BTSは新曲とEP盤のリリースにより「Butter」が前節からポイントを伸ばしての2位。新曲「Permission to Dance」は3日間の集計ながら3位に初登場となった。特に後者は今週大幅にストリーミング回数を伸ばしてくる事が確実視されており、来週は「三原色」との首位争いとなるだろう。
「夜に駆ける」はポイントを落としたものの3位と同点の4位。4週連続1位だった「Pale Blue」はレンタル解禁の効果でルックアップでは首位に立ったものの、ストリーミングではポイントを失い5位まで後退。「Cry Baby」は「THE MUSIC DAY」での披露による効果もあり今週も続伸。なお8月18日にリリースされるアルバム「Editorial」に収録される事が9日に発表された。「不思議」は土曜日にレンタルが解禁されルックアップで2位に浮上。一気に順位を戻してきた。
今週は珍しくランクダウンが目立つ週となっている。まずOfficial髭男dismが8位に後退。ポイント獲得はあるものの、それ以上に昨年分のポイントが減っています。上位を見てもKing & Prince、瑛人、ジャニーズWEST、SEKAI NO OWARIが後退。今週はYOASOBIが39.5Pt.、BTSが38Pt.を獲得し、この両者だけで全体の半分近いポイントを稼いだのが要因で、YOASOBIは1,000Pt.の大台が目の前。BTSは2位LiSAとの差が1Pt.まで接近しています。
さて来週は本文でも書いた通り、今週首位を獲得したYOASOBI「三原色」とBTS「Permission to Dance」との首位争いになると見られる。BTSは「Dynamite」も再浮上しており、来週も大量得点の可能性がある。一方現在年間暫定ランキング1位の優里「ドライフラワー」がリカレント・ルールによりチャートアウトの危機となっており、こちらも気にしておきたいところだ。果たして来週のチャートの行方は? ぜひご覧ください。
2位には「夜に駆ける」が再登場。これは英詞版となる「Into The Night」がリリースされ、Billboard Japanでは『原曲の言語違い』であるため、売上・再生数が合算されたための再登場となる。YOASOBIは今週初登場した「三原色」の英詞版「RGB」を来週16日にリリースすると発表しており、同様に合算集計される見込みだ。
さて来週はNiziU「Super Summer」、BTS「Permission to Dance」、ENHYPEN「Given-Taken」とK-POP勢が大挙参戦。ENHYPENは日本で初のシングルCDのリリースとなるが、現状CD売上以外の部分で不安が残るだけに苦戦する可能性もあるだろう。米津玄師を止めるのはBTSかNiziUか、それとも…。来週のチャートもぜひご覧ください。
さて来週はYOASOBIが「三原色」と「夜に駆ける」の英語版となる「Into The Night」をリリース。またPerfumeも「ポリゴンウェイヴ」が好調な滑り出しを見せている。金曜リリースのため、まずはダウンロードで結果を残してきそうだ。米津玄師を止められるのは誰か。来週のチャートもぜひご覧ください。
Billboard JAPAN Hot AlbumsはシングルチャートのHot 100と異なり、CD売上、ダウンロード売上(バンドル売上のみ)、ルックアップ(CD稼働数)の3要素のみとなっている。さらにHot 100で適用されている一定数量以上のCD売上に対するポイントの割引措置(係数処理)も行われていないため、CD売上でのゴリ押しが有効となっており、上半期ランキングではCD売上上位7作がトップ10に入り込んでいる。
ちなみにCD稼働数を示すルックアップだが、YOASOBIがSixTONESを上回り上半期1位となっている。音楽配信が無いCD売上1位のCDで聴くしかないCDより、DL売上1位でありCD売上13位の音楽配信でも楽曲を聴けるCDの方が多く聴かれているのは、SixTONESは売上ほど聴かれていない、もしくは長期に渡り聴かれていない結果とも言えそうだ。そしてアルバムCD売上が重要なこのランキングにおいて、先日リリースされたBTSのベスト盤「BTS, THE BEST」が現時点で88.7万枚を売り上げているため、すでにSixTONESを逆転しているものと見られる。BTSは上半期ランキングでもCD売上、ダウンロード売上共にトップ10入りしている「BE」が4位に入っており、2作品が年間ベスト10入りする可能性が高くなっている。いずれにせよアルバムチャートはCD売上の影響力が強いと言う点は頭の中に入れておくべきだろう。
各売上要素別のトップ10と見比べると、ストリーミングでは10位の平井大以外全曲が上半期ベスト10入り。ダウンロードでもトップ10のうち8曲が上半期ベスト10に入っているものの、CD売上のトップ10で上半期ベスト10に入ったのは7位のNiziU「Step and a step」(CD売上9位)のみとなっている。シングルチャートであるBillboard JAPAN Hot 100では一定数量以上のCD売上に対してポイントの割引措置(係数処理)が行われており、これが下半期から条件が更に厳しいものとなったため、年間ランキングでは下半期にCD売上のみが突出している楽曲については、上半期にリリースされた同様の曲と比べ順位が大きく劣るようになるだろう。またこれに先立ち、3月からはCD売上のポイント換算が引き下げられており、12月初旬(3日かな?)に発表される年間ランキングを見る際には留意しておきたい。
そしてもう一つ注目したいのは、上半期ベスト10のうち、週間チャートで1位を取ったのは2位のLiSA「炎」、5位のAdo「うっせぇわ」、7位のNiziU「Step and a step」の3曲だけ。1位の優里「ドライフラワー」、3位のBTS「Dynamite」も週間チャート1位は無く(4位YOASOBI「夜に駆ける」は昨年週間1位はあるが、今年上半期は週間1位が無い)、9位のEve「廻廻奇譚」は最高位7位、10位のYOASOBI「群青」は最高位6位となっている。
ただひとつ気になるのが、上半期ベスト10の中で今年リリースした曲が9位のYOASOBI「怪物」しか無い点である(上位の再生回数と順位が異なるが、ポイントで順位を決定しているため、順位にズレが生じる場合がある)。ストリーミングの市場は順調に成長しているものの、利用者数が増えてもランキングの変動が活発化しておらず、それがBillboard JAPAN Hot 100やそれを基にしているCDTVオリジナルランキングの停滞を招いてしまっている。利用者数の増大による再生回数の増大に伴い、Billboard JAPANでは3月からストリーミングのポイント換算を引き下げ(同時にMV再生数のポイント換算を引き上げている)優位性を下げたものの、やはりHot 100の上位に留まり続けているのはストリーミングの上位勢となっている。ストリーミングの順位変動が活発になれば停滞化している問題は解決できそうだが、日本人特有の保守的思考の影響が強いためか、解決に至っていないのが現状である。それが上半期ランキングにも関わらず、今年リリースした曲がベスト10に1曲しか入らないところからも見て取れる。これはBillboard JAPANのみならず、ストリーミングの配信業者にもリカレント・ルール(配信開始から一定期間、もしくは規定週数ランクインでランキングから除外、もしくは別途規定を設ける)などの対策が求められるところだろう。