っていなかったものの、紅白での歌唱により一気に順位を伸ばす形となった(下リンク:CHART insightでのここまでの順位変動)。

https://www.billboard-japan.com/chart_insight/detail?kind=h100&main=157418&date=2023-01-16&rank_or_point=rank#graph_sort=&rank_or_point=rank&show_week=60

 「怪獣の花唄」が2位に食い込み、「KICK BACK」、「Habit」は一歩ずつ後退。しかし「Habit」は前節からポイントを伸ばしており、順位としては割を食った形か。そして今週も「Subtitle」が首位を守り6週連続通算8週目の1位となった。ヒゲダンは今週新曲「ホワイトノイズ」をリリースしており、この曲の登場が「Subtitle」にどう影響するか。

 

 今回の結果を受けて、アーティストランキング上位40組はこのようになりました(ポイントの増減に伴う順位変動に対し赤文字青文字表記)。

Artist Ranking 23-6

 トップ10ではKing & Princeが2つ順位を上げて6位に浮上。5位米津玄師はポイントを伸ばしており上位とは差があるように見えるが、King Gnuがここから大きくポイントを落とす見込みになっているため、更に上位を狙える状況にあると言えます。

 なおAimerも来週から大きくポイントを落とす見込みになるため、7位以下についても順位の変動がありそうです。

 

 その他、現在の曲別暫定年間ランキングはこちらからご覧ください。

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 以上が第6節のチャートでした。来週もぜひご覧ください。

Green Hill Music Chart 2023 第5節結果

2023シーズン第5節(12月26日~1月1日)結果

※ 本来なら先週発表していた分の週間チャートとなります。今週発表分については14日ごろに更新予定です。

 

 このチャートで用いているBillboard JapanのダウンロードストリーミングMV再生数の要素を含め、Billboard Japan全体の仕様解説も掲載しておりますので、併せてご覧いただければと思います。

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 それでは第5節の結果です。まずは11位以下を発表します。

2023 Round 5 Result

 第5節では24曲がポイントを獲得。この時期らしく年末の大型音楽番組の影響が大きく、「私は最強」と「シンデレラボーイ」が再登場となった。

 初登場は4曲。アニメ「チェンソーマン」第12話(最終話)エンディング曲「ファイトソング」が11位。キャラクターの誕生日合わせでリリースされた「All Yours」が14位。アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」第12話劇中歌「星座になれたら」が16位。なおこの曲も収録されている結束バンドのアルバムもこの週にリリースされている。映画「ラーゲリより愛を込めて」主題歌「Soranji」が11週目で初のポイント圏内進出。10月には先行配信されていたが、映画公開と共に再浮上しストリーミングでポイントを獲得した。

 

 つづきましてトップ10の発表です。

2023 Round 5 Top 10

 トップ10も、主にレコード大賞紅白歌合戦の影響が出ており、紅白で披露された「ブラザービート」がMV再生数を大きく伸ばし再登場を果たした。

 第5節はトップ10内での初登場は無し。11位の「ファイトソング」が初登場では最上位となった。

 レコード大賞で優秀作品賞(大賞候補)となった「ダンスホール」と、同賞で大賞を受賞し、紅白でも披露された「Habit」が大きく順位を伸ばし上位に進出。8位までが10ポイント以上となった影響で、前節よりポイントを伸ばしたものの「First Love」は9位に後退している。しかし2強はゆるぎなく紅白で披露された「Subtitle」は5週連続7度目の週間首位獲得。アニメ「チェンソーマン」が最終回を迎えた「KICK BACK」は5週連続2位となっている。

 

 今回の結果を受けて、アーティストランキング上位40組はこのようになりました(ポイントの増減に伴う順位変動に対し赤文字青文字表記)。

Artist Ranking 23-5

 トップ10では米津玄師が2つ順位を上げ5位に。4位Snow Manとの差も縮まり、3位King Gnuは昨年のポイントを多く失う見込みとなっており、更に順位を上げてきそうだ。逆にSixTONESが9位に後退し、これでKing & Princeが8位となった。ジャニーズ勢同士の順位争いは、MV再生数で着実にポイントを重ねているKing & Princeが現状優勢のようだ。

 

その他、現在の曲別暫定年間ランキングはこちらからご覧ください。

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 以上が第5節のチャートでした。週末発表の第6節もぜひご覧ください。

Green Hill Music Chart 2023 第4節結果

2023シーズン第4節(12月19日~12月25日)結果

 

 このチャートで用いているBillboard JapanのダウンロードストリーミングMV再生数の要素を含め、Billboard Japan全体の仕様解説も掲載しておりますので、併せてご覧いただければと思います。

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 それでは2023年シーズン第4節の結果です。まずは11位以下を発表します。

2023 Round 4 Result

 今週は27曲がポイントを獲得。「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」がMV再生数で順位を2つ上げ12位に浮上。ストリーミングでも順位を上げ、カラオケでも300位以内に進出しており、年末の動向が気になるところだ。

 初登場は4曲。アニメ映画「かがみの孤城」主題歌「メリーゴーランド」が13位。アニメ「チェンソーマン」第11話エンディング曲「バイオレンス」が16位。中国人俳優、張哲瀚(Zhang Zhehan)の楽曲が2曲チャートイン。彼は以前来日した際に靖国神社での自撮り写真をSNSに上げた結果、国民感情を逆撫でしほぼ全ての仕事を失う事態に発展していたが、今回の新曲でカムバックをアピールできたようだ。

 またクリスマス週らしく、マライア・キャリーの「All I Want for Christmas Is You」(恋人たちのクリスマス)がポイントを獲得。4年前のトップ10入りに次ぐ順位を記録した。

 

 つづきましてトップ10の発表です。

2023 Round 4 Top 10

 「新時代」が再びトップ10入り。年間ランキングの発表や大型音楽番組の出演も影響していそうだが。またここでも「クリスマスソング」が4位まで浮上。カラオケでは2019年度にスタート以来8曲目となる週間1位を記録している。

 初登場は2曲。YOSHIKI(X JAPAN)、HYDE(L'Arc〜en〜Ciel)、SUGIZO(LUNA SEA/X JAPAN)、MIYAVIによるユニットの「The Last Rockstars」が10位。年明けリリースのシングルCDからの先行配信となる「Ditto」が9位に入った。

 3位の「Overdose」が1ポイント落としたものの、今週はベスト3に変動無し。「Subtitle」が4週連続6度目の週間首位獲得で今年最後の週間チャートを制した。ドラマ「silent」は先週最終回を迎えたが、好評につき再放送が既に始まっている。NHK紅白歌合戦でも披露される予定で、まだまだ勢いは衰えなさそうだ。

 

 今週の結果を受けて、アーティストランキング上位40組はこのようになりました(ポイントの増減に伴う順位変動に対し赤文字青文字表記)。

Artist Ranking 23-4

 トップ10では米津玄師が7位に浮上。現状4位のSnow Manまでは射程圏内と言え、3位のKing Gnuも昨年のポイントを大幅に減らすため、3位までは見えてきているところです。

 

その他、現在の曲別暫定年間ランキングはこちらからご覧ください。

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 以上が第4節のチャートでした。

 

年末のご挨拶

 今年も「Green Hill Music Chart」をご覧いただきまして、誠にありがとうございます。このチャートが現在のヒット曲をより鮮明に映し出して参考になっていれば幸いです。

 また先ほど、年末恒例となっております「Green Hill Music Grand Prix 2022」後編を発表しました。今年1年の総まとめとしてご覧いただければと思います。

 

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 明日30日にはコミックマーケット101にサークル参加いたします。新刊はアニソンの歴代ダウンロード売上をまとめた「Anison Analyze Special」をリリースします。お越しいただける方は東4ホール、リ18bでお待ちしています。

 

 来週(第5節)のチャートについてはBillboard Japanが10日に発表するとしています。従って再来週分との間隔を空けるため第6節のチャートは14日ごろの発表になる見込みです。2023年も「Green Hill Music Chart」をご覧いただければと思います。

 

 それでは皆さん、よいお年を。

Green Hill Music Grand Prix 2022(後編)

 それでは27日に引き続きましてオリジナル紅白歌合戦Green Hill Music Grand Prix 2022」後半戦の模様をお伝えします。後半は攻守が入れ替わり白組が先攻となります。この後半戦は複数曲が年間チャート上位に入ったアーティストもいますので、その場合は2曲以上を紹介する形になります。

 

前半戦はこちらをご覧ください

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 それでは選出者の発表です。

「選出曲」歌手名(選出回数・2007年からスタートしたので今回が16回目)

 

アルバム「Proof」より

21 「Yet To Come (The Most Beautiful Moment)」 BTS (5年連続5回目)


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22 乃木坂46 (11年連続11回目) 今回選出者では最多選出回数

「Actually…」


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「好きというのはロックだぜ!」


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23 SixTONES (3年連続3回目)

アルバム「CITY」より

「Rosy」


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「わたし」


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24 「僕なんか」 日向坂46 (4年連続4回目)


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25 「シンデレラボーイ」 Saucy Dog初選出


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26 「WA DA DA」 Kep1er初選出


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27 「なんでもないよ、」 マカロニえんぴつ初選出


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28 IVE (初選出)

「ELEVEN」 


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「LOVE DIVE」


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29 「初心OVE」 なにわ男子初選出


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30 あいみょん (5年連続5回目)

「ハート」


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アルバム「瞳へ落ちるよレコード」より

「3636」


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31 「Secret Touch」 Snow Man (3年連続3回目)


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32  宇多田ヒカル (7年連続10回目)

アルバム「BADモード」より

「BADモード」


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「君に夢中」


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33 「一途」 King Gnu (2年ぶり3回目)


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34 「Habit」 SEKAI NO OWARI (2年連続6回目) ※規定により今回は紅組からの選出


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アルバム「壱」より

35 ベテルギウス優里初選出


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36 YOASOBI (3年連続3回目)

「祝福」 


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アルバム「THE BOOK 2」より

「もしも命が描けたら」


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「三原色」


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【四天王・降臨】

37 「W / X / Y」 Tani Yuuki初選出


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38 「残響散歌」 Aimer (2年ぶり3回目)


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【総大将・出撃】

39 「ミックスナッツ」 Official髭男dism (4年連続4回目) 2年連続での白組総大将


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40 Ado (2年連続2回目)

アルバム「狂言」より

「心という名の不可解」


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アルバム「ウタの歌 ONE PIECE FILM RED」より

「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」


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 以上40組がGreen Hill Music Grand Prix 2022選出アーティストとなりました。これらの曲で来るべく来年に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。2023年シーズンはすでにスタートしています。果たして来年、この舞台に進出出来るのは誰になるでしょうか?

 それではみなさん、よいお年を

Green Hill Music Grand Prix 2022(前編)

 お待たせしました。今年1年の音楽界をリードした男女20組、計40組を2日間に分けて発表いたします「Green Hill Music Grand Prix 2022」。今日は前編となります。

 

 それでは今大会の選考ルールをご覧ください。

Green Hill Music Grand Prix 2022(開催は今回で16回目)
規定

  • 2022年度の年間ランキング上位のみが選出される
  • 4日に発表した「Green Hill Music Awards 2022」からTop Artistの男女別1位が最優先で選出され、更にTop AlbumTop Single CDTop Download SongTop Streaming SongTop Songから1作ずつ、計5組が選出される。
  • 年間ランキング上位からはBillborad JAPAN Hot 100(CDシングル表題曲、リードナンバーには一部条件あり)とその要素となっている楽曲単位のダウンロードストリーミングシングルCDのルックアップ(CD稼働数)から2曲ずつ。Hot Albums(一部条件あり)、アルバムCDのルックアップから1作ずつが選ばれ、年間チャートから10組が選出される。
  • それ以外から「ワイルド・カード」としてGreen Hill Music Chartの2022年シーズン「Season Hit 100」(楽曲別)から年間上位2曲、「Artists 50」(歌手別)から年間上位2組を選出し、紅白20組、計40組を選出する。
  • 同一歌手・グループの曲、アルバムが2作以上同一部門の年間ランキングにランクインしている場合は、その最上位曲、アルバムが選出対象となる。ただし昨年以前にGrand Prixに選出された楽曲、アルバムは選出の対象外となる。
  • 実際の紅白にあるとされる事務所枠、レコード会社枠は無い

 

 果たして今年、日本の音楽界の中心に立った40組は誰になるのか。

 

 それでは、紅組の先攻でGreen Hill Music Grand Prix 2022選出アーティストの発表です。今回も出来る限り公式のMVにリンクしておりますので、ぜひご覧の皆様自身によりその楽曲をお楽しみください。

 

【ワイルド・カード 「Artists 50」(アーティスト別ポイント上位) 選出者】

「選出曲」歌手名(選出回数)

 

1 「Burn My Soul」 She is Legend初選出

 

2 「星の墓標」 麻枝准 & やなぎなぎ初選出やなぎなぎは単独名義での選出は無し

※ 共にアプリゲーム「ヘブンバーンズレッド」からの楽曲であるため連続での登場

 

3 「a r e a」 Hey!Say!JUMP (2年ぶり10回目) 今回選出された中では白組最多選出回数


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4 「SOUVENIR」 BUMP OF CHICKEN (2年ぶり9回目)


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【ワイルド・カード 「Season Hit 100」(楽曲ポイント上位) 選出者】

 

5 「ヒトツボシ」 KOH+初選出柴咲コウは単独名義での選出は無し、福山雅治は過去7回選出


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6 「ダンスホール」 Mrs.GREEN APPLE (2年ぶり3回目)


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7 「五月雨よ」 櫻坂46 (2年連続6回目)※ 欅坂46での選出回数を含む


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8 「Overdose」 なとり初選出


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【年間ランキング選出者】

  ここからは複数要素で年間チャート上位になった場合、複数曲が選出される場合があります。

 

アルバム「U」より

9 「Chopstick」 NiziU (3年連続3回目)


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10 「踊り子」 Vaundy初選出


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11 「アルデバラン」 AI (6年ぶり3回目)


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12 「黎明」 ジャニーズWEST (2年連続4回目)


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13 「スパークル」 幾田りら初選出)ソロとしては初選出


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14 「喜劇」 星野源 (2年連続6回目)


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アルバム「マクロス40周年記念超時空コラボアルバム デカルチャー!!ミクスチャー!!!!!」より

15 愛・おぼえていますか(40th Anniversary DeCulture Edition)」 シェリル・ランカ・ワルキューレ 初選出シェリル・ノームランカ・リーワルキューレ、3者とも単独での選出は無し

 

16 「CITRUSDa-iCE初選出


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17 「POP!」 NAYEON初選出) ソロとしては初選出、TWICEでは5回選出


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18  King & Prince (5年連続5回目)

「ツキヨミ」


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「Lovin' you」


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19 「それを愛と呼ぶなら」 Uru (2年ぶり3回目)


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20 「KICK BACK」 米津玄師 (6年連続6回目)


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 まずは以上の紅白10組ずつ、20組の発表となりました。いずれも今年話題となった楽曲ばかりかと思いますが、ご覧になっている方々の印象に残っている曲はありましたでしょうか?

 1日空きまして29日に後半の模様をお送りします。どうぞお楽しみに。

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2022年音楽年間ランキング総まとめ

 2022年も残すところあと1週間。2022年の年間ランキングではどのような動きがあったか、Billboard Japanオリコンの年間ランキングを見ながら振り返ってみましょう。

 

 まずはBillboard JapanのメインチャートとなりますHot 100の年間ランキングです。発表当日に(予約投稿の形で)速報版を出しておりますので、今回はそれ以外の部分について触れていきたいと思います。

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 まずは(CD売上のポイントに係数処理を施すようになって以降となる)2017年度以降、売上3要素での年間100位以内が、どれだけHot 100の年間100位以内にも入っているかをまとめてありますので、こちらをご覧ください。

 このようになっており、CD売上の年間100位以内からHot 100の年間100位以内に入った曲が昨年からほぼ半減して以下の10曲のみになってしまっている。

※ 係数処理が施されているため、上表では「ミックスナッツ」以外「CD売上枚数 = CD売上での獲得ポイント」ではない。

 

 CD売上のポイントについては2022年度開始時点で係数処理の適用下限が9万枚から5万枚に引き下げられ、10月19日発表分以降、係数処理のパーセンテージが厳しくなっている傾向が見られている(ただし7月20日発表分以降、係数処理は原則1位にのみ適用となった)。さらに昨年9月(第4四半期)からルックアップのポイント換算が大幅に引き下げられた影響(1/3近くまで下げられたと見られる)も大きく、これだけの減少になったものと見られる。またCD売上で年間1位の「オレンジkiss」がHot 100で年間100位以内に入っていないのも注目点だろう。

 ここに入っている10曲はCD売上以外で強い部分があり、Hot 100でも年間100位以内に入っているものと見られる。ストリーミングは年間100位以内がほとんどHot 100でも年間100位以内に入っているため、ここが一番重要な部分である事に違いない(ただINIとBE:FIRSTはLINE MUSICでの再生回数キャンペーンや、INIはAWAでのドーピング行為の問題がある)。音楽配信の無いジャニーズの2曲はMV再生数で年間上位に食い込んでいるものと見られる(ルックアップやツイートのポイントはそこまで大きくない)。ただ効果としてはストリーミング数に劣ってしまうため、順位がそこまで上位になっていないようだ。

 ただ逆に言ってしまえば、残る90曲はCD売上が100位以下、もしくはシングルCDとしてリリースされていない曲となる。そもそもダウンロード販売が登場した2000年台後半以降、特典商法もあり「CD売上 = 楽曲人気」の構図が崩れ、昨今ではCDプレーヤーの普及率も減少しており、CDがコアファン向けのアイテムになっている以上、CD売上がヒット曲の指標として扱いづらくなっているのは事実だろう。更に日本ではCDそのものの価格が諸外国より高く、物価高が続くとなると、ますますライトユーザーは、決して安いとは言えないCDを手にしづらくなりそうだ。その状況からすれば、ヒットチャートにおいてCD売上上位を入りづらくするのは間違えでは無い。

 48Gや坂道系などのアイドルが来年から接触商法を復活させるとの一部情報もあるが、コアファンだけのCD売上で「その曲がヒットしている」とするのは、もはや無理強いとも言えてしまっている。しかしそれでも、業界向けに利益を重視しているオリコンはCD売上と利益を最重要としてランキングを発表し続けてしまっており、それが長年に渡り音楽ランキングの中心的存在だったがために、未だ影響力を持ち続けてしまっている。ただサブスクがこれだけ普及してしまった以上「売れている曲 = 楽曲人気」の構図も崩れているだろう。CD売上は今や「コアファンの熱量」と捉えるべきだが、オリコンはその基準を変えず未だ「ヒット曲」として扱い続けてしまっている。それが今のBillboard Japanとオリコンの信頼性の差になってしまっているだろう。

 更に言ってしまえばオリコンは特典商法や複数枚数購入を促す商法に対し、「1会計につき3枚以下」で集計し、該当するCDは実際の売上から間引いた数字で発表しているが、その調整した数字を「売上」と称して発表するのは如何なものだろうか(もちろん、年間ランキングにあるアーティストトータルセールスもその間引かれた数字で計算される)。しかもこの施策についてはジャニーズ事務所が影響を及ぼしている疑いが強く、公平性と言う点でも疑惑がもたれている。この点は「CD売上 = 楽曲人気」を維持したいがために行ったとも言えるが、その構図が崩れてしまった以上、もはやCD売上を誤魔化して発表するのは無意味ではないだろうか(利益を優先させているはずなのに、CD売上を間引いて発表するのは矛盾しているとも言える)。それでもなお、音楽配信をほとんど行っていないジャニーズのためにそれを維持させたいのであれば、根幹であるCD売上ですら一部下方修正して発表しているオリコンは、ますます支持を失うだろう。

 そもそもCD売上だけの単一要素でヒットチャートを作ろうとしている時点で無理がある。そしてそれをヒットチャートとして祀り上げたマスコミにも問題はあるし、それをヒットチャートとして受け止め続けてしまった側にも問題がある。オリコンは愚直に売上を発表し続け、これが現状であるのを示し続ければ良かったのだ。「AKBに200万枚を記録させたくない」との横やりを入れる必要は無かった。ダウンロード売上も2010年以前から集計できていたであろう。Billboard Japan Hot 100に近い形式のトラックスランキングも存在していた。では何故変われなかったのか。それが業界のしがらみと既得権益によるものであれば、巻き込まれた側も不幸である。今ある合算ランキングもCD単位での集計で、ヒット曲を示しているとは言い難い(そもそも、最も利益を上げたCDパッケージを知りたい人がいるだろうか?)。それでもオリコンは、今まで培ったコネでマスコミを支配し、自分たち(CD売上)の権威を誇示し続けるのであろうか。…いや、誇示し続けられるのであろうか。オリコンによりヒット曲を失われた10年以上の歳月が日本の音楽業界の文明的発展を妨げているようであれば、それは追及されなければならない問題である。

Billboard Japan 2022 年間シングルCD売上ランキングベスト10

Billboard Japan 2022 年間シングルCD売上ランキング(100位まで)

オリコン 2022 年間シングルCD売上ランキング上位25作

オリコン 2022 年間合算シングルランキングベスト10

※ 集計期間が2週間異なる。オリコンの年間1位「ツキヨミ / 彩り」はFC限定版がサウンドスキャンでは集計対象外のため、オリコンの方が高い(正確に近い)数字になっている。

 

 ダウンロード売上年間100位以内からは54曲がHot 100の年間100位以内にランクイン。ここは年度毎に多少の変動はあるが、サブスクの普及により年々市場規模が低下しており、チャートに与える影響力も相対して低下している。年間1位のAimer「残響散歌」は昨年1位の優里「ドライフラワー」(42.5万DL)を上回る47.3万DLを記録したが、年間10位で見ると昨年の菅田将暉「虹」が24.0万DLに対し、今年のOfficial髭男dism「Subtitle」は15.4万DLと低下が顕著に表れている。ただそれでも、サブスクを契約するまででは無いが、好きな曲は手元に有って欲しいと思うユーザーが一定数いるのであれば、CD売上と比べヒット曲を示す要素としては有用ではないかと思われる。現在の日本はスタグフレーションが起こっている最中であり、月額980円の音楽サブスクも値段相応に利用しないのであればそれを解約し、ダウンロードの方が安上がりで済むユーザーが増えるかもしれない。この点は速報記事でも触れたが、アニメファンがアニメを見るためのサブスクは利用するが、音楽を聴くためのサブスクには契約していない傾向と同じだろう。そう言う点があるのであれば、今後はダウンロード売上で上位に来る曲のジャンルがはっきりしてくる可能性もあるかもしれない。

Billboard Japan 2022 年間ダウンロード売上ランキングベスト10

Billboard Japan 2022 年間ダウンロード売上ランキング(100位まで)

オリコン 2022 年間デジタルシングル(単曲)ランキングベスト10

 

 一方、コロナ禍を機に日本でも急速に需要を伸ばしているのが音楽サブスク市場である(ストリーミングと言うとMV等の映像系も含むが、ここではオーディオストリーミングのみを扱う)。2020年度以降、ストリーミングの年間100位以内がHot 100の年間100位以内への進出が大幅に増加し、今年も100曲中88曲がHot 100の年間100位以内に進出している。

 ただ上記CD売上の部分でも触れたが、主にAWAのラウンジ機能を利用した再生数のドーピング行為や、LINE MUSICでの再生回数キャンペーンによる再生数の増大問題が顕著になり、Billboard Japanでは4月と5月に相次いで対策を講じた。またLINE MUSIC自身もキャンペーンでの再生数に対し独自で調整を行った結果(AWAも年間ランキングでは調整が行われていた模様)、局地的で不自然な再生数を抑制させるに至っている。今年のランキングはその移行期間があったためその影響は残っているものの、来年以降は正常化するだろう。

 ユーザー数の増大に伴い、ようやくランキングの流動性も増してきた感がある。再生数で見ると年間1位のTani Yuuki「W / X / Y」は3.28億再生で、昨年1位の優里「ドライフラワー」の4.71億。年間10位で見ると今年はKing Gnu「一途」が2.04億、昨年10位はAwesome City Club「勿忘」が2.47億と、ここだけ見ると数字は昨年より落ちているように見えるが、市場規模が拡大している点を考慮すると50位、100位辺りは昨年以上の数字になっている可能性が高い。ただ日本ではランキングや履歴を聴くユーザーが多く、諸外国と比べるとランキングの変動はまだまだ盛んではない。言い方が悪いかもしれないが、「ドライフラワー」や「夜に駆ける」、「Pretender」辺りが年間上位に居残っているようでは保守的なユーザーが多いとも見られてしまう。世界的に展開しているサブスクが多く日本独自の対策は難しいかもしれないが、リカレント・ルールのような条件を満たしたらランキングから強制退場させられるようなルールが必要なのかもしれない(例:YouTubeのランキングは原則公開から1年経過で除外される)。

 あとはストリーミング回数での記録に対する地位の向上が求められる。1億はおろか5000万もそう簡単に到達できる数字ではないため、ストリーミング回数での記録はもっと評価されるべきであり、運営側ももっとアピールするべきだろう。ただそれに対する信用問題があれば、それを取り払う必要もある。ストリーミング回数での記録が以前のCD売上並に信用できるものとして扱えるようになれば、遅ればせながら日本の音楽業界も新時代に突入するだろう。

Billboard Japan 2022 年間ストリーミングランキングベスト10(ストリーミングの形式やユーザー区分によりポイント化されているため、「再生数 = 順位」ではない、またMV再生数は含まれていない)

Billboard Japan 2022 年間ストリーミングランキング(100位まで)

オリコン 2022 年間ストリーミングランキングベスト10(MV再生数を含む)

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 ここでダウンロード売上とストリーミング再生数の年間トップ10をポイント化(推定値)した表を作ってみたので、これもご覧いただければと思います(曲名が黄色表示はシングルCDの表題曲としてもリリースされている曲)。

2022 Download + Audio Streaming Points

 このような結果となっており、「W / X / Y」と「ベテルギウス」はダウンロードでのポイントを加えても「残響散歌」を逆転できない差となっている(ダウンロード10位の「Subtitle」が18,430Pt.のため)。ただ「残響散歌」のダウンロードのポイントでもストリーミングと比べると決して高くは無く、「シンデレラボーイ」や「なんでもないよ、」のようにダウンロード売上の順位が低くても、ストリーミングの順位さえあれば巻き返しが可能な(逆に言えば「M八七」のように、ダウンロード売上が高くても、ストリーミングの結果が出ていなければ順位は伸び悩む)状況となっている。

 

 その他の部分は有料課金ユーザーのみが見られる部分なので細かい部分までは書けませんが、部門年間100位以内の占有率が上昇したのはカラオケだけでした。ただこれもストリーミングとの相関性が見られたので、サブスクで気に入った曲を歌う傾向が強まっていると言えるでしょう。MV再生数の占有率は微減ですが、重要性は高いまま。ラジオも減少していますが、平均値に戻ったぐらいで占有率はこの6年で大幅な増減は無し。2022年度をもって廃止となるルックアップとツイートは減少。特にツイートは半減しており、昨年9月にポイント換算が減少したためか、大きく影響力を落としました。

 占有率を表すと、

ストリーミング<<MV<ダウンロード<カラオケ<<ラジオ<<ルックアップ<ツイート<CD売上

 こんな構図になりました。

 

 

 果たして来年はどんなヒット曲が登場するのか。ただその曲の存在をしっかり表せるようなチャートで無ければ、ヒットチャートとは呼べないだろう。

Green Hill Music Grand Prix 2022について(前説)

 いよいよ発表が近づいてきました「Green Hill Music Grand Prix 2022」。年間ランキング上位のみが選出され紅白歌合戦形式で男女20組ずつが集う今年のヒット曲の総決算となりますが、開催に先立ちましてお伝えしたい事がありますので、ここで説明いたします。

 

 まずは重要なお知らせからです。当初の予定では今月28・29日に発表する予定でしたが、28日に日本テレビ系で新たな音楽番組「発表!今年イチバン聴いた歌~年間ミュージックアワード2022~」が放送されます。この番組を「Mステスーパーライブ」や「日本レコード大賞」同等の重要な位置付けとしたいため、初日の発表を27日に繰り上げ、1日間隔を空けて今年のGrand Prixの発表を行います。直前での発表となってしまいましたが、ご理解頂ければ幸いです。

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 続きまして選考内容です。主だったところは昨年から変更ありません。

  • 今月4日に発表した「Green Hill Music Awards 2022」からTop Artistの男女別1位が最優先で選出され、更にTop AlbumTop Single CDTop Download SongTop Streaming SongTop Songから1作ずつ、計5組が選出される。
  • 年間ランキング上位からはBillborad JAPAN Hot 100(CDシングル表題曲、リードナンバーには一部条件あり)とその要素となっている楽曲単位のダウンロードストリーミングシングルCDのルックアップ(CD稼働数)から2曲ずつ。Hot Albums(一部条件あり)、アルバムCDのルックアップから1作ずつが選ばれ、年間チャートから10組が選出される。
  • それ以外から「ワイルド・カード」としてGreen Hill Music Chartの2022年シーズン「Season Hit 100」(楽曲別)から年間上位2曲、「Artists 50」(歌手別)から年間上位2組を選出し、紅白20組、計40組を選出する。
  • 同一歌手・グループの曲、アルバムが2作以上年間ランキングにランクインしている場合は、その最上位曲、アルバムが選出対象となる。ただし昨年以前にGrand Prixに選出された楽曲、アルバムは選出の対象外となる。
  • 選出には審査を要する場合がある(今年から追加)

 

 Billboard Japanにおいて今季中の変更点として、ストリーミングでの再生数のドーピング行為、および再生回数キャンペーンに対する抑制措置が取られ、それ以前と以後では対応が異なる部分があります。そのため、それに該当する楽曲、歌手についてはストリーミングでの結果を調整し、選考を行います。

 

 また選出歌手についてもお知らせがあります。

 

 本家「NHK紅白歌合戦」においてSEKAI NO OWARIが今回紅組からの出場となりました。それに沿って今回は選出された場合、紅組での選出となります。

 

 今年選出された40組はすでに決定しています。今年は12月27・29日での開催となります。発表まで今しばらくお待ちください。